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『ソンケイ・アトラクト・シン』ニンジャスレイヤーTRPG×のびのびTRPGザ・ホラー ソロリプレイ小説


コア登場人物(画像「YSDメーカー」より作成)

マユ:

モータル。大学生のハッカー。強化した生体LAN端子にファイアウォールを付けている

マリー:


モータル。大学生。冷静で、生き残ることを重視している。心臓はクローム製で自動蘇生装置も付けている

アカリ:


モータル。大学生。銃器が好きで撃ってもいい機会を常に探している。目はマルチターゲット照準付サイバネアイ

アイアンアイドル:


休日の朝に放送されているメガコーポ資本の玩具販売促進アイドルアニメを見て育ったティーンエイジャーにある日ニンジャソウルが憑依した。自分は画面の中の煌びやかなアイドルのようになれないと感じていた彼女は、この力があれば憧れの姿に近づけるかもしれないと歓喜した。と同時にこれまで自分と同列だった人間の命を思うがままにできることに楽しさも感じていた。しかしアイドルに影や裏の顔はタブー。この他者の命を弄びたいという欲求とアイドルとしてマイナスイメージを付かせてはいけないという葛藤の末、彼女は「悪人なら殺してもOK」という歪な結論に着地した。弱きを助け悪しきを殺すこの行為を彼女は「ライブ」と称している。慣れない裁縫でオリジナルの簡易的なライブ衣装を作り、それを普段着にしている。衣装の色は赤基調。返り血を何度も洗うのが面倒なためだ。メンポを着けたいというニンジャの本能に抗いアイドルとして素の顔で勝負している。勝てそうな悪のサンシタ以外のニンジャとの直接戦闘は避けるようにしている。熱狂しているアイドルアニメのアーケードゲームの重課金者。ダブったコーデカードをスリケン代わりに投げる。


本編開始

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

照明が天井に一つぶら下がっている狭い部屋で目覚める4人。全員それぞれ武装が解かれている。サイバネはそのままだが、防具やその他装備も全て没収されている。
何も無い部屋の中の唯一の特徴、ブラウン管モニターがザザザと音を立てて点く。端には緑色で「ビデオ1」との文字。画面には、ニュース番組の舞台セットから人間だけを取り除いた空間。本来アナウンサーの台本が置かれる長デスクの上に、大量生産のぬいぐるみがポツンと置かれている。その絵面が暫し続いた後、ボイスチェンジャーのかけられた声で「デスゲームを開始します」との声が響く。

状況が掴めないアイアンアイドル達。

「ウーン、デスゲーム…?」
「ナンデ?」
「これ誰がわたし達相手に依頼したんだろう?」
「思い当たる節が多すぎる…」

彼女達がボヤボヤ呟いていると、「武器をお選びください」との声が響き、画面の中のぬいぐるみがその抑揚に合わせて不自然に上下した。その部屋唯一の扉が開き、払い下げ品のような手術道具を乗せるカートがやってきた。何の原動力も無いのにも関わらずだ。台の上には、レンチ、バール、ネイルガン、そして薔薇の花束。そのラインナップの異様さに対応する前に、アイアンアイドルは閉まりかける扉にニンジャのスピードで連続コーデカード投擲!破壊を試みる!

「イヤーッ!」

しかし扉は破壊ならず。アイアンアイドルは見た目以上の扉の頑健性に驚く。

「武器をお選びください」

加工された声でメッセージが繰り返される。マユは錆だらけのカートに恐る恐る近寄り、それぞれの物品を検める。薔薇の花束も含め、そこにはなんの仕掛けもない事が確認された。安全が確認された後、他の3人も続いて近寄る。

「まず、なんなんだこの状況は?」とマリーが言うと、それに応えるかのように「武器をお選びください」との声が響く。アイアンアイドルが「ひとつだけ武器じゃなくない?」とツッコむと、それに応えるように「武器をお選びください」との声が響く。「どうやらこの中からひとつ選ぶまで次の展開はないみたいだね」とマユが言うと、それに応えるように「武器をお選びください」との声が響く。「だからそう言ってンじゃん!」とマユ。そして、それぞれがカートの上のものに手を伸ばすと、全員の手がネイルガンの上で重なる。

「連射の技は、ニンジャの方が優れてるよ?」とアイアンアイドル。
「アイアンアイドル=サンはスリケン全然当てられないだろ」とマリー。
「わたしが一番銃の扱いに慣れてる!」とアカリ。
「一番力のないハッカーが持つべきじゃないかなぁ?」とマユ。

ぐだぐだといつまでも決まらない議論。その間にも「武器をお選びください」の声は響き続けている。彼女らは最終的にジャンケンで武器を決め、アカリがネイルガン、マユがバール、アイアンアイドルがレンチ、そして最後に花束がマリーの持ち物となった。加工された声が新しいメッセージを伝える。

「それでは別室へ移動してください。」

「段取りおかしくない?」
「普通この部屋からいきなり始まるものじゃん?」
「こう、壁から火とか水とかガスとかが出たりとか…」
「そもそもわたしのは武器じゃないんだが」

と彼女らはそれぞれ状況に対するツッコミを入れ倒す中、先程カートがやってきた扉が突然開いた。一行は口をつぐむ。

「それでは別室に移動してください。」

扉の先に何があるのかは暗闇でわからない。ボイスチェンジャーで加工された声はただ同じメッセージを繰り返すのみで、何の情報も得られない。彼女達は手探りでこの事態を解決するしかなかった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

結論、扉の先には何もなかった。ただ荒野の中に立方体の小部屋があったのみで、部屋から出ると辺りには無機質な風が吹いている。

「あれ?さっきまで扉の先は暗闇じゃなかった?」と真っ先に異変に気づくのはアイアンアイドル。
「そう言われてみれば確かに…」とマユが続くが、他の2人は特段気にしていないようだ。
「ここはどこなんだ?人攫いにでもやられたのかわたし達は?覚えてない…」とマリーは花束を片手に思案する。
「っていうかデスゲームは?殺し合うんじゃないの?」とネイルガンを片手に不思議がるアカリ。

辺りには何も無い…と思われたが、サイバネアイを持つアカリとニンジャ視力の持ち主たるアイアンアイドルがほとんど同時にあるものを見つける。地平線の向こうに何か影があった。比較できるものが周りに何も無いため、その影がどの程度の大きさなのか、どの程度の距離があるのかは調べようがない。一行は唯一の手掛かりであるその影に向かって荒野の行軍を行った。地平の向こうにあるものには思ったよりも早く着くことができた。これも異常ではあるのだが、一行がそれに気がつくことはなかった。遠くに見えたものは古めかしい洋館だった。

「こーんにーちはー!誰かいませんか〜!」

巨大な両開きの扉を拳で殴りながらアイアンアイドルは大声で呼びかけ続ける。その時!10m後方から機械の駆動が始まる音が複数!気がつくと洋館の扉の後方180°は全て、無数の棘が回転する無限ネギトロ生成重機に囲まれていた!

「さっきまでこんなものはなかったはず…!」とマリー。
「デスゲームってそういう意味!?」とアカリ。
「人を疑心暗鬼にさせるやつじゃないの!?」とマユ。
「こ〜んにちは〜!!!誰か!開けて!いや、開けるか!イヤーッ!」

アイアンアイドルはカラテ解錠を試みる!巨大な扉の木製部分がミシミシと音を立てるが、枠の金属部分は全く動こうとしない!徐々に距離を詰めてくる重機群!マユは扉の横に制御盤を発見!LAN直結し解錠!アイアンアイドルが掛けていた圧により半分壊れかけながら巨大扉が開く。転がり込む一行。そして数秒後、彼女達の居た位置にネギトロ生成重機が詰め寄りぶつかり、停止する。

「はぁ〜焦った〜…」マユはその場にへたり込んで安堵の息を吐く。
「なんか、あんま思ったように力でないなぁ今日…」アイアンアイドルは手を握っては開いて確認する。

マリーは動きを止めたネギトロ生成重機の棘に触れ、本物かどうか確認する。確かに触れた感覚はある。棘の先も鋭利で、指の腹から軽く出血する。どの感覚もリアルだ。アカリはサイバネアイで洋館の中を軽くスキャンする。館は二階建てで、間取りはそこまで複雑ではないようだ。
一行はその場でしばらく憩って作戦会議をする。誘拐からデスゲームの開会宣言、そして荒野の行軍に洋館にネギトロマシン。要素が多すぎる上に一貫性もなく、主催者の意図も掴めない。武器を選ばせた割にはそれに対応する敵も出てこない。仲間同士を疑心暗鬼にさせる仕掛けすらない。これは一体なんなのか。何の手掛かりも無い。もしかするとこの洋館の中に手掛かりがあるのではないか、デスゲームと言うからにはこの洋館の中にもなにかしら不可視のトラップがあるのではないか。彼女達はそのような結論に至った。そして、その場に居続けるペナルティもどうやら無さそうなので、結論に達した後も休憩がてら2〜3時間女子トークをかました。すると日が暮れ始めた。洋館の中には照明の類が存在しないことに誰かが気づき、そろそろ探索しないと暗闇では危ないのではないかと誰かが言い出し、仕方なく一行は洋館の中の探索を始めた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「あれ、なんかこの間取り、知ってるかも!」

と言い出すのはマユ。マユの記憶にはどうやらこの洋館の間取りの知識があるようだ。それが何故なのかは彼女自身もわからない。がしかし、基本守られてばかりの彼女が皆を先導できる立場にあるという事実が彼女に高揚感をもたらし、何故この場所を知っているのかなどということはどうでもよくなっていた。

「そうそう!この曲がり角を曲がると…右側に部屋が4つ、左側に窓があるんだよね!知ってるなぁ〜!」

ウキウキ気分で先頭を歩くマユ。すると!マユの踏み出した右足の接地する床が沈み、横の壁からミニガンが出現!マユの頭を狙う銃口からマズルフラッシュ!廊下は一瞬明るく照らされ、暗さが戻るとそこにはマユの倒れた姿が…無い!頭を連続で撃ち抜かれて死んだはずのマユが、数歩先に立っている。マユ自身も信じられないというような顔をしている。アイアンアイドルは壁から伸び出たミニガンを破壊しようとチョップを繰り出す。いつもならばそのまま粉砕破壊できていたはずだが、機銃にはヒビの一つも入らない。今、すべてを理解したと言わんばかりの顔でマユは顔にさわやかな笑みを浮かべる。

「なーんだ!そういうことか!」

マユ以外の3人は全く状況が飲み込めない。いつもはアイアンアイドル主導で進んでいく探索が、この時だけは自分1人だけが状況を理解しているという愉悦感からか、マユの顔からはますます笑みが溢れる。

「はいはいはい!だからこの洋館の事知ってんだ!みんな!着いておいで!このマユ様に!あ、あとアイアンアイドル=サンは無茶しないようにね!」

状況は読み込めないが、先程の扉のカラテ解錠の失敗やミニガンの粉砕破壊の失敗からニンジャの力が通用しないことを察したアイアンアイドルは、大人しくマユに従う。アカリとマリーは何が起こってるのか説明してくれとせがむが、マユはもったいぶって教えようとしない。

その後もマユ主導で洋館を探索し、巨大ギロチン、キンタロアメレーザー、電磁トラバサミなど様々な脅威がマユを襲ったが、その度にマユは復活してみせた。そして、とある廊下の曲がり角に来た。マユはそこで初めて戸惑いを見せた。廊下の曲がり角の先には、何やら人影のようなものが伸びていた。これはマユも予想外だったらしく、今までの自信はなんだったのかという程に取り乱す。

「えっ!ちょっと!人!人じゃない!?あれ!襲うやつ、かも…!」
「なんであれだけはわからないんだ?今まで間取りも知ってたしトラップも問題無く進んで来たじゃないか」とマリーが疑問を口にする。
「わたしがサイバネアイで見れば…あれ?おかしいな…Xレイでもエコーモードでもあんまハッキリ見えない!このサイバネアイ、新調のし時かなぁ?」アカリの眼をもってしても朧げな人影以上の情報は得られない。
「もし襲うやつなら、わたしが戦うよ」とアイアンアイドルは前へ出ようとする。
「ダメ!アイアンアイドル=サンじゃだめなの!」とマユは止めようとする。
「なんで?言うまでもないけど、わたしニンジャだよ?」

マユが何と言おうかと思考を巡らせていると、その人影がユラリと揺れる!近づいてきている!廊下の角を曲がろうとしてきているのだ!

「と、とりあえずわたしが!攻撃を受けるから!」と慌てながら前へ出ようとするマユ。
「いやいや!わたしが出るって!」とアイアンアイドル。

2人がお互いを止めようとしていると、影の正体が現れる!

「キエーッ!」

黒く細いステッキを振り回しながら現れるゴスパンクスの女!アイアンアイドルとマユは手に持つレンチとバールで全ての攻撃を捌ききる。勝機無しと踏んだのか、相手は及び腰でステッキを構えたまま一行と相対する。

「わ、わたしを殺すの?殺すんでしょ!」

アイアンアイドルは持っていたレンチを放り投げハンズアップする。

「殺しなんかしないって!」
「え…でもデスゲームだってぬいぐるみが…」

ゴスパンクス以外の全員は顔を見合わせ、状況を説明した。デスゲームはデスゲームだが人間同士殺し合うものではないこと、自分達も攫われてやって来たこと、そしてこの洋館は殺人トラップでいっぱいであること。そして説明を聞いて落ち着いたゴスパンクスが今度は自分の状況を語り出した。彼女の名前はタスコ。目が覚めたらこの洋館の狭い部屋にいたこと、錆びれたカートがやってきてステッキを手にしたこと、ブラウン管の中のぬいぐるみにデスゲームだと言われたこと…。

「…なんでわたしがこんなところに居るのかわからない。覚えてない、何も…」

タスコと名乗る女は泣きそうになっている。マユやアカリは彼女を慰める。傍ら、状況を分析するマリー。

「わたし達、そしてこの女。参加者はこれで以上か?なら…ここに何か共通点があるはずだ。そこに現状を打破する鍵もあるはずだ…というか、マユ!」

タスコを宥めていたマユの肩がビクッと動く。

「お前、何か隠してるだろ。ずっと!何でお前だけこの洋館の構造を知ってるんだ?逆に何でタスコの事はわからなかった?何でトラップを食らっても生き返る?アイアンアイドル=サンが力を発揮できてない代わりにお前が強くなってる、それについても何か知ってるんじゃあないのか?」
「ちょっと待って!違うの、わたしがここについて色々知ってたのは…」
「お前がゲームマスターだからか?」

一同に動揺が走る。全員が輪になってマユを囲んで詰め寄る。腕を組んで指をトントンとするアイアンアイドル。再びステッキを構えるタスコ。ネイルガンを構えるアカリ。

「みんな、落ち着いて!情報を隠してたのは謝るから!これじゃほんとのデスゲームじゃん!ホラ、武器を下ろして、ね?」

誰も体勢を変えない。

「…わかった!全部説明するよ!いい、よく聞いて?ここは"コトダマ空間"って言って、現実の世界じゃないの。いつも弱いわたしが強かったのはハッカーだから。この空間ではタイピング速度がものを言うの。この館の構造を知ってたのは、この洋館が権利フリーの有名な3D素材だったから。わたしがミニガンでも死ななかったのはたぶん、本当のゲームマスターの用意したトラップよりわたしのファイアウォールの方が優秀で無効化されてたから。さっきもマリーが言った通りたぶんこの全員には何か共通点があって、誘拐されて精神だけこの空間に縛られてるんだと思う。」
「なるほど…なら何故それを隠してたんだ?」と凄むマリー。
「だって!いつもわたしって守られてばっかりでつまらなかったんだもん!わたしの土俵でわたしが一番強かったらそりゃそうやって…振る舞いたくなるでしょ!」

呆れる一同。しかし説明されたことで合点が行くことも多い。その場に居るだいたいの者が状況を理解した。アカリとマリーを除いて。

「コトダマ空間って何のこと?空間?わたしの眼か視覚情報のどこかをハックして見せてるVRじゃないの?」とアカリ。
「わたしもそんな話は聞いたことがない。それにわたしはサイバネをクロームハートしか入れてない。それでも見えるものなのか?そのコトダマ空間ってのは?」とマリー。

そう、その場に居るアカリとマリーだけは生体LAN端子を埋め込んでいなかったのである。

「たしかに!ハッカーの知識も無くておまけに生体LAN端子も無い人にコトダマ空間を認識させることなんてできるのかな?」と不思議がるマユ。
「わたしの知り合いのニンジャに人の精神をどうこうできる人がいるけど、それってかなり稀なジツだし…彼が関わってるとも思えないし…」とアイアンアイドルが言うと、
「ニンジャ?ジツ?何を言ってるの?何で今おとぎ話の話をしてるの?」突然会話のレールが外れた事に違和感を覚えるタスコ。
「あ、言ってなかったね!ドーモ、はじめまして、アイアンアイドルです!わたしはニンジャだよ!」
「アイエッ⁉︎ニンジャ⁉︎」タスコがNRSを起こしかける!が、重症化する前に止まった。
「ニンジャだなんてそんな…だってそんなのいるわけないし、アイアンアイドル?さん、全然強そうに見えないし…」
「ヌ…今はニンジャの力を出し切れないから証明できないのが悔しいな!でもビックリして死なれるよりはその方がいいのかなぁ」

タスコは依然ニンジャの存在を信じられないという顔をしている。マリーとアカリもコトダマ空間とやらを信じ切れずにいる。

「マユ、お前の言ってることが信じられないんだが…」
「わたしも!ただのVRじゃない事、証明できる?」
「たぶんわたしの方が定義力が上だから…やってみる!」

0101000011110101011010…

一同は柔らかい光の差すオレンジ農園の中で、白く可愛らしいテーブルを囲んで座りティータイムをしていた。

「どう?このお茶の味。マユのスペシャルブレンドだよ!」と自信たっぷりに胸を張るマユ。
「美味しい!しかも味がするってことは…VRじゃない!?」と驚くアカリ。
「信じられない…が、洋館に入る前に棘の付いた重機が突然現れたのもこのコトダマ空間とやらの特性だと思えば納得はできる…かもしれない」と言いながらティーカップを傾けるマリー。
「スゴイ!こんなにこの空間を自在に操るなんて、わたしの彼氏より凄いかも!」とタスコは感心する。
「へぇ〜!彼氏居るんだ!どんな人?何してる人?」とアイアンアイドルもティーカップを傾けつつ尋ねる。
「えっとね〜!カッコよくて、テンサイ級ハッカーだってよく自分のこと言ってて…」徐々にタスコの顔が曇る。
「優しかったし、よくデートに行ってたんだけど…最近よくわかんない下っ端アイドルにハマっちゃって、ずっとその追っかけしてて最近は話しかけても全然構ってくれなくて、熱心すぎていつか一線を超えちゃうんじゃないかって心配で…」

タスコ以外の全員が口を噤む。気まずい沈黙に、明るい鳥の囀りだけが辺りに響く。そしてそれぞれが意を決して話し出す。

「それって…」
「これって…」
「っていうことはそれ…」
「もしかしてわたしのせいって事?」

タスコだけまた状況を理解できず、尋ねる。

「"わたしのせい"ってどういう意味?」
「いや、わたしアイドルやってンだよね…それこそ下っ端だけど、最近は男の人のファンも増えてきて…」

最近ドロドロとした恋愛小説と、IRCネットワークで人怖系匿名掲示板を読み耽っていたアカリが急に全てを理解する!

「つまり!タスコ=サンの彼氏さんがアイアンアイドル=サンに夢中で、熱心すぎてまさに一線を超えちゃって、ファンとプライベートの付き合いをしていた事に嫉妬した彼氏さんはアイアンアイドル=サンを殺そうと思って、わたしとマユとマリーはプライベートで仲良くしてたせいで一緒に巻き込まれて、ついでにもう興味がなくなって鬱陶しくなったタスコ=サンも殺そうって思ったってわけだね!それも適当なデスゲーム方式でむごたらしく!たぶんわたしとマリーには気絶とかさせた後わざわざこれのために生体LAN端子を埋め込んだんだ!本当に恐ろしいのは人ってわけだね…!」

そう言われて段々と事態が理解できたのか、タスコの顔には困惑と悲しみと怒りが入り混じった色が見える。そして…彼女の顔色は怒り一色に染まった!

「AARRRRGH!殺す!殺してやる!」

アイアンアイドルの顔が強張る。

「え、どっちを?わたしを?彼氏さんを?」
「タケシを!アイツ顔が良いだけでよォ〜ッ!デート代は毎回わたし持ちだしよォ〜ッ!LAN直結させてくれないしよォ〜ッ!何よりわたしを殺そうとしやがってよ!」

タスコは激怒して立ち上がる!マユも椅子から立ち上がり、テーブルの中心に手をかざす!

「じゃあみんなでこのふざけたデスゲームの主催者、タケシ=サンをこらしめよう!」

アイアンアイドルとマリーとアカリも立ち上がり、全員テーブルの中心で手を重ねる。号令をかけるのはアイアンアイドル!

「じゃあみんなで!この空間から出て!タケシ=サンを囲んで棒で叩くぞ〜!オー!」
「「「「オー!」」」」

重ねた手を青空に向けて上げ、結託する女子達!

「…せっかく5人だからチョキで星作った方がよかったかな?」とマユ。
「そんなの別にしなくていいだろ」とマリー。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

マユはコトダマ空間をオレンジ農園に書き換えた際に、主催者たるタケシにはまるでデスゲームもどきが順調に進んでいるように見えるよう仕組んでいた。しかし自称テンサイ級ハッカーのタケシは彼女らがオレンジ農園から元の洋館に帰ってきた際のノイズで何が起きているか察知した!参加者が自分達の状況に気付き反抗の意思を見せてきたのだ!参加者の1人に自分より上手のハッカーがいることを理解したタケシは、デスゲームプログラムを彼女らの精神ごと完全にデリートしようとしていた!

一行が洋館の廊下に帰ってきた直後、洋館が急に消滅した。広大な荒野だけがそこにあった。その荒野の地平線に目を凝らせば、フィールド全体が少しずつ緑色の0と1に変換され消滅しつつあることがわかった。これを食い止め全員を消滅の危機から救うためには、タケシ宅のUNIXに直接アクセスしなければならない!状況を瞬時に理解したマユは自らにこの空間からのキックアウトコマンドを出し、現実世界に帰還した。マユが目を覚ますと、コトダマ空間で目を覚ました時のような狭く暗い部屋に横たわらされていた。拘束具などはなく、首の穴に挿されたLANケーブルが壁から伸びており、他の4人も同様の状況だった。首に挿されているケーブルを引き抜く。マユの精神は既にデスゲームプログラムから切り離されているため乱暴な引き抜きも問題なかった。しかし…

「ヤバ!タケシ=サンの住所聞くの忘れてた!」

焦るマユ。あの空間から1人抜け出した事はタケシにはバレているはず。再ログインしてもう一度キックアウトで抜け出せるかどうかの保証はない。よって住所を知っていそうなタスコを起こす必要がある。しかしタスコは未だプログラムに精神が取り残されているため、この場ですぐ目覚めさせるには荒療治が必要だった。咄嗟にマユはマリーの懐を探り、ZBRアドレナリン注入器を取り出した。そしてタスコのもう一つのLAN端子穴に自らのケーブルを挿し電脳内の設定を整え、ZBRをタスコに注入すると同時に壁から伸びている方のケーブルを引き抜いた!

「ンアーッ!……ここは⁉︎」
「賭けだったけど成功ッ!落ち着いてタスコ=サン!ここは現実だよ!」
「現実…?よかった…出れたんだ…!」
「でもZBRはもう無いし、他のみんなをあそこから救うためにはタケシ=サンの家のUNIXに直接アクセスするしかないの!ホラ、ボコボコにするって言ってたよね?タケシさんを!一緒に行こう!」
「そ、そうだね!行こう!待ってろよタケシがよォ…!」

狭い小部屋の扉には幸い物理ロックも論理ロックもかけられていない。拘束具なども無かったことから、タケシはよっぽど自らのハッカーとしての腕を信じていたと見受けられる。扉を開けると…

「エッここ、タケシのマンションじゃん!」

驚くタスコ。そう、5人が寝かされていたそこはタケシの住むマンションの一室だったのだ。

「タケシの部屋は508!ここは…302だから2つ上だ!」

自身の住む建物の中に対象を放置するとは、よほど危機管理能力が無いか、現実世界での犯罪行為が初めてか、もしくはその両方かとマユは走りながら思考する。そしてこの一回の犯罪のために部屋を借り生体LAN端子手術をアカリとマリーの2人分わざわざ行うところから、タケシはアイアンアイドルと自分達に相当な執着があるようだとも考えられる。
部屋前に着き、タスコがドアノブに手を掛ける。しかし開かない!

「開けろッコラー!タケシコラーッ!」

タスコはドアを蹴り回す。ドアにはこのマンション共通のタッチ式電子錠に加えて、タケシが個人的に増設したと思われるロックがかけられていた。マユは携帯UNIX端末を駆使してこのマンションの論理マスターキーを取得!加えて業物のハンドヘルドキーボードを高速タイプしてタケシの増設したロックを破る!キャバァーン!解錠音が鳴る。

「タケシッコラー!」

タスコは玄関のドアを乱暴に開け土足でタケシのいる部屋へ真っ直ぐ進み、そして部屋のドアを開ける!タケシはデスゲームプログラムをデリートするために集中しており、自分の部屋のドアが開けられるその瞬間まで2人の接近に気がつかなかった!

「アイエッ!?」
「お前よくも!」

タスコはタケシを殴打!勢いでタケシは椅子から転げ落ち、UNIXに繋いでいた首のLANケーブルが抜ける!処理中にケーブルを無理に引き抜いたのがニューロンに悪影響を与えたのか、タケシはその場で白目を剥く。タスコは床で気絶したタケシの上に馬乗りになり殴り続ける!その一方、マユはタケシの繋いでいたUNIXに LAN直結しプログラムのデリートをなんとか食い止めようとする。画面内には戯画化されたカエルとウサギがマキモノをやり取りしているアニメーションと、「デリート率60%」「攻撃開始な」の文字。

「これはマズイ…!」

タケシはデスゲームプログラムからマユとタスコが抜け出た時点で残りの全員を確実に始末すべく、kill-allコマンドを出し終わっていた!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

マユとタスコが消えた後、少しずつ狭まる荒野には0と1で構成された朧な人間のようなものが大量発生していた。その朧な人型のものからは知性が感じられず、ただ残された3人に対する敵意だけが感じられた。彼らは皆片腕を上げ、指を一本だけ突き出して彼女らにゆっくりと接近していた。

「な、なんだこれは…?」花束片手に後ずさるマリー。
「敵…みたいだね。イヤーッ!」アイアンアイドルはそのうち一体にコーデカード投擲!朧人間は消滅するが、同じ場所からまた一体が発生する。
「これ、好きなだけ撃っていいってこと!?」アカリは興奮し、ネイルガンを乱射する!しかし彼女の興奮も長くは続かない。朧人間の全大量は減らないどころか、少しずつ増えていっている。これにはアカリも無力感を感じざるを得ない。

タケシは現実世界で殴られる直前、攻撃開始コマンドを押していた。それによりただ腕を伸ばしていただけの朧人間達の指先から、一斉に0と1の弾丸が3人に向けて発射される!ネイルガンとコーデカード投擲で応戦するアカリとアイアンアイドル!身を屈めて被弾面を少なくするしかないマリー!朧人間の01弾丸と2人の飛び道具は空中で対消滅する。しかし弾幕の量は圧倒的に朧人間達の方が多い!3人の体に小さな風穴が増えていき、そこから血のように0と1が溢れていく。最初にダウンしたのはアカリだった。攻撃を喰らった量は3人ともさして変わらなかったのだが、彼女のニューロンは初めてのコトダマ空間、初めての論理攻撃など、このような事態を処理しきれなかったのだ。マリーは戦う術を持たない。応戦できるのは今やアイアンアイドルのみ!ジリー・プアー(訳注:徐々に不利)となりかけていたその時、天空から声が響く!

「大丈夫!?みんな!」

マユだった!

「遅いぞ…」とマリー。
「よかった、助けが…」と消えかけのアカリが死にかけのマグロめいて口をパクパクと開く。
「マユ、なんとかできる!?」アイアンアイドルは被弾しながらもコーデカード投擲の手を止めずに応える!
「その攻撃とこのプログラムの消滅はもう止められないっぽい!けど応援と脱出はできる、はず!」

プログラムから脱出しない限りニューロンの損傷はどうにもならない。よってアカリを救援することはできないが、今いる者を強化する事はできる!マユは論理タイピングでプログラムからの脱出口をつくる傍らで、高速物理タイピングでマリー向けに強化パッチを作成!エンターキーを大袈裟に押し、適用!

マリーの体が宙に浮き、緑色の0と1の渦に包まれる。そして現れたのは…魔法少女と化したマリーだった!

「…おい、なんだこのヒラヒラの服は!ウッ!スカートも短いぞ!」薔薇の花束を片手にした魔法少女は戸惑う。
「え〜スゴイ!わたしにも何かやって!」とコーデカードを投擲しながらせがむアイアンアイドル。
「ごめん!アイアンアイドル=サンはニューロンの奥の…何かよくわからないのが干渉してて弄れそうになくって!」マユの申し訳なさそうな声が響く。
「アー、それわたしのニンジャソウルかな…。わたしにもっとハッキングとかコトダマ空間の知識があれば…ここでも強くなれるのに…」と残念そうな声が漏れる。
「このふざけた格好は何なんだ?これで何ができるんだ?」スカートの丈を伸ばそうと無意味に引っ張るマリー。
「それだけだとちょっと強くなるだけなんだけど、こうすれば…!」

マユは遠隔でマリーの埋め込みサイバネである自動蘇生装置を作動させ、合成アドレナリンを注入した。無理矢理ブーストをかけられるマリーの精神!

「………………み〜んな〜!魔法使いのマリーだよ〜♡」

生まれて初めてのドラッグで限界までハイになるマリー。片足をフラミンゴめいて折り曲げ、片手を頬に添え扇状的なポーズを取る魔法少女!そのあまりの変容ぶりに死にかけていたアカリさえ声を出して驚く。

「え…あのマリーが……なんで…?」
「曖昧な01人間のみんなぁ♡今から使うわたしの魔法、見ててくれるかなぁ〜?魔法の言葉、一緒に唱えようね♡ポッピでパッピのニャン♡」

その場に居たアイアンアイドル、アカリ、そして現実世界のマユも含めて、全員その言動に引いていた。瞳孔が拡張したマリーは手にした花束を風車めいて振り回し、薔薇の花びらを撒き散らした。舞う花びらは、マリーに付与されたニンポめいた力により無限にコピー&ペーストされ、荒野中に拡散する!拡散された花びらは01の弾幕で対消滅し消えてゆくが、無限に繰り返されるコピーによって花びらの総量は変わらず、今や01の弾丸はアイアンアイドル達に届かなくなっていた。

「…合成アドレナリンだけでここまでのことになるとは思わなかったけど、とにかくヨシ!」

マユは論理タイピングを続け、なんとかコトダマ空間に脱出口を完成させた!しかしそれはアイアンアイドル達からは程遠い位置にあり、今にも閉じそうに小さくなっている。アイアンアイドルは天から響くマユの声、その"合成アドレナリン"の部分を聞き逃さなかった。

「アドレナリンでこうなった…ってことは、ニンジャのアドレナリンとカタオキ=サンに教えてもらったニューロンのブースト方法を組み合わせれば!ここでもニンジャの力とスピードが出せるはず!だよねマユ⁉︎」
「いや、ニンジャのことはわたしわかんないけど…やってみて!早くしないと消えちゃうからその穴!」

現実世界の画面には「デリート率99%」の文字!達成率を示すバーはギリギリのところで止まり続けている。普段はじれったく感じるこの100%手前の時間も、今だけはコンマ1秒でも長くあってほしく願うマユだった。

01朧人間の群れの遥か向こうに脱出口が見える。アイアンアイドルは魔法少女として振る舞い続けるマリーと消えかけのアカリを米俵めいて担ぎ上げ、目を閉じて精神集中をする。その間にも脱出口は小さくなり続けている。彼女が目を開いた次の瞬間!最初から2地点に距離など無かったように数クロックで脱出口に到達!その直後達成率を示すバーは「100%」に到達し、戯画化されたカエルとウサギのアニメーションも消えた。

「アイアンアイドル=サン!?マリー!アカリ!」

ディスプレイにしがみつくマユ。彼女が最後に知覚したのは、脱出口から離れた地点に立つアイアンアイドルと担ぎ上げられた2人のコトダマイメージだった。一体どうなったのか。皆はプログラムの中に取り残されたままデリートされてしまったのか。床でタケシを殴り続けるタスコを尻目に、マユは部屋から飛び出し軟禁部屋に駆け出した。階段を転ぶように降りながら302号室へ辿り着く。ドアを開くと…

「酷い目に遭った…」と寝たまま悪態をつくマリー。
「あれは二度と見れない姿だったね!」と言いながら元気に上体を起こしてケーブルを引き抜くアイアンアイドル。
「ッ…あたま痛い」と額に手の甲を乗せるアカリ。

安堵したマユはその場にへたり込んだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

事の顛末はアカリが言い当てた通り、アイアンアイドルのストーカーと化したタケシが拗れた結論で自分の彼女も含めた全員を処刑しようとした、というものであった。生体LAN端子を持っていなかったアカリとマリーはそのためにわざわざ埋め込み手術まで施されていた。

マユはその行動からタケシは経済的に余裕がありそうだと判断し口座から有金をすべて巻き上げようとしたが、そこには金がほぼ残っていなかった。最後の入出金記録を確認すると、法外な値段が一度に送金されていた。不思議に思ったマユはアイアンアイドルと共に推理をし、恐らくニンジャたるアイアンアイドルを気絶させ確保するためにタケシがフリーランスのニンジャを雇ったのだろうという結論に至った。そのニンジャが今自分達を殺そうと現れていないということは、あくまでアイアンアイドル1人を気絶させるだけの契約だったのだろうと推測される。自分の個人情報を知っている、自分より格上のニンジャが今もどこかにいることを思うとアイアンアイドルは薄ら寒さを覚えた。

タケシがボコボコにされた程度でこの件を終わらせたくなかったタスコやアイアンアイドル一行は、気絶したタケシをハッカー強制労働施設に売り払う事に決めた。タケシの「自称テンサイ級」は本当に自称だけだったようで、金額は諸々合わせても50万程度にしかならなかった。それを5等分した彼女らは、もう二度と悪質な男には関わらないよう気をつけようねという話をして別れた。

タケシを売って等分した10万でマユは電脳戦用デッキを購入し、マリーは元湾岸警備隊プロデュースの狙撃強化トレーニングに参加し、アカリは知り合いの私有地でマシンガンを撃ちまくる事で楽しみながら射撃の腕を鍛え、アイアンアイドルは自身の貯金と合わせてクロームハートを上位互換のものに変え、そして女児向けアーケードゲームで1万を溶かした。このようにして彼女達は日常へ戻っていった。


※巻末・付録・後書き※

ステータス

アイアンアイドル

  • カラテ6

  • ニューロン5

  • ワザマエ3

  • ジツ0

  • 体力10(6+ニンジャソウルの闇1+クロームハート1+第二の心臓2)

  • 精神力6(5+クロームハート+1)

  • 脚力3/n

  • イニシアチブ7(ニューロン5+生体LAN端子+2)

  • ニンジャソウルの闇:近接攻撃ダイス+1、射撃攻撃ダイス+1

  • パルスダガー(ダメージ2=1+電磁属性1、連続側転難易度+1)

  • 第二の心臓:シナリオ中最初の即死!を一度だけ痛打+2d6に変える

  • 即応ダイス:4個

  • 緊急回避ダイス:3個(伝統的ニンジャブレーサーとアームガード)

  • ニューロン判定ダイス+2(生体LAN端子)

  • オーガニック・スシ×2(体力3回復)

  • 知識:古代ニンジャ文明、マッサージ、オイランドロイド

  • 交渉:共感、鼓舞

  • ◉ニューロンブースト/チルアウト(シナリオ中一度だけ精神力を-1して自分のイニシアチブ値を戦闘終了まで+D3または-D6する)


マユ

  • 大学生

  • 他の2人と同じ大学に通っている

  • アイアンアイドルと友達

  • ハッキングに特化している

  • ◉知識IRCネットワーク

  • キーボードオブザゴールデンエイジ(シナリオ中一度のみハッキング判定を全てやり直せる)

  • ▶︎▶︎生体LAN端子lv2(ニューロン判定でダイス+4、イニシアチブ+2)

  • ▷ファイアウォール(シナリオ中一度のみ以下のどちらかを使用可能。自分が受けた精神力ダメージ1をただちに無効化できる。ハッキング由来の体力ダメージ1を無効化できる)

  • ◉kill-9(重サイバネ、クローンヤクザ、戦闘兵器、生体LAN端子を持つものが対象。ハッキング判定ハードで成功した場合軽減不可能な2ダメージを与える。回避ノーマル)

  • 名声4

  • ハッキング判定ダイス8(4+生体LAN端子Lv2)

  • カラテ3

  • ニューロン4

  • ワザマエ2

  • 体力3

  • 精神力5(4+不屈の精神)

  • 脚力2

  • イニシアチブ6(4+生体LAN端子lv2)

  • 即応ダイス5

  • 闇・光カードで得られるこのシナリオ中のみ有効なバフ

  • さわやか(ワザマエ+1)

  • ゴスロリ(NPC)(カラテ+1)

  • 不老不死


マリー

  • 大学生

  • あとの2人と同じ大学に通っている

  • アイアンアイドルと友達

  • ◉知識:ファッション

  • 光学迷彩ローブ

  • 光学ノイズグレネード

  • テックスナイパーライフル

  • ZBRアドレナリン

  • 名声4

  • カラテ4

  • ニューロン3

  • ワザマエ3

  • 体力5(4+クロームハート)

  • 精神力4(3+クロームハート)

  • 脚力2

  • イニシアチブ5(3+光学迷彩ローブ)

  • 即応ダイス1

  • 闇・光カードで得られるこのシナリオのみ有効なバフ

  • 魔法少女(シナリオ中一度のみ、魔法の言葉を唱えて判定ダイス+1できる)

  • 薔薇の花束(ワザマエ+1)

  • 霊感がない(心霊にまつわる判定の一切を無効化する)


アカリ

  • 大学生

  • 他の2人と同じ学校に通っている

  • アイアンアイドルの友達

  • ◉知識銃器

  • マシンガン(連続射撃3)

  • バズーカ

  • ▶︎サイバネアイlv1(ワザマエ判定でダイス+1、射撃ダイス+1)

  • ▷マルチロックオン照準(●マルチターゲット)

  • 湾岸警備隊制式マガジンホルスター(即応ダイスを1個消費することで、銃器(拳銃/散弾/ライフル)による射撃時に『射撃ダイス』+3を得る)

  • テックヘヴィレガース(射撃ダイス+1、体力+1、側転難易度+1)

  • 名声4

  • 射撃ダイス7(即応1使用で10)

  • カラテ4

  • ニューロン1

  • ワザマエ4

  • 体力5(4+テックヘヴィレガース)

  • 精神力1

  • 脚力2

  • イニシアチブ1

  • 即応ダイス2

  • 闇・光カードで得られるこのシナリオのみ有効なバフ

  • 愛こそすべて(シナリオ中一度のみ、その状況を愛に関連付けられたら判定に+2の補正を得る)

  • 科学的(シナリオ中一度のみ、今の状況を科学で説明できたら判定に+3の補正を得る)

  • 恐ろしきは人(シナリオ中一度のみ、「本当に恐ろしいのは人ということだな」と言えば判定が自動的に成功する)



イントロダクション「デスゲーム」


場面カード「洋館の入り口」
2d6振って+カラテか+ワザマエで判定し、カラテなら12、ワザマエならば10以上で成功



場面カード「廊下の曲がり角」
廊下の曲がり角の先に影がある。判定ノーマルで6面ダイスを振り、失敗なら戦闘。成功なら脅威ではないものとする。
(判定に成功!)


場面カード「逃れ逃れて」
当該の場所から逃れることに成功する。しかしあの場所に戻らなくてはならないようだ…
(カードには寂れた漁港とあったが、オレンジ農園に読み替え)


クライマックス「世界の希望」
世界は破滅しつつある。希望の光も消えようとしていた。しかしその光を逃さないよう、誰かが走り出した!


余暇
4日
報酬10万
名声+1

後書き

  • マリーの魔法少女のくだりはあまりにもやりすぎで、これは原作を忠実になぞったTRPGのつもりだったが、過剰な二次創作になってるんじゃないか?と思った。でも過剰な二次創作でもいいかなとも思った。何故ならシステムの異なる2つのTRPGを掛け合わせているため原作から外れるのは至極当然だから。本編時空でもAoS時空でもない、新たなユニバースだと思えば納得できる。

  • 「のびのびTRPGザ・ホラー」独特の場面がポンポン変わって前後関係が無くなるパターン、全てはコトダマ空間の中のことだったんだよ!とすれば解決できるのはわかっていた。がしかし、もうその手段はここで使ってしまった。『トラブルサム・ヴィジター』は上手く繋がったから良いものの、これから後急に場面が洋館から幽霊船に変わったりしたらどうしよう。もう同じ手は使えない。いや、もしくはシュギジキ・パターンのように繰り返し使う?

  • 前回に引き続きまたマユにNPCが付いた。前回は「霊能力者」で、奇跡的にニンジャスレイヤー世界においてハッカーと重ねられるキャラクターだったが、ゴスロリはどうしたら役に立つか本当にわからなかった。

  • 生体LAN端子があればすなわちコトダマ空間認識者だと言えるのか、ニンジャであれば必ずコトダマ空間認識者なのか、謎だった。1部でフジキドが高速タイピングを使ってコトダマ空間で活躍しているような描写があったが、あの時フジキドはコトダマ空間を認識していたのか、ただkickコマンドを高速タイプしていただけなのか、謎だった。色々謎だったが、もうこのユニバースでは生体LAN端子さえあればコトダマ空間は容易に認識できるものとした。

  • これはかなり色んな面でふわふわした話なので、この時空におけるデイオブザロブスター3だなと思った

  • コトダマ空間とZBRは魔法ではない!

  • コトダマ空間をまるまる書き換えたり、他人の姿を変えて別の能力を付与したり、マユってナンシー=サン並のヤバイ級ハッカーなのでは?駆け出しハッカーのつもりが…

  • 今回は戦闘が全くなかった。判定も特になかった。ただストーリーだけがあった

  • いつモータル3人が死にそうになってもいいように(アンセレクテッド・レザレクション判定が来てもいいように)名声をバンバンあげてるんだけど、こんなモータルがネオサイタマでトントン拍子で成長していくもんなのか?もっとブルタルなのがネオサイタマなんじゃないのか?メアリースーなのでは?と思うこともある。けど、公式じゃない時点で全てのものが二次創作だし二次創作では全てがあり得るから、無理に原作の雰囲気に固執する必要はないのかなとも思う。それで楽しめなくなるよりは良い。

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