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「情報資源組織論」合格レポート

※合格レポートはあくまでも参考です。
 丸写しや類似レポートは不正とみなされるため、絶対にやめてください。
 
田中は2021年10月入学で全課程修了済です。

【設題】
字数指定:2,000字
設題の記入:不要
指定したキーワードをすべて使って、各設問の回答を完成させてください。
①現在、多くの公共図書館や大学図書館で、外部の書誌データを利用した目録作成業務が行われています。集中目録作業(=共同目録作業)、それぞれの特徴(意味や役割、課題など)を明確にし、さらに今後の目録作成業務の在り方について自らの見解をまとめてください。(1,000字)
②地域の図書館(公共図書館)での現地調査もしくは調査対象館のHPの蔵書検索により、「蔵書の所在記号(背ラベル)の付与のしかた」について複数ケースを洗い出し、気づいたことをまとめてください。さらに、調査で得た内容や関連情報をもとに、書架分類と書誌分類という二つの点から、NDCの分類(記号)を活用することの意義や課題について考察してください。尚、調査対象館は"NDCを採用する近隣の公共図書館図書館"で、取り扱う情報資源は。紙資料"とする(1,000文字)
〈キーワード:書架分類、書誌分類、目録、配架(テキストでは排架を使用)、所在記号〉

【レポート作成上の留意事項】
・設問は二つあります。指定された字数の中で、両者の回答内容がほぼ同じくらいの分量(文字数)になるよう心がけましょう。
・テキストをもとに、まず情報資源組織化の目的や意義、指定したキーワードの意味について理解した上で、レポートの作成に取り掛かってください。
・設問1では、目録規則やその構成、データ・フォーマット、目録作成の手順などについての詳細な説明、利用者側の利点に関わる論述は控えめにしましょう。
・設問2の調査内容には、①調査対象の図書館の名称、②調査の方法(現地調査、当該図書館のHPによる蔵書検索いずれを行ったのか)、③具体例としての所在記号(タイトル著者名、出版社名といった書誌情報も加える)、④気づいたこと、⑤HPによる蔵書検索を行った場合は、参考文献欄に図書館名とHPのURL、を必ず記入するようにしてください。箇条書き可。
また、NDCの歴史(成立背景)、分類作業の手順、分類項目、分類規定にかかわる詳細な説明は控えめにしましょう。
・誤字や脱字に気を付けましょう。特に、テキストで用いられている基本的な用語の誤字が目立ちます。書いた内容を再度読み返し確認するようにしましょう。
・論文の構成を考慮した論述を心がけましょう。
〈レポート作成における留意点〉
①前おき部分[「序論」もしくは「はじめに」]
 →なぜ、このテーマを取り上げるのか明確にすると尚良い
②本論部分
 →できるだけ自分の言葉で要点をわかりやすくまとめる(文章すべてがテキストの丸写しにならないように!)
③結論部分[「結論」もしくは「おわりに」]
 →本論で得た情報をもとに、結果として何を学んだのか明確にする(設問1、設問2それぞれのまとめ+自己の私見)


合格レポート

①現在、多くの公共図書館や大学図書館で、外部の書誌データを利用した目録作成業務が行われています。集中目録作業と分担目録作業(=共同目録作業)、それぞれの特徴(意味や役割、課題など)を明確にし、さらに今後の目録作成業務の在り方について自らの見解をまとめてください。(1,000字)
〈キーワード:MARC、集中目録作業、分担目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ〉
1.はじめに
 近年、外部の書誌データを利用し目録作業を行う図書館がほとんどである。目録作業のうち、ある図書館が一括して行う作業を集中目録作業、複数の図書館が協働して行う作業を分担目録作業という。本論では、これら目録作業のそれぞれの特徴を明らかにし、今後の目録作成業務の在り方について考究する。
2.集中目録作業と分担目録作業
 集中目録作業は、議会図書館などが一括して行う目録作業のことをいい、成果物は機械可読目録(MARC)と呼ばれる。それぞれの館で必要な情報をMARCから読み出し、所在記号等自館特有の情報を加えるだけで目録作業ができる。ただし、図書の刊行時点とMARCへの情報収容時点との間でタイムラグが発生することが課題である。
 分担目録作業は、複数の図書館が自館で書誌データを作成し、ひとつのデータベースに集約する作業のことをいい、この集約先を総合目録データベースと呼ぶ。総合目録データベースを利用することで、既に別の館が作成した書誌データを複製して自館で活用することができる。また、必要な書誌データがデータベース上にない場合は、その館で書誌データを作成し(オリジナル・カタロギング)共有することができるため、MARCのようなタイムラグは発生しづらい。このデータベースにMARCの情報を読み出すことができることも利点のひとつである。ただし、複数人がデータを作成するためデータの品質担保が難しいこと、情報検索や同定が不十分なため重複データが作成される恐れがあることが課題である。
 この総合目録データベースを管理する専門組織のことを書誌ユーティリティという。書誌ユーティリティは、目録作成や相互貸借などを支援する各種サービスをも図書館に提供している。

3.今後の目録作業の在り方
 今後は総合目録データベースを核として、集中目録作業と分担目録作業が同時並行的に実施されていくことが望ましいと考える。MARCを利用することで質のいいデータをより効率的に総合目録データベースへ記録できるからだ。また、書誌データ作成時のヒューマンエラーへの対応を講じる必要があるだろう。データ品質を一定に保つフォーマット考案や重複データを発生させないためのシステム統制、作成された劣悪なデータの効率的な抽出方法の策定が必要と考える。

4.さいごに
 これからも高度情報化は進んでいくことが予測される。図書館員は、時代に合った目録作業方法を常に模索し、新しい技術を貪欲に学び続ける姿勢を持つことが大切である。

②地域の図書館(公共図書館)での現地調査もしくは調査対象館のHPの蔵書検索により、「蔵書の所在記号(背ラベル)の付与のしかた」について複数ケースを洗い出し、気づいたことをまとめてください。さらに、調査で得た内容や関連情報をもとに、書架分類と書誌分類という二つの点から、NDCの分類(記号)を活用することの意義や課題について考察してください。尚、調査対象館は"NDCを採用する近隣の公共図書館図書館"で、取り扱う情報資源は、紙資料"とする(1,000文字)
〈キーワード:書架分類、書誌分類、目録、配架(テキストでは排架を使用)、所在記号〉
1.はじめに
 本論では、〇〇図書館における所在記号の付与方法について実態調査を行い、NDCの分類を活用することの意義や課題について考察する。なお、調査方法は当該図書館HPの蔵書検索で実施した。

2.〇〇図書館における蔵書の所在記号付与方法
 当該図書館では、図書の分類記号にNDCを用いている。本の背に貼られている請求番号には、基本的に2段階で図書の分類記号、著者氏名の最初の音2文字が記載されている。しかし、中には3段階で巻冊番号、別置記号が記載されているものもある。
 以下に蔵書検索で調査した結果を「著者氏名、『図書タイトル』、出版社、分類、請求番号」の順に記す。
 例1.佐藤=ロスベアグ・ナナ、『翻訳と文学』、みすず書房、904、K/904/さと
 例2.ティエリー・ポイボー、『機械翻訳』、森北出版、007.636、K/007.6/ぽい/ル
 これらは「翻訳」を題に含んでいるが、テーマが異なるため付与されている所在記号が異なっている。例えば、『機械翻訳』は機械翻訳、『翻訳と文学』は翻訳文学というテーマに分類されている。

3.NDCの分類を活用することの意義と課題
 図書館においてNDCの分類を活用する意義としては、資料の分類体系が単純明確なために利用者にとって理解しやすいこと、普及率が高いため複数館の利用者にとって便利であることが挙げられる。一方、すべての図書を9区分に分類することは困難だ。書架分類ではひとつの図書につきひとつの分類しか与えることができず、主題・テーマが同じであっても図書館の役割や分類視点が異なれば書架分類も変わる。書架分類ではひとつの書誌データにつき複数の分類を与えることができ、OPAC等のデータベース上での検索が可能となる。図書館はその館の社会的な役割などを考慮した上で、よりその実態にあった書誌分類・書架分類を行っていく必要があるといえる。

4.さいごに
 今回の調査で、書架分類法では分類された図書群の中からあるテーマの図書を探すときに、書誌分類法では特定の図書を膨大な資料群の中から探すときに有効なものであるということが理解できた。利用者の中には分類された図書群の中に探している図書がない場合、この図書館に求めている図書はないと判断する人もいるだろう。どのようにして彼らが求める資料へと導くか検討を重ねる必要がある。


参考図書

・『情報資源組織論 三訂版 JLA図書館情報学テキストシリーズⅢ』柴田正美・高畑悦子
近大のテキストの補助をしてくれる教材。内容自体はそう変わらないけれど平易な文章で書かれているのでこちらの方が読みやすい。索引が大活躍。

・国立国会図書館収集書誌部『国立国会図書館「日本十進分類法(NDC)新訂10版」分類基準』(https://www.ndl.go.jp/jp/data/NDC10code202006.pdf)(参照日 2022-01-24)

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