見出し画像

『ロンドン暮らし、恋暮らし。』漫画家・下窓まめ子さん #noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回は、cakesで『ロンドン暮らし、恋暮らし。』を連載する漫画家・下窓まめ子さんを紹介します。

下窓さんは、「第2回コルク×noteマンガコンテスト」で「cakes賞」を受賞! cakesにて、ロンドンで作曲を学ぶマリーを主人公に、シェアハウスで暮らす人々の生活と恋模様を描く『ロンドン暮らし、恋暮らし。』を連載中です。

全ページカラーで、繊細な筆致と豊かな色彩で描かれるこの漫画。登場人物のストーリーに合わせて、ロンドンの美しい街並みや文化に触れることもできる贅沢な作品です。

「自分の作品を創作したい」

幼い頃から絵を描くことが好きだったという下窓さん。「絵を上手く描けるようになりたい」という思いを持って美大へ通い、卒業後、アニメーションの仕事を始めます。日本で3〜4年の経験を積んだ後に向かったのは、イギリス。

人脈も土地勘もゼロ地点から、ひとつのプロジェクトごとに履歴書を送り、テストを受けて、アニメーションの仕事に取り組む。プロジェクトが終われば、チームは解散して、また別のプロジェクトに応募して、別のチームで作品をつくっていく日々。フリーランスのアニメーターとして、イギリスとフランスを行き来しながら、さまざまな企画で絵を描いてきました。

「アニメーションの仕事も好きなんですが、やっぱり誰かの作品をひとりの”作業員”としてお手伝いしている感覚で、続けるうちに、”自分の作品を創作したい”という気持ちがどんどん募っていきました」

ヨーロッパを拠点にアニメーションの仕事を始めて3年が経つ頃、ちょうどプロジェクトの切れ目に、noteに出会い「コルク×noteマンガコンテスト」の存在を知った下窓さんは、その思いをぶつけるように自分の作品を描きます。

「それまでは自分のポートフォリオとして海外に向けてTumblrを使っていたんですが、日本に向けて何かしたいと思って検索するなかで、noteを見つけました。タイミング良くコンテストが開催されていたので、自分の漫画を描いてみようと。漫画はずっと描いてみたいと思ってはいましたが、ほぼはじめてだったので、本当に探り探りでしたね」

下窓さんがはじめて描いた漫画『ロンドン暮らし、恋暮らし。』は見事、第二回note×コルクマンガコンテストで、「cakes賞」を受賞し、cakesでの連載がスタートします。

1話に300時間を費やすことも! オールカラーの漫画ができるまで

cakesでの連載が始まった当初は、アニメーションの仕事と並行で漫画を描き進めていた下窓さんですが、漫画に集中するため、2017年12月に実家のある北海道へ拠点を移します。

「海外で漫画を描きながら、アニメーションの次の仕事を探して同時並行するのは、なかなか厳しくて。フリーランスなので、またアニメーションの仕事をすることもあるとは思いますが、今は漫画に集中したい。じゃないと、物語が終わらないし、始まらないです(笑)」

現在、『ロンドン暮らし、恋暮らし。』は最終話のネームが完成し、ひたすら描く作業に入っているそう。同時に、出版社とパートナーシップを結ぶnoteの紹介で、マガジンハウスと一緒に新たな作品づくりに取り掛かっていると言います。

物語のプロットを考えて、ネームをつくって、下書きをして、ペン入れをして、色付けをする。さまざまな工程を重ねて、1話(20〜25P)を制作するのに、300時間ほどを費やすこともあるのだとか!

「ひとりですべての作業をしているので、とにかく時間がかかります。特に下書きには一番時間がかかりますね。アニメーションをやっているせいか、カメラアングルとかキャラクターの立ち位置が全部合っていないと気持ち悪くて。ひとりで、ああでもないこうでもないと、何度も描いては消して描いては消して、を繰り返しています」

時間をかけるのは下書きだけではありません。オールカラーということもあり、キャラクターのコートの色ひとつに頭を悩ますこともあります。

海外も視野に入れて、絵を描き続けたい

アニメーションから、パステル画や油絵など、風景画を描くことも好きだという下窓さん。漫画を描く時には、風景にも力を入れています。

「カラーで描きたいと思ったのは、イギリスにはハードカバーでカラーの漫画が当たり前にあるということもありますが、私が風景画が好きというのもありますね」

美しい筆致や色彩は、下窓さんの「絵を描く」豊かな経験から生み出されているのです。

それでも、特別カラーにこだわりがあるわけではないそう。

「ひとつのパターンに固執するのは面白くないので、作品ごとにいろんな挑戦ができたらいいなと思っています」

”絵を描くこと”を軸に、アニメーターから漫画家として、新たな道を歩む下窓さん。

「今は、日本で漫画家としてより多くの人に作品を読んでもらいたいという気持ちが一番にありますが、ゆくゆくは、海外も含めて、漫画、イラスト、アニメーションなど、いろんな絵を描く仕事をしていけたらいいなと思っています。今はタブレットひとつあればどこでもできる仕事なので、海外でもまた描きたいですね」

■クリエイターファイル
下窓まめ子

絵を描いて生きています。 cakesにて「ロンドン暮らし、恋暮らし。」連載中 https://cakes.mu/series/3983
note:https://note.mu/mameko_s
Twitter:https://twitter.com/shitsmadomameko



みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!