cakesとnoteを運営するピースオブケイクと日本経済新聞社が業務提携!「クリエイターが活躍する場所を広げたい」

2018年7月、cakesとnoteを運営する株式会社ピースオブケイクは、日本経済新聞社と資本業務提携を結びました。今回の提携を受けて、日本経済新聞社の常務取締役 デジタル事業担当の渡辺洋之さんと、ピースオブケイクの代表取締役CEO・加藤貞顕とCXO深津貴之で鼎談を実施。その内容をお届けします! 前編は、業務提携に至った経緯とその目的について。

日経電子版×noteでシナジーを生み、新しい価値を届ける

—− 今回の業務提携に至った経緯についてお話ください。

加藤貞顕(以下、加藤) noteがやっていることをひとことでいうと、クリエイターのための活躍の場所をつくるということなのですが、外部の力を借りたらもっとそれがうまくできる。そこで、業務提携を通じて仲間を増やしていきたいと考えていた時に、深津さんから日経さんの名前が挙がり、お話をさせていただく機会をいただきました。

深津貴之(以下、深津) 私は3年くらい日経新聞のアプリのアドバイザリーを務めさせてもらっているのですが、両社にはシナジーがあると思ったんです。資金調達をする際に、お金だけではなく、シナジーのあるパートナーと業務提携を結びたいと思っていて、日経さんと組むことでいい相乗効果が生まれると感じたので、加藤さんに提案しました。

加藤 渡辺さんには以前、cakesの企画「デジタルメディアの未来」でぼく自身が取材をさせていただき、その新しいやり方・考え方に非常に感銘を受けていました。

渡辺洋之(以下、渡辺) 私自身も雑誌(『日経パソコン』)の編集長をしていましたから、加藤さんのことは編集者として、昔から注目をしていました。『もしドラ』のヒットなど、うらやましく思うほどの才能をお持ちでいらっしゃる。

2010年に「日経電子版」を創刊して8年が経つ今、創刊当初のひとつの目的である「新聞の電子化」というのは達成しつつあります。では、この先に我々は何ができるのか。単に新聞をデジタル化するだけにとどまらず、日経電子版を通じて、もっともっとできることがあるはずです。

そのひとつとして、ビジネスパーソンを巻き込みながら支援するサービスの可能性を感じています。その観点で、1年程前から試行錯誤を重ねているなか、加藤さんから提携のお話をいただいて、これは面白そうだな、と。自分たちだけでやるよりは、大勢の人が集まっている別の場所で、同じことをすればより広がりを持たせることができる。違う視点を持っているからこそ、いい意味でぶつかり合うことができ、新しい価値が生まれるんじゃないか、と思ったのです。

ちょうどお話をいただいた時に、プロジェクトチームの若手から、勢いのあるサービスとしてnoteの名前が挙がってきました。私自身もnoteを見ていて、いいサービスだと思っていましたから、今回の提携のお話はぜひ!と、社内中を説得しました。

noteという街からクリエイターが世界へ羽ばたけるように

—− 今回の業務提携の狙い、あるいは期待することは?

加藤 noteではビジネスに限らず、小説や漫画や音楽など、さまざまな分野のクリエイターが活躍しています。彼らがクリエイティブを続けられる場所をつくるというのが僕らのミッションです。

noteの目的は、ネット上にクリエイターのための“街”をつくることです。そのうえで重視していることが2つあって、ひとつは技術的に使いやすくて便利な場所をつくること。もうひとつは、クリエイティブな文化をつくることです。

住みやすい環境や文化が育ってきて、ジャンルを問わずnoteで活躍するクリエイターが増えていくなかで、彼らが活躍する場所をnote以外に広げていきたい。そのために多くの出版社とも提携をしていますし、実際にnoteで生まれたコンテンツが出版されたり、映画化・ドラマ化されたりしています。

今回、日経さんとご一緒することで、さらにnoteのクリエイターの活躍の場が広がっていくことを期待しています。クリエイターの街であるnoteから、より広い世界へ羽ばたけるようになる、と。

また、個人のクリエイターだけでなく企業やメディアがnoteを使う機会も増えているので、その点においても相乗効果が生まれるのではないかと思っています。

深津 noteのミッションは、「誰もが創作をはじめ、続けられるようにする」ことです。僕らもある程度はそれを実現することができているけれど、そこで止まってしまっては蛸壺化してしまいます。小さなコミュニティをつくって、小さくお金を集めて、小さな幸せを得る。そうした小さな世界だけで終わってしまってはもったいない。

noteで生まれたいいクリエイターをどうやって世に広めていくか。ひとつの“街”だけに閉じるのではなく、外に向かって、活躍する場所を広げていきたい。そのためのパートナーシップだと思っています。たとえば、noteで活躍する、面白いことを考えている若手経営者や斬新な言論を展開するスペシャリストを日経さんに託したら、広がりが生まれるんじゃないか、と。

渡辺 我々は「組織ジャーナリズム」に軸を置いて、一生懸命取材・発信を行ってきました。noteにはさまざまなジャンルがありますが、ビジネス分野においても、個人のクリエイターが新しいコンテンツをつくり始めています。

クリエイターのみなさんと我々の組織ジャーナリズムのコンテンツが交わる、あるいはぶつかり合うことで、新しい価値が生まれるんじゃないか。具体的には、両社でイベントを開催したり、同じクリエイターの連載をそれぞれの媒体で展開したり、いろんな可能性が考えられます。

両社のコンテンツが交わることで、読者が新しい風を感じて、その読者がクリエイターになっていく。我々が一方的に情報を提供するだけではなく、そこに触発された読者からまた新しいものが生まれていく。ビジネス分野においても、本当の意味でインタラクティブなコンテンツが生まれていくんじゃないか。その点に期待しています。

あらゆるものが「メディア化」する時代に

渡辺 noteの躍進から見えてきたことは、インターネットを通じて、競争力が玄人から素人へ解放されていき、メディアと読者の関係性がより対等になって、融合していくということ。その流れのなかで、これまでになかった面白いコンテンツ、面白い関係性が生まれ、結果として、ビジネス界全体にいい影響を与えることになる。私としては、そこまでのストーリーを描いていきたいですね。

加藤 ぜひ。実際に最近はベンチャー企業の経営者でもnoteを利用するかたが増えていますし、経営者個人でなく、会社として情報発信をするためにnoteを使うこともあります。

たとえば、アパレルブランドを経営するハヤカワ五味さんは、自分自身の言葉でnoteを書いて、ブランドの世界観や経営者である自身の考え方を伝え、モノを売っています。今後、そういう人たちが増えてくるだろうし、あらゆるビジネスがメディア化を求められるようになってくるでしょう。

深津 モノのスペックがある一定のところで止まってしまうとすれば、最後は、誰がどういう想いでつくっているのか、その背景にあるつくり手のメッセージに共感して買うことになります。だからこそ、創業者が何を考えているのかを発信することが重要な意味を持ちます。

渡辺 あらゆるものがメディア化するなか、我々もその状況を受け止めて、記事に取り上げるとか、イベントを開催するとか、何らかのかたちで返していきたい。これまで一方的に情報発信をしていたところから、双方的なやりとりを通じて、コミュニケーションそのものが正しく磨かれていくでしょう。

加藤 メディア・企業・個人が横並びになる時代、僕らは日経さんと組むことで、よりよい方向へコミュニケーションを加速させる場所をつくっていきたいと思っています。

後編につづく。

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note編集部

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