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日常の小さな幸せを描くアーティスト・三輪夏生さん #noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回はイラストを軸に活動するアーティスト・三輪夏生(みわなつき)/三輪もーにんぐさんをご紹介します。

ゆるりとほっこりな日常、身近にあるハッピーをテーマに、イラストやまんがを描く三輪さん。カラフルでかわいいイラストや肩の力が抜けたマンガは、心をやさしくほぐしてくれます。

noteでは、生活する人や食べ物のイラストレーション、日常の小さな幸せを描いたエッセイマンガを投稿してくださっています。

現在、WEB制作の仕事と平行して、イラストレーション、まんが、絵本、テキスタイルなど、絵を描くことを軸に、さまざまなアート活動を行っている三輪さん。原点や現在に至るまでの過程、これからのことについて、明るく朗らかに語ってくれました。

ニューヨークへ留学後、WEB技術に保育士資格も取得

三輪さんは、幼い頃から絵を描くことが好きで、幼稚園の頃に絵を習っていたこともあったそう。以来、絵はずっと描き続けていて、高校では美術部に入部、大学も美大を目指していました。ところがある時、母から「海外へ留学したら?」という提案を受け、直感的に「行こう!」と思い立ち、高校卒業後すぐに、18歳で単身ニューヨークへ渡ります。

「当時はなぜか怖さとか不安とかはなかったですね(笑)。語学学校に通いながら、レストランでアルバイトをして、ひたすら絵を描いていました。言葉が上手く話せなくても、絵を通じて友だちもできて、毎日楽しくって。1年の予定だったんですが、結局2年半ニューヨークで暮らしました」


21歳の時に帰国し、同時に実家のある岐阜から上京した三輪さん。当時はアルバイトで生計を立て、絵を描きながら、美大を目指し、予備校にも通っていたそう。1年目の美大受験で合格ならず、もう1年予備校に通うか迷っていた時に、職業訓練校でWEB制作の技術を学べることを知り、美大受験を辞め、IllustratorやPhotoshopの技術を身につけることに。

「このとき身につけた技術がイラスト以外の今の仕事につながっていて、5年越しくらいで(笑)、役に立っています」

25歳の頃、岐阜ではじめての個展を開催した三輪さんは、制作の過程で絵本に興味を持つようになります。そして、絵本から、その対象である子どもに惹かれ、保育園でのアルバイトを始めました。さらにその興味は尽きず、保育士資格を取るために、専門学校へ通うまでに!

「絵本から子どもに興味を持って、実際に触れ合ってみたら、人の発達を専門的に学んでみたいと思うようになったんですね。学校に通っていた当時は学業に専念していて、絵を描きたいという気持ちも、絵を描く時間的な余裕もなかったです。だからなのか、卒業と同時に、絵を描きたいという気持ちがふつふつと湧いてきて、結局保育士にはならずに、また絵を描き始めました」

幼い頃から息をするように絵を描き続けてきた三輪さんは、2年間距離を置いてはじめて、自分にとっての絵を描くことの必要性を感じたのかもしれません。

原点は「ちびまるこちゃん」。ささやかな日常を描く

保育の専門学校卒業後、母からペンタブをプレゼントされた三輪さんは、デジタルで描くことに慣れるために、毎日絵日記を描くことを決意。その場所に選んだのがnoteでした。

「当時は時間もあったし、絵を描くことが好きなので、毎日描いてアップしていましたね。noteはとにかくシンプルでわかりやすくて使いやすいので、自然と続きました」

はじめた当初はフォロワーもスキも少なかったけれど、毎日描き続けていたら、次第に増えていくように。時に読者の方とコメントのやりとりをすることもあり、三輪さんの気持ちは外へ向いていきます。その気持ちの変化は、作品にも現れるようになったと言います。

「昔からカラフルであることは変わらないんですが、ニューヨーク時代に誰に見せるわけでもなく内に籠もって描いていたものは、今比べると、私の中では毒々しい感じがします。noteで発表するようになってから、作品がより明るくなりました」

美味しそうな食べ物や暮らしのなかにあるささやかな幸せ……。noteにある三輪さんの作品は、眺めているだけで心がほくほくします。

「ネガティブなことは思い浮かばないというのもあるんですが、描いていてる私も、読んでくれる人も、みんなハッピーになる作品を意識して描いています。なんてことない日常を描きたいんですね」

その原点には幼い頃から大好きだった「ちびまるこちゃん」があるのだとか。納得です。

noteは“自分の作品”を描いて発表し続ける場所

3年前にnoteで描き始め、フリーランスでイラストレーターのお仕事をスタートされた三輪さん。当時の収入はゼロで、同時に始めたWEB制作の仕事が主な収入源になっていたそう。

毎日描き続けることで、イラストレーターの仕事も増え、note経由で企業やメディアだけでなく個人の方からイラストの依頼がくることも。昨年開催した「FROGGY×note お金投稿マンガコンテスト」にも入賞し、今年のコンテストのイラストも手がけてくださっています。

イラストレーターとして活躍する今も、三輪さんはその肩書を超えて、絵を軸に“自分の作品”をつくり続けたいと言います。

「ありがたいことにイラストのお仕事が増えてきて、noteを更新する頻度は落ちているけれど、自分の絵を描くことはずっと続けていきたいと思っています。依頼された仕事は、普段自分が描かない題材を描けるので、楽しいです。でも、やっぱり自分のなかから湧いてくるものをかたちにすることも続けていきたいですね」

三輪さんは、イラストレーションだけでなく、まんがや絵本、テキスタイルなど、さまざまなテイストで、さまざまなかたちの作品づくりをされています。

仕事や作品づくりを通じて、ほぼ毎日、絵を描き続けている三輪さん。描くことと同時にnoteで作品を発表することは、生活の一部になっているよう。

「絵を描いて発表することは、やりたいという気持ちよりも、やらなきゃという気持ちのほうが大きいかもしれません。宿題をやってないみたいな気持ち悪さが残るんです。だから、描いてnoteにアップするとほっとします。本当にnoteという場所があってよかったです」

■クリエイターファイル
三輪夏生/三輪もーにんぐ

イラストレーターの三輪夏生です。1987年生まれ岐阜出身・東京三鷹在住。日々の暮らしを漫画やイラストにしています。http://natsukimiwa.com/
note:@natsuki_miwa
Twitter:@natsuki_miwa
読んでいるnote:吉本ばななさん、ミユさん

text by 徳瑠里香 photo by 平野太一


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