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noteデータ分析チームが発足しました

noteのサービス改善の活動を加速するために、noteチームにTHE GUILD 安藤氏、渡邉氏の2名が加わり、データ分析チームが発足しました。今日はデータ分析チームがどの様な取り組みをしているかを紹介致します。

THE GUILDのお二人の経歴のご紹介

— まずTHE GUILDのお二人のご経歴を軽く紹介いただけますでしょうか。

安藤:THE GUILDの安藤(@goando)と申します。2012年よりTHE GUILDを創業し、UX/UIデザイナーとして様々なサービスのお手伝いをしております。元々デザインとエンジニアリングの2つが得意領域だったのですが、ここ数年はサービスやプロダクトをグロースさせる取り組みにフォーカスしており、より精度の高い施策に繋げられるようにデータ分析に力を入れています。

渡邉:THE GUILDの渡邉(@mr_dataman)です。2018年2月に独立し、THE GUILDにパートナーとして参画しました。以前はYahoo! JAPANにて、データを活用して市場を可視化したり、マネジメント層の意思決定をサポートする部署にいました。現在は定量調査に加え、インタビュー等の定性調査の設計や実施、分析等も行なっています。

noteのデータ分析チームは何をするのか

— では加藤さんからデータ分析チームの取り組みについてご紹介下さい。

加藤:はい、データ分析チーム発足の経緯としては今までnoteを運営して来た中で、常に色々なデータ指標を見ながら改善してきましたが、2017年10月に深津さんにCXOとして参画していただいて、更にデータを基に改善の施策に繋げ、サービスが大きく伸びて来ています。

一方で、我々がまだ見きれていないデータが存在すると思っています。

今回、明らかにしたいのは、どうすればクリエイターのコンテンツを、今よりも多くの人に届ける事ができるのか、さらに新しいクリエイターにnoteを使ってもらえるか、の2つが課題だと思っています。

これに加えて、サービスが急激に伸びている為、noteが本当に健全に成長できているのかが気になっています。例えば、特定のクリエイターにトラフィックが集中していないか、新規のクリエイターのコンテンツがちゃんと見られているのか等、バランスを保ちつつ成長できているかを明らかにしたいと思っています。

noteが今後も健全に成長していくために、多角的にデータを可視化しnoteを客観的に理解するためにTHE GUILDの安藤さんと渡邉さんにお声掛けしたのが発端です。

noteを成長させるためのダッシュボードを作りたい

— noteのCTOの今さんはどういった事を期待されていますか?

今:これまで会社全体でデータ可視化に取り組んで来ましたが、まだ不十分に感じています。Redash等の可視化ツールを作ったりしていますが、複数のダッシュボードが存在したり、活用が思うように進んでいなかったりという課題があります。

これを綺麗に統合して、メンバーが簡単に見える仕組みづくりや、例えば異常値が出たら運営メンバーにアラートするなどの仕組みを作る等、サービスに関わる全員がよりデータと向き合って、施策の評価から次の改善に繋げられる体制を作っていきたいと考えています。

加藤:そう、ダッシュボードは社内的にも非常に重要なんだけど、これはいずれクリエイターのみなさんにも使ってもらえるようにするつもりなんです。そうしたら、クリエイターも自分のコンテンツの改善に役立てることができますよね。noteの運営側とクリエイターのみんなでnoteを伸ばしていきたいと思っています。

安藤:ダッシュボードはフリーのツール等も幾つもあって簡単に構築できますし、導入する企業も多いですが、活用されていないケースも多々見ますね。

ダッシュボードで一番大事なのは、「誰がそれを見て何をするか」のシナリオ設計。まずはどの指標を日々の業務に役立てたいのか、をちゃんと整理する事から少しずつ進めていきたいですね。

これから何が判ってくるのか?

— 安藤さんと渡邉さんがこれまでnoteのデータを見てきていかがでしょう。

安藤:私は主にログデータをはじめとした定量データを用いて、現状のnoteの可視化を進める事に取り組んでいます。これから明らかにしたい事は三つです。

一つは2017年の10月から深津がnoteにCXOとして加わり、彼が過去に改善してきた幾つものサービスの実績から蓄積された知見を元に、多くの改善をしてきました。これらは深津が思い描くnoteの成長エンジンに基づいていますが、この仮説が本当に正しいのか、データを元に証明しようとしています。実際、徐々にこの仮説が正しい事が明らかになりつつあるので、更に精度を上げたいと思っています。

二つ目に加藤さんが仰っていた「健全に成長出来ているか」という課題。こちらは歪みや偏り、大きな空白が無いかと言った観点ですが、現状の把握に加え、どこをどうするともっとバランスが良くなるのかまで見えつつあります。

一つ目と二つ目を明らかにした上で、最後にそれぞれどういった優先度で施策を打っていくべきかを明らかにする、今この三つに取り組んでいるところですね。

渡邉:私は安藤とは対象的に定性データの分析を中心に取り組んでいます。

ログデータだけだと、例えば離脱した要因などは見えにくい。ある現象が起こっている理由はなにか?の「なぜ」の部分の理解もできると、定量データによる分析結果も解像感を増し、より活きてきます。

実際にユーザーの声を拾っていくと、「書きやすさ」や「有料機能」といった機能面だけではないnoteの良い部分、例えば「運営のサポート力」や「場の雰囲気、暖かさ」等が明らかになってきたりします。逆に否定的な人はどんな不満を感じていて、その人たちは一体どういう人なのか?が具体的に見えてきます。

そしてこういったユーザーは定量化するとどれくらいいるのか、それぞれの「声」の大きさも見ることができる。こうした定性データがログデータに加えてあると、運営サイドや施策を打つ人も「腹落ち感」をもって進めることが可能だし、気づいていなかったインサイトをみつけることもできます。

クリエイティブにおける定量と定性の活用

加藤:お二人は、さまざまな会社のデータ分析をしていると思うんですが、一般的にデータ分析ってこういうふうに定量と定性の二面からいくものなんですか?

安藤:一般的かどうかは難しいですが、THE GUILDとしてデータ分析に取り組む際には、定量と定性の両面からアプローチする方法を重視しています。ログデータに限らず、ユーザー・インタビューやマーケット・リサーチ等も採り入れ、定量と定性をそれぞれ補完する形で仮説出しと分析を交互に行っていますね。

加藤:じつはぼく自身は、出版出身でクリエイティブ側の人間なので、データをそれほど重視して来なかったんです。経験とか勘とか、エモーショナルな感覚を元に作ってきている。さらにいうと、クリエイティブ系はそんな感じのひとが多くて、そういうことに誇りを持っていたりもするんですよね。

でも、こうやって情報が可視化される事によって、そういう人も感覚の裏付けができるようになる。さらにいうと、そういうひとたちって、一種のサイボーグというか、特殊な「鍛え」が入ったひとたちなんですが(笑)、彼らの持つ消費者へのインサイトみたいなものが、データから簡単に見えるようになるかもしれない。そうしたら、みんなが同じことができるようになる。つまり、クリエイティブがより民主化できるんじゃないかと期待してるんです。

安藤:いまビッグデータやマシン・ラーニングと言ったキーワードをはじめ、データが大変な注目を集めています。一方で人間の直感は時として、もの凄い精度の解を出す事がありますよね。特に人間の美的感覚や、文章が人の心に訴えかける力というのは、まだまだデータで再現するのは難しいのではないでしょうか。

ただ、クリエイティブの一部をデータで補完したり強化する事は可能で、データを活用してフィードバックしていく事により、直感の精度を向上していく事が出来ると思っています。

今後はデータ分析チームの活動を交えて、クリエイターの皆様に役立てていただけるようなデータを少しずつnoteを通してご紹介していきたいと思っています。

加藤:楽しみですね。今後もよろしくおねがいします。

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