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「役には立たない面白いことを書き続けたい」岡田悠さん #noteクリエイターファイル


noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回は、旅行記やエッセイを書く岡田悠さんに話を聞きました。

noteに投稿された経済制裁下にあるイランの旅行記は、バズりにバズり、公開当初数日間Twitterのトレンド入り。一過性のお祭り騒ぎに終わらず、2019年5月現在、スキの数は6,000を超え、長く読まれ続けています。

「イラン」でインターネットを賑わせてくれたと思ったら次は「寿司」! 魚がし日本一のクーポンを3年間記録し続けるという偏愛ぶりを爆発させたnoteは、同社広報まで届き、その偉業を讃えて食べ放題クーポンが謹呈されるほど!


インターネット上で「寿司好きのイランの人」という愛称を持つ岡田さんは一体、何者なのでしょうか…?

文章は趣味。「面白かった!」と言われるのが快感

「イラン」や「寿司」だけでなく「ヤンキー」も「台湾」も、岡田さんのnoteはどれもテンポが良くて、オチが秀逸で、思わずひとりで吹き出し、後からニヤニヤ思い出し笑いをしてしまうほど面白い。“芸風”とも言えそうな文体、力の抜き方も含め、岡田さんにお会いする前は、オモコロやデイリーポータルZあたりで書かれるプロだったりして?と胸のうちで思っていました。

「文章は趣味ですね。日中は会社に勤めて、会計ソフトをつくっています。プロダクトマネージャーとして、業務フローを整理して、要件を決めて、割と堅い仕事をしてますね。夜や土日は大体暇なので、文章を書いています」

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飄々(ひょうひょう)と話す岡田さん。文章を書くことは、10年くらい前から、趣味としてずっとやってきたそう。その舞台は、日記でもメディアでもブログでもなく、mixiとFacebook。

「文章を書くことが好きで、mixiの時代から、テキストのみで無駄に長文を投稿していました。友人たちに『面白かった!』と言われるのが快感で。mixiからだんだんとFacebookに移行して、そろそろまた新しい長文テキストを書く場所がないかな〜と思っていた時に、noteを見つけたんです」

基本的に知り合い同士のコミュニティであるmixiやFacebookから、Twitterとも相性がよくて拡散性もあるnoteに移行したことで、思いがけず一気に日の目を浴びるように。

「今まで身内だけに密かに見せて盛り上がってたものをnoteに書いたら、知らない方からサポートをいただいたり、感想をもらったり、びっくりしました。Twitterのフォロワーも80人くらいだったのが、3000人以上に増えて。お酒を飲みながら、ひとりニヤニヤ、Twitterのメンション、コメントを見る時間は至福でしたね(笑)」

旅をして書くことがとにかく楽しい

学生時代はバックパックを背負って放浪し、社会人になってからも長期・有給休暇をフル活用して、年に2〜3回は海外へ趣き、これまで50カ国以上を旅してきた岡田さん。

「学生時代は旅ばかりしてたんで、2度留年しました。長期間放浪しているとどうしても1カ国1カ国の記憶が薄くなりがち。でも今は、この国へ行く!と決めてから、歴史や文化の本をめっちゃ読んで、気合い入れて行くんで、見える景色が違いますね」

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(家から徒歩5分の会社へも、1日以上かかる地球の裏側へも、同じリュック一つ背負って行くのだそう)

最近は、「旅行すること」と「書くこと」はセットになっていると言います。

「“旅して書く”を繰り返していますね。現地ではネタとして時系列にファクトだけ、バァーッとメモして、ファクトを抽象化してストーリーにするのは、帰国後、時間をかけてやっています」

岡田さんはnoteを書くとき、全体の流れとオチを事前に決めて、一気に書く。そして、書いたものを数週間かけて、熟成させつつ、毎日毎日少しずつ見直して、自分で納得のいく仕上がりになった時点で公開します。

「はじめに一気に書くときはアドレナリンが放出されるので気持ちがいい。その後、朝起きて、会社行く前に読んで、『あ、ここ直そう』とブラッシュアップする。その瞬間も楽しいですね。

オチまでの展開がキレイに決まったな!と思えば、公開ボタンを押すんですが、読んでくれる人が増えてから、緊張して手が震えます。何日も推敲しているとだんだん『これおもろいんか?』と自分でもよくわからなくなるので(笑)」

人格を決めず、書きたいことを書ける場所

中学時代に星新一に夢中になった岡田さんは、一度だけ小説を書いたことがあります。

「昔、倍率が低いかなと思ってよくわからない賞に応募して佳作をもらいました。また機会があれば書いてみたいですね。小説でもエッセイでもなんでも、読んでいて、楽しい、面白いと思える、役に立たないことを書き続けたいです」

岡田さんが長文を書く場所として、ブログではなくnoteを選んだのは、人格を主張しなくてもいいから。

「ブログタイトルってもはや人格じゃないですか。いきなり人格を決めろって言われてもわかりません。noteはブログタイトルを決めなくてもいいし、自己紹介をしないでも文章を書けるから、始めやすかったですね。今でも、何者でもなくても、何を書いてもいいんだって思わせてくれます」

岡田さんは、何者であるか、肩書きにこだわらず、純粋に旅と書くことを楽しむ人でした。

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そんな岡田さんの “役には立たないかもしれないけれど面白い” 旅行記の連載がcakesでスタートします!

読めば、電車でも会社でも、ニヤニヤ、プッと笑みがこぼれることうけあい。その後きっと、岡田さんのnoteを全部クリックして、回遊し、なんだこれ、面白い!と膝を叩くことになるでしょう(筆者がそうでした)。

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■クリエイターファイル
岡田悠(Yu Okada)

夜は旅行記やエッセイを書いて、昼は会計ソフトを作ってます。好きな会計用語は旅費交通費です。
note:@hyosasa
Twitter:@YuuuO

text by 徳 瑠里香 photo by 平野太一


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