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AIが人間の能力を超えるシンギュラリティが起こる(2045年ごろ)

「AIが人間の能力を超えるシンギュラリティが起こる(2045年ごろ)」という議論の存在は、広くAIの専門家でない人たちにも知られている。これを言い出したのは、レイ・カーツワイル氏でその著書『ポスト・ヒューマン誕生:コンピュータが人類の知性を超えるとき』が大変有名だ。

邦題は「コンピュータが人類の知性を超えるとき」になっているが、原題は、"When Humans Transcend Biology"(=人間が生物学的な存在を超える時)である。人間がポスト・ヒューマンに進化していくことをいっているのである。その主張は、他のほとんどの人の素朴な世界観とは大きく異なっているのにもかかわらず、カーツワイル氏は、未来予測でおそらく最も的確な予測をしてきた実績があるので、注目されたのである。

その原理が指数関数的な変化である。即ち、技術の進歩が、変化のスピードをあげ、同時に技術の進歩のスピードもあげるので、雪だるま式に変化が早くなっていく現象がおきるのである。その結果、我々の素朴に考えている人間とは大きく異なる人類に変わっていくというのである。カーツワイル氏は、これが2030年ごろから始まり、2045年頃に本格化するというのである。

私はこれはおそらく現実に起きると思っている。具体的には、こんなイメージである。今後AIを活用するための教育が急速に中学校や高校でも行われ、AIネーティブな若者が社会に出てくる。おそらく2030年頃である。中国の教育は、既にこの方向に動いているという。その時には、AIネーティブな若者達は、あらゆることを従来の大人とは異なるやり方で行う。あらゆることを行うのに、AIを道具として使うだけでなく、ほとんど体の一部のように使う。スマホ・ネーティブな若者が、スマホを体の一部のように使うようなものである。その姿は、従来の大人には「新しい人類が生まれた」ように見えるであろう。

今後の10年の展開は、おそらく極めて大きい。我々の想像以上に大きい。10年前にスマホが生まれ、社会は大きく変わったが、おそらくそれ以上の変化が起きる。

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