Re: タイトルから始める謎解き制作

このノートは謎解きについて書きたいことを書こう Advent Calendar 2018の18日目の記事になります.
ここを書いている現在12/14の22:00です.余裕で書き終わりますね.
また,この記事は5日目の記事"なぞづくりのみちすじ(あくまで個人の感想です)"とリンクしています.

初めましての方は初めまして,知ってる人はいつもお世話になっております,fumiと言います.
現在東北大学謎制作団体return 0;で活動をしております.
なぞこさんのブログで紹介された中ではHave A Nice Deathが自分の代表作です.
今年だと,持ち帰り謎では"なぞのまどうしょ",公演型では"メモリブレイク"という作品を作りました.東北の方々は75分公演と聞いて,はぁ?って思ったことでしょう.どうも,主犯です.
でも皆さんに喜んでいただけるものが作れてて幸せです.

さて,5日目に片仮名さんが謎の作り方として以下のパターンをあげていました.

1. テーマから作る
2. ストーリーから作る
3. やりたいことから作る
(4. 唐突に神が舞い降りてできあがる)
(5. 作れない、現実は非常である)

自分は1か4なのですが,もっと正確に言うと,タイトルorキャッチコピーから作ります.

謎を作り始めて,「どこから作ってるんですか?」って聞かれることがあるのですが,その度に「タイトルかキャッチコピーですね」って答えると「は?」「レア...」「わからん」って言われます.
でも,自分にとってはこれが一番作りやすいし,なにより一番軽率に謎を作る方法がこれだと思ってます.
本記事では,そんな自分が何を普段考えて作ってるのか,つらつら書いていこうかなと思います.皆様も軽率に謎を作りません?

なんでそこから作り始めることにしたのさ

自分は公演を作成するならば,その公演のストーリーに沿ったギミックを実装したいと思っちゃうタイプの人間です.でも残念ながら,自分はそんな矢継ぎ早に何の脈絡もなくストーリーやギミックを作ることができません.だって0から1を作るのってめっちゃ難しくないですか?

でも,タイトルとかキャッチコピーみたいに,「一言だけ」考えるとなると話は別です.
「よくわからんけどこういうキャッチコピーよくない?」「多分こんなタイトルだったら楽しい」みたいな一人大喜利大会が始まります.ここで,考えたことによる責任(実装大変そうとか)は一切発生しません.だって適当に言ってるんだもん.

タイトルやキャッチコピーが決まれば,それらに合いそうなギミックとかストーリーを考えます.
すると,先程みたいに何もないところから考えるわけではないので,少なくとも自分にとっては結構考えやすくなります.
また,こう考えると,ストーリーとギミックの交差点をタイトルに置くことができます.つまり,タイトルを介して「この公演でしかできないギミック」を作り上げることができます

別の理由として宣伝効率があります.多くの人が新規公演とかの情報を見るときの確認するポイントとして,「公演形式」と「制作団体」があると自分は思っています.
しかし,それとは別に,絶対に目が入るポイントとしてあげられるのが「タイトル」であり,加えて,公演の様子とか製作者の思いがパッと見でわかるのが「キャッチコピー」であると考えています.

どんなに良いギミックを考えられたとしてもそれは告知段階では絶対に言えませんし,どんなに良いストーリーを作ったとしても,目に留まらなければ,読んでもらえなければ悲しいことになってしまいます.
上で言ったみたいにタイトルから考えると,できるだけ目に留まる場所に,自分なら興味を引くような,面白そうに思えるものを置くことができます.
結果として,より多くの人の目に留まる告知ができ,より多くの人に参加していただけるようになるのでは?という考えもあります.
(めっちゃ見た目の良い告知画像を用意すればいいかもしれませんけど,少なくとも自分には無理です)

とりあえず具体例はよ

ここまでうだうだ言ってきましたが,具体例なしにはわからないと思います.
というわけで,自分が今年5月に結婚式に呼ばれた際作成した引き出物謎について書きます.

タイトルは"幸せが運ぶmessage",キャッチコピーは"それは固くて消えない謎"です.こちらにネタバレ記事があるのでどうぞ.ちなみに結婚式前日に考え始めました.時間は書けてないですが,祝う気持ちはあったんです...!




さて,ここから下は制作過程を独り言形式で振り返ってみます.

「そもそも結婚式の引き出物だし,"二人の絆"的な物を作るんだろうなぁ」
「"固く結ばれる"とかいうし,そんな表現がいいよね」
「結婚式で"消える"って縁起悪い気がする,知らんけど」
「じゃあ二つ合わせて"固く消えない謎"がテーマかなぁ」(キャッチコピー決定)

「結婚なんだし,"幸せ"をどこかに入れたいなぁ,"お幸せに!"でもいいわ」
「答えは単語じゃなくてメッセージにしようかなぁ」
「じゃあタイトル,"幸せが運ぶメッセージ"とかその辺りだな」(タイトル決定)

こんな感じで決めました.実に軽率ですね.ここまでギミックとか何も考えてないです.先行き不安ですが,上手くいかなかったらまた考え直せばいいしなぁ...って思ってました.

「"固く消えない"謎なんだし,クロスワードをプラ板に貼ってマジックで書いてもらおう!文字も経年劣化しなさそうだし」
「"幸せが運ぶ" "メッセージ"なんだから,最後のギミックは"幸せが運ぶ"だよなぁ」
「なんだよ"幸せが運ぶ"ギミックって...タイトル考えたやつ誰だよ」
「あっ"幸せ"って"し合わせ"じゃん」
「クロスワード2つ作って"し"を合わせたら(重ねたら)メッセージできたらいいのでは?」
「でもプラ板に文字書くなら重ねたとき読めなくない?」
「シール貼って書いてもらった後に部分的にはがしてもらえばいいのでは」
「シールはがすなら四隅からだろうし,四隅の文字どこか同じ文字にしてその位置からだけはがせるようにしよう」
「ってことは,二つクロスワード作って,それぞれ指示が"○○カラハガス" "シアワセ"になればいいな?」(ギミック確定)

ここまでくれば,後はそれっぽいクロスワードを二つ作るだけです.
クロスワードを作るときは,「折角だしお互いのカギを見ないと解けないようにできたら面白いよね」とか思ってましたけどあんまりできませんでした.時間がなかったです.

こんな感じでいつも作っています.結構ふわふわしてるように見えますが,テーマは決まってますからあまりブレないですし,何もアイデアが出てこないよりマシです.

謎作りはいいぞ.楽しいぞ.自分が作ったものが解かれるのも楽しいぞ.
難しく思えますけど,皆様も軽率に作ってみればいいと思います.
そして制作の沼にはまるがいいのです.


はい,12/18 23:45!タイマーストップ!



あっ,おまけとして4の 唐突に神が舞い降りてできあがるタイプの謎を置いておきます.
ある徹夜した翌日,意識もうろうとした中(クロスしないワード...)って単語が振ってきて,気が付いたら目の前の紙になんか書いてありました.
制作過程は全く記憶にないですけど,こんな作り方もありますよね(ない).

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