見出し画像

あの雑貨売場のコンセプト -雑貨を売ることはストーリーを売ること-

富本雅人の雑貨販売のツボ その2」 

-雑貨コンサルタントのおせっかいな提案-

1.雑貨販売のメリットより続く

好み優先は危険! 雑貨のセレクト

本業の商品分野(ファション商品など)では冷静沈着な辣腕担当者でも、雑貨を取り入れる際に個人的な好みを優先しすぎたり、時には「簡単」と見くびって失敗する例がある。

そうならないように、事前に計画しておくべき事柄を話したい。売場づくりにおいて当然のことが中心だが、新たな分野である雑貨の導入だからこそ大切と言えるだろう。

雑貨を扱うことの目的

入店促進。滞留時間の延長。買上点数の向上。主役のファッション商品の引き立役になど。

いずれも雑貨の長所としてよく言われることだが、どれを目的とするのかを明らかにしておきたい。

全てが目的という場合もあるだろうし、“取り入れる”レベルでなく、新事業として雑貨販売に挑戦という場合もあるだろうが、それらも含め目的を明確にしておきたい。

ターゲットの検討

自店のお客様のライフスタイルと嗜好を熟知しているのなら、雑貨売場もその既存のお客様を想定するのがムリとムダがない。

一方、新規のお客様獲得のために新たなターゲットを想定することもあるだろう。いずれにしても「誰のため」の雑貨売場なのかを検討しておくことは言うまでもない。*ターゲットの想定手法は回を追って、このコラムで説明する。

その雑貨を使用する場面を想定

テイストが既存のファッション商品に合うからと、雑貨をバラバラと選んでしまい、収拾がつかない=効果がでないという例が多い。

ファッション商品同様に、雑貨にもTPOS(時,場所,場合,スタイル)がありそれを意識するべきだ。

例えば、ワンマイルウェア(部屋着、近所で着るカジュアルウェア)を中心に扱う店が既存のお客様に向け雑貨を販売したいという計画なら、自宅や自室で使う→オフタイムにリラックスする→美容や健康にもつながる雑貨……。

というように自然な流れでアイテムを考えてくのが正攻法。

どんなストーリーのある雑貨か?

雑貨商品のセレクトも価格、機能、デザインが判断基準。加えてその雑貨の持つ情報(付加価値、背景)にもぜひ着目したい。

TPOS(Time/Place/Occasion/Life Style)のS(スタイル)をあえて、ストーリー(物語:情報)と言い換えるが、

例えば根強い人気の『ファイヤーキング』(食器)には、
「古き良きアメリカの」「70年代に人気」「コレクタブル(収集対象品)」などの
魅力的なストーリーがある。それに惹かれ(憧れ)る人が多いからこそ、人気の雑貨なのだ。

他にも「手作り」「業務用」「フェアトレード」「ロハス」「和」「北欧」「ハワイ」「アート」「プチギフト」「癒される」…などの魅力的なストーリーを持つ(予感させる)雑貨商品は多い。全8回予定
 (雑貨コンサルタント/グループオンザリビング)

写真撮影協力:キープレフト

繊研新聞2010年4月13日の連載をもとに加筆修正しました。 全8回

富本雅人の雑貨販売のツボ 投稿予定内容はじめまして/自己紹介

富本雅人の雑貨販売のツボ

1.その雑貨はお客様を呼び込むのか? -雑貨販売のメリット-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nce50783ebc4e

2.あの雑貨売場のコンセプト-雑貨を売ることはストーリーを売ること
https://note.com/zakkaworkshop/n/n6d027d28556f

3.誰のための雑貨?-あなたのお客様の生活や嗜好を考える-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n54c86bbfdf62

4.そんな雑貨店の品揃えの不思議-個性的な雑貨の編集で強いアピール-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nfc9f99c81e00

5.どこで? 雑貨売場の仕入れの秘密-毎日が雑貨探し-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n656173a964c2

6.感性だけでは無理! 雑貨売場の陳列テクニック-どんな商品にも臨機応変-
https://www.zakka.org/school/column_senken06.html

7.雑貨屋さんのラッピングとPOP。雑貨店と雑貨売場 -雑貨屋さんの魅力の仕掛け
https://www.zakka.org/school/column_senken07.html

8.雑貨屋さん接客、雑貨商品の売り方のポイント(最終稿)
https://www.zakka.org/school/column_senken08.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?