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カオスマップで俯瞰するブロックチェーン業界

The Block という今年の春に生まれたばかりのブロックチェーン業界に特化したニュースサイトがあります。なかなか大手メディアではカバーされにくいこのあたらしい業界のニュースをタイムリーに、シンプルに、速くレポートしてくれるメディアとして少し界隈では話題になっているサイトです。

頻繁にブロックチェーン業界の話題のテーマについてカオスマップを作成してくれていることでも知られているのですが、今回は「エンタープライズ分野」のマッピングがされていたのでぜひご紹介させてください。

エンタープライズ分野における注目の企業、プロジェクトを、①大企業、②スタートアップ、③プロトコール、④プラットフォーム、⑤コンソーシアムの5つに分類してロゴを表示することで簡単な解説とともに図解されています。
⑤に属するエンタープライズ・イーサリアム・アライアンスには500社以上の企業が参加、Hyperledgerには270社以上が参加して、金融、ヘルスケア、物流など、業界を超えたブロックチェーン技術の採用を進めているそうです。IBMは1,500人が500以上のブロックチェーンプロジェクトに従事し、マスターカードやバンクオブ・アメリカなどは関連特許申請でも頻繁に上位に登場しています。その他マイクロソフト、アクセンチュア、ウォルマートなどが積極的に取り組んでいることが分かります。

最近では大幅な相場の下落に直面していて、仮想通貨・ブロックチェーンに関しては悲観的な見方も多く、調査会社のフォレスターリサーチによると、「ブロックチェーンプロジェクトの9割は実現が難しい」という指摘があるのも事実です。一方でガートナー社の試算によると、ブロックチェーン関連の市場規模は2025年までに1,760億ドル(約20兆円)、そして2030年までには3.1兆ドル(約350兆円)といわれていて、多くの企業が巨大な潜在市場に向けて積極的に事業投資を進めていることも分かります。

国内ではこのような業界カオスマップがあればいいのに、と思っていたのですが、ちょうど先日、ブロックチェーンの領域に特化したスタジオ型コワーキングスペース「HashHub」(ハッシュハブ)によりまとめられたものが公開されていました。

解説は英語で表記されていますが、国内市場の特徴として、仮想通貨交換所サービスが中心であり、ウォレット、そしてゲームなどのサービスも徐々に
成長中とのことです。今年1月のコインチェック、そしてZaif(ザイフ)と2件の不正流出事件を経て、規制環境が厳しくなっていることなど、広範な分析がされていて、一見の値があるレポートです。

相場下落、注意喚起、規制強化の必要性に関する報道は投資家保護のためにももちろん大切ではありますが、一方で将来の可能性にかけて冬の時代においても地道に取り組んでいる国内外の動きは、相対的にあまり国内では報道されてないのでは、と感じています。そんなテーマを今後も少しずつでもご紹介していければ、と思っています。

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