ニュークリアエアリア1

 パン屋の前に自転車が置かれている。朝6時の見慣れた風景だが、以前とは違う。間違い探しのような話しではなくて、この自転車の持ち主が変わってしまった。パン屋の中で、パンを作る人が前とは違う。
 そのことに気づいているのか、コメはいつものようにパン屋の前の大きな道路を軽快に渡った。先を急いでいるのは、仲間と会いたいのか、うんちがしたいのか、はたまた縄張りを確認するような保守的な慣習なのか。
 道の脇に生えている僅かな草々を嗅ぎながら、リードを引っ張るようにしてウロチョロ歩く。肇はコメと一緒に歩いていると、いつも下山させられている気分になる。リードに引っ張られて、のけ反るようにして歩く。上手くいくときは他力で歩いて楽ではあるが、左右に振られたりすれば、足を突っ張っることになるので、膝や股関節にも負担はかかる。


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