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32歳でラップをやってしまった男の2016年の記録②<PSサイファー結成→調子が良かったころ>

(①はここから https://note.mu/notinservicerap/n/nd515af76dad4)

さて、第一回社会人ラップ選手権が3月で、そこから、ずっと週に一回、土曜の夜に俺たち、第一回ラップ選手権オーディションから知り合った人とサイファーチームと渋谷、上野などでサイファーをやっていた。いろいろ面白い思い出がある。いきなりラッパーの一人が走り回ったり、無駄に警備中の警官に罵詈雑言を吐いたり、チンピラに絡まれたり…。本当にいろいろあった。

「PSサイファー」という名前をつけたのは第一回社会人ラップ選手権で準優勝したKAWATAKUの命名で、下ネタが得意な彼らしく、
「Pink Salon(要はピンサロ)」のPとSをとってそう名付けられた。

昔からRAPをやっていて、Dragon oneとも一時期親交のあった死体(今はLADDDと名前を変更)、そして小池ことMC muhammadの二人は、一番やる気がある2MCといおうか、どんどん社会人系のラップバトルだけではなく、UMBの地方予選や罵倒の大会にも乗り込んでいった。もうひとり、韻をバスバスはめるスタイルの京都から来た商社勤務のポッシブルゆうやは、もともと熱心な日本語ラップ、バトルのヘッズで、彼のはからいで、俺は初めてas oneを見た。恵比寿リキッドルームがバトルヘッズでいっぱいになっている光景は、「こんなにバトルが見たい人がいるのか…」と驚かざるを得なかった。

その後、自分は、8月のイベントの準備などをしながら、脚本も書かずぼーっと生きていた、はずだ。

しかし、自分の中で一番バトルの調子が良かったのがこの時期だった。
勘違いが起きそうなくらい、勝った気がする。
まず、初めてしっかりしたバトルに出たのが、六本木CUBEで行われた、
第一回社会人舞句武闘会 by BRTという大会だ。

https://freshlive.tv/businessmanrap/19891

↑ここですべて視聴できるようだ。
実を言うと、今だから言えるし、いまではこのBRTの実行にかんでいる社会人ラッパーたち、MAD BENN、kaneko the fulltime、8080boy、A.G.O、そしてSATO-Cやtoday横山には仲良くさせてもらっているのだが、正直彼らとあまり面識なく、このころは、全員「ぶっ潰す」という敵対心が強かった。全員仕事でもうまくいけている人ぽかったし。
その憎しみが、あったからか、なんか知らないが、上記のSATO-C、MAD BENN、today横山を全員蹴散らしてBEST4まであがってしまった。
初バトルで、だ。

なんか歓声もらってカッコつけているが、下着が出ちまってるんだよなあ。
動画は自分が勝ってる動画しか見れない。負けている動画は本当に恥ずかしい。
しかし、このバトルはBEST4で、2度の延長になり、DJレンタルルームに負けてしまう。この大会で優勝したのは、俺以上に、バトルを笑みなく眺めていた、MCバトル界で一目おかれているラッパー、BOZだった。

一目でわかる、長い時間をかけて培われた音楽スキルと声、長年MCバトルに出場していた経験者として、そして前からずっとバトルでスーツを着用していた「サラリーマンレペゼン」のMCとして、優勝以外は見えてなかったという。俺も正直彼とやりたかった。それ以降彼とは度々顔を合わせる。そして、9日の「HEIANMCZ」のゲストラッパーとしても参加してもらう。彼の協力がなければここまで豪華なメンツになることもなかった、と言っておきたい。

ともあれ、初のベスト4だったが、決勝に残れなくて悔しい思いがあった。
かといって、本分をわきまえ、たぶん脚本や役者探しに奔走していた気がする。
あるとき、LADDDから、「第三回BRT@HARLEM BX CAFÉ 渋谷」に出ないか?と通知が来た。本当はMC muhammadが出る予定だったが、芸能活動があるそうでキャンセルとなったということで…。
渋谷のHARLEMは単純に好きな箱で、(チャラ箱、という人もいるが、いま、音楽のジャンルの中一番熱いHIPHOPやR&Bを聞ける大きな箱は、ここしかないと思う)「あんなでけえとこでやるのかよ…」と思ったが、補欠ということなら、と、軽い気持ちで出てみた。M&A方式という聞いたことのないバトル方式で、かついろいろ進行も大変だったようで、勝ち抜きかと思ったら、一回戦のみで終わりというスタイルに変更したり、なかなか運営組は大変だったようだ。

https://freshlive.tv/businessmanrap/27718

俺たちは、二回戦目で、「横浜ヤンガンズ」とあたる。あの、BOZさんがいるチームだが、そこでやってきたのは、鎌倉でその名を轟かし、U-20の大会でも優勝経験のある男、T-tongueだった。

LADDDが「まじかよ」って顔をしている。俺はこのときまだt-tongueを知らなかった。恐ろしいくらいにスキルフルなラッパーだった。

「丸眼鏡だったらウシジマと一緒 t-pablow相手にクリティカルヒット」

という韻をぶっこまれたが、後攻の俺は横浜ヤンガンズというチーム名から

「いやーあんた横浜らしいな まったくライムがおこがましいわ!」

というカウンターを決め、なんと、勝ってしまった。

のちにBOZさんとも話したのだが、バトルには属性がある。
この「BRT」という場所は社会人のラップバトル。どれだけ社会人っぽいことを言えたかも勝敗を左右する。そもそも、t-tongueはまだ学生だったのだ。俺はそこを徹底的についた気がする。いくらラップがうまくても、話の持っていき方で負けることは往々にしてあるのだ。

だが、ここで2回戦を突破するが、次の「8080mocco」というチームに、
同じ熊本県出身のもっこすというMCに負けてしまった。しかし、ここで(どうしてかは大会のシステムがこんがらがっているので割愛させてください。つうか忘れました)第二回BRT優勝のチョクジンに勝ったり、とにかく調子は良かった。

「いけるんじゃねえか?」「何が?」

優勝賞品のバルクオムの洗顔クリームを持ちながら、始発の電車でそう思ったことを覚えている。

<HEIAN MCZ 予約はこちらから>

http://teiji-zangyo-z.main.jp/heian-mcz/


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