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もうストVしないなんて言わないよ絶対

今回でリーグの振り返りは終わりにします。

このnoteですが、たくさんの方にリプやコメントいただいたり、エクストリームクラスの方や、共演した方々やスタッフさん、また、面識のないプロゲーマーの方まで読んくださって、本当に本当に書いて良かったなぁと思いました。

世に出ることのない漫才のネタを今まで何百本と書いてきて、それが今回書いた文章にほんの少しは活きたかなと思えて嬉しかったです。

そしてサポートをしてくださった皆様も本当に本当にありがとうございます。こんな素人の書く文章にご支援くださってありがたいやら申し訳ないやらでした。売れてないバイトしまくり芸人なのでもちろんお金自体ありがたいですが、それ以上に書いたものに価値を見出していただいたような気がして嬉しかったです。それと文章の出来どうこうではなく単純に応援してくださってる方も居て、とてもありがたいです。おかげさまで念願のプレステ4も買えました。これでストV続けられます!

今後もnoteで文章書くと思いますが、とりあえずリーグについては今回で一区切りつけたいと思います。

では第10節です。どうぞ

『第10節』

第10節はときどさん率いるドキドフレイム。

9節までやって1つわかった事があった。
コンボ(連続技)をやるためにコンボに集中するとアドバイスが耳に入ってこない。
しかしアドバイスに集中するとコンボが遅れて連続技にならない。

まだ後ろからの声に集中しつつコンボもうまく決められる程の精度はなくどうするべきか悩んだ。

コンボは身についてきた。せっかく練習したのだから出したい。
けどコンボに集中してアドバイスを聞き逃したら元も子もない。

コンボを捨てよう。

今までアドバイスで勝ってきた僕はその選択をした。

〝アドバイスがあれば勝てる〟

そう意気込んで試合に臨んだ。

試合開始。
お互いにダメージを取り合う正に一進一退の攻防。
相手のコンボが決まるもその分をこちらの単発攻撃で取り返していく。

蹴り、投げ、イーグル、対空

単発攻撃ならアドバイス通り繰り出せる。
そしてウメハラさんの言う通りその技を出して行くと、うまくダメージを奪える。

アドバイスはかなり具体的になっていた。ここは距離をとって〇〇。ここはジャンプから攻撃出さずにすかして投げ、もしくはしゃがみ大キック。
などかなり細かく指示を出されてその通り動いた。そのおかげでコンボをしないという選択をしながらも食らいついて行く事が出来た。

1セット目を取られたが2セット目を取り返しフルセットまでもつれ込んだ。

第3セット1ラウンド目
ここで相手の岬君が守りを固めてきた。
単発の攻撃がほとんど通らなくなったのだ。

攻撃の幅がない僕は出来る事を失った。

そしてそのままストレートに負けた。

この時は9節のように視界が歪むような絶望感はなく、あぁ通用しなかったなとアッサリ負けを受け入れる事が出来た。

単純にもっとうまければ違ったなと力量の無さを実感した。

後悔はなかった。アドバイスを無視して負けていたら悔やみまくったと思う。
出来る事を出し尽くしても通用しないレベルまで相手が来ていた。それを倒すにはこちらの引き出しや実力がもっと必要だった。

ビギナー戦、試合が終わった瞬間モニターを見ると相手の岬君が泣いていた。

岬君は試合前にこう言っていた。

「ときどさんの家に行って5時間くらい練習したんですけど、ときどさん練習通り出来ると大声出して喜んでくれて、めっちゃ楽しかったんですよ」

と、とても嬉しそうに話していた。
そういう練習の背景などいろいろあったのだろう。勝って岬君は泣いた。

そんな勝利の嬉し泣きに熱血硬派チームと言われているトキドフレイムのひびき君、ときどさんが燃えないわけがない。相手チームに火がついたのがこちら側にも伝わってきた。まさにトキドフレイム。燃えさかる炎が見えた気がした。

異様な強さを見せるトキドフレイム。
続くハイクラス戦、エクストリーム戦もトキドフレイムが勝利し、この日最終節にしてウメハラゴールドは初の全敗をくらった。
ウメハラゴールドがグランドファイナルへの切符を手にする事は叶わなかった。

これで僕の、そしてウメハラゴールドのストリートファイターリーグは終了した。

『収録後』

この日はビギナーで打ち上げに行った。
会話の中で誰かが、他のチームに入るとしたら誰のチームが良かった?という質問をした。
こういう席なら誰がいい、誰は嫌だで盛り上がりそうな物だが誰一人今のチーム以外考えられないという答えだった。それどころかウチのリーダーはここがすごい、ここが良いというプレゼン合戦まで始まった。
どこもいいチームだったんだなぁと改めて知り、こういうの青春やん、素敵やんとしみじみ感じた。

帰宅後
まだ飲み足りなかった僕は家で酒を飲んでいた。この収録に向かうために聞いていたモチベーションが上がる曲をなんとなく流してみた。深酒のせいもあってか涙がボロボロ出てきた。
今までの思いが蘇る
最初は勝てなさすぎて本当にやるのがしんどかった事、勝てなさすぎてもうストVしたくない!と叫んだ事、ウメハラさんのプロとしての姿勢に驚き感動した事、勝った喜び、負けた悔しさ、少しづつ上達していく過程が何よりも嬉しくて楽しかった事、とにかくこの数ヶ月の出来事が刺激的だった。
そしてウメハラさんとはもう飲みに行けないのか、なんて思うと寂しい気持ちにもなった。

あーもっと続けたかった。勝ちたかった。

そんな悔しさで子供のように泣きじゃくりこの日は眠った。

一夜明け冷静になりウメハラさんに今までのリーグでのお礼をLINEで伝えた。ついでに自分がバイトしている飲食店に良かったら来てくださいと、なんとか関係を切らしたくない思いで送ってみた。

ウメハラさんからは
良い経験になったなら良かったです。今度お店行きますね
という返事が来た。

とは言うもののあの人も忙しいだろうし、、
はぁ、、あんなすげぇ人から学べる機会もそうないよな、、あーあ、、

こんな風に思いながらスマホを閉じた。

そして翌日。僕は今までリーグの為バイトを減らしていたがこの週からはバイトに明け暮れるシフトに戻した。リーグで休んでギリギリの生活になっていたからここで稼がないと。
しかしあまりやる気が出ない。リーグ終わりで抜け殻状態だった僕は重い足取りでバイトに向かった。

バイト先の開店準備をしているとまだお店は開いてないのに誰かが訪ねてきた。業者の人かな?そう思い入り口に出向くとそこに居たのはウメハラさんだった。

え????ほんとに来てくれたんですか?

そう聞くと

後でまた来るから先に場所を下見に来たというウメハラさん。偶然家が近かったのもあり早速来てくれたのだ。

なんとも義理堅いというか、、こんなにすごい人が、、、こんなゴミ芸人の為に、、

リーグが終わってもウメハラさんの器のデカさを見せてもらった。

ありがたかったなぁ〜といい気分に浸って帰宅していると、なんとも無情なラインが送られてきた。
松竹のマネージャーからだ。

マネージャーからの連絡は、僕と国定が入っているグループラインに送られてきた。

内容はこうだ

「@国定 グランドファイナル進出おめでとうございます。ルール等送ります。確認お願いします。

@ナガシマ リーグお疲れ様でした。プレステ4の返却をしなければいけないので事務所まで持ってきてください。」

俺と国定との差!!
あまりにも落差のある内容に苦笑いで顔がひきつる。
勝負の世界の厳しさをここでも思い知らされた。

これでプレステ4ともお別れか。寂しい気持ちになった。プレステ4を箱に入れ返却出来る状態にして、部屋の片隅に置いた。いつもプレステ4を置いてたテーブルの上がガランと空いて広くなった。
頭の中で自然とある曲が流れてきた。
槇原敬之の「もう恋なんてしない」だった。

♪いつもより眺めがいい左にすこし戸惑ってるよ

これはいつも隣にいた恋人がいなくなり左側が空いて、眺めがよくなってしまったという歌詞である。

プレステ4がなくなり眺めが良くなったソファからの景色とリンクした。

まるで恋人との別れのようにプレステ4と別れ、僕は絶対にまたプレステ4を手に入れると誓った。リーグ中練習がつらくてこんなゲームやりたくないと口にだした事もあったのに。

再び槇原敬之のもう恋なんてしないが頭の中で流れてきた。

♪もうストV(ファイブ)しないなんて、言わないよ絶対〜

〜fin〜

はい。終わりです、、、、、、

リーグの10節の放送最後みたいな締めにしたかったのでやりましたが、、
何度見直してもなかなかにキツい終わり方になりましたね。
ストリートファイターリーグのスタッフさんナガシマギャグで終わるなんて勇気ありますわ。

最後謎の終わりになりましたが、リーグ振り返りはここまでとなります。
今回リーグに参加して得られた事、出会い、発見、いろいろありました。とんでもなく濃厚な数ヶ月でした。

このリーグ中、特に驚いたのが家族の反応でした。ウチの家族、特に父と兄はスポーツをかなりやってきた人間でした。父はテニスで全国大会に行ったり兄はバレーで全国に行き全日本選抜に選ばれたりもしました。
スポーツの実績が割とある2人からするとe-Sportsというものは所詮ゲームだと思っていたらしいです。
しかしリーグの放送を見ていたらストV観戦にめちゃくちゃ熱くなったらしく、普段のスポーツ観戦以上に熱心に応援してたらしいです。父はポイントをメモしたりして決勝行くためには何ポイント必要とか母に説明してたみたいです。
兄は僕のnoteも見てくれていて、こんな事をLINEで送ってきました。
「最初はゲームをスポーツとか何言ってんねん!って見下してたけど、ノート読んだり、試合みてて、見方変わったわ」と。
たかが親族の感想ですがリーグに参加してnoteを書いて、1人でもこんな風に思わせる事が出来て良かったと思いました。ちょっとでもこの企画に貢献できたかなと。ゲームを全くやらない兄がPS4とストV買おうか迷っているとまで言っていたので、こんなにも人を動かせるコンテンツなんだと改めて知りました。
僕自身、ストVの面白さを見る方でもやる方でも知ることが出来たとてもいい機会でした。

そして何よりウメハラさんには、たくさんの事を教えていただきました。何を学んだかは過去のnoteを振り返って是非見ていただきたいです。
全体を通してですがウメハラさんと出会って1つ大きな事に気づく事が出来ました。

それは〝意識〟をするという事です。

僕はウメハラさんと初めて会うに当たって
〝世界一なんだ〟〝すごい人なんだ〟
と思って、この人から1つでも多くの事を学ぼうと〝意識〟しました。

この意識を最初から最後まで持ち続けて一挙手一投足に注目してきました。
もしこの意識がなかったら見落としていた所もあったかもしれません。
パッと見でわかるウメハラさんの凄さや、なかなか気づけない凄さを見る事が出来たのは意識を働かせて見ていたからだと思いました。

例えばいつも食べる母親の料理に意識を働かせて食べる人はあまりいないと思います。
だからすごく美味しい時でも美味しいと気づけていない、そんな勿体ない場面もあるかもしれません。
意中の女の子をデートに誘い高級店の美味しい料理を食べても料理の味を覚えている人はあまりいないと思います。なぜなら意識が女の子に働いているからです。
逆を言えば好きな子が作ってくれたご飯や、極たまに自分で作ってみる手の込んだ料理は大したクオリティが高くなくても、誰が作ったのかを意識して味わうため美味しく感じたなんて経験はないでしょうか?
意識の差で味わい方や感じ方が変わる気がします。

意識についてですが
現にエクストリームクラスの方々はゲーム意外にも考えるという意識が非常に高いと感じました。僕のギャグを見た4名のプロの方も、そのギャグは様子見なのか?それは動き的に改良した方がいいのでは?などと、たかがギャグに対してもなんやかんや言ってきました。
ギャグをやった方としてはかなりキツかったですが
普通はギャグが面白いか面白くないかで判断して終わると思います。
しかしプロの方々はギャグを見ていろいろな感想を持っている様子でした。
格闘ゲームは試行錯誤の積み重ねでこうやればどうだ?という考える作業を常に行なっていると聞きます。おそらくプロの方々は考えるという意識が癖になっているのでしょう。

普段のいろいろな事に意識を働かせる事によって人や物事に関する新たな発見が生まれたり感じ方が変わってくると思います。
今回ウメハラさんから何か学ぼうと意識して見続けて、そういった事も気づく事が出来ました。

リーグを通して発見だらけで、参加できて本当に良かったです。
そしてリーグ中の応援やアドバイスもありがとうございました。
リーグ終わってもnote見ていただきそちらもめちゃくちゃありがとうございました。

以上でストリートファイターリーグの振り返りは終了です。

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