世界の名ボクサー:トーマス・ヒットマン・ハーンズ⑨ラスト「デトロイトの暗殺者」

80年代のスター。世界5階級制覇王者。キャリア終盤。アンドリュー・メイナード戦、ネート・ミラー戦、ユライア・グラント戦を紹介します。

トーマス・ハーンズ(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

①トーマス・ハーンズ 1R KO アンドリュー・メイナード
(クルーザー級戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでメイナードがダウン
(感想:アイラン・バークレーに再戦でも負けてWBA世界L・ヘビー級王座を失ったハーンズ。この試合はその再起戦。メイナードはコロラド州出身。少年時代はバスケットボールをやっていたが陸軍に入隊し、そこでボクシングを始める。アマチュアでは手数を多く出すスタイル。1988年、ソウルオリンピックに出場し、L・ヘビー級で金メダル。プロ入り後はシュガー・レイ・レナードのボクシングチームに加入。長いリーチから繰り出す左ジャブからの右ストレートを武器に北米L・ヘビー級王座を獲得。元IBF王者ボビー・チェズには負けたが、「古豪」マシュー・サアド・ムハマドに勝利。しかし、その後はよろしくない。フランク・テートに負けて北米L・ヘビー級タイトルを失い、階級を上げてWBC世界クルーザー級王者アナクレット・ワンバに挑戦したが、判定負け。「ヒットマン」ハーンズを倒して再び世界戦に出場したいところ。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。1R、左ジャブが(クルーザー級にしては)速いハーンズ。右ストレートでメイナードをグラつかせる。最後は叩きつけるようなハーンズの右フックでメイナードがダウン、KO。ハーンズが圧勝。メイナードはほとんど何もできずにアッサリ敗北。ゴング前は笑顔を見せていたが・・・。ハーンズ戦後も負けが多かったメイナード。世界王者になることもなく引退。金メダリストにしては残念なキャリア。プロよりもアマチュアの方が合うタイプの選手もいるため、プロで世界王座を獲れなかったからといってダメな選手というわけではないが、メイナード自身はプロでのキャリアをどう思っているのだろう?)

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