2016年5月 支援団体を探す

フラッシュバックを経験してから、さまざまな体の小さな不調、不眠、他人を責めたい気持ちが強くなるなど、つらいなと感じる時間が続いていた。5月にちょっとしたきっかけで数年ぶりに過呼吸を起こし、いよいよ何か手だてをうたないとよくないなと思った。
メンタルクリニックに行くという方法もあるけれど、不調の原因は明確だし、症状のほとんどが自律神経系のものと思われたので、ちょっと違うかなと考えた。相性のいい精神科医を探す負担に耐える気力もなかった。

大学の体育の授業で自律訓練法というのがあったなと思い、がん患者向けに自律訓練法をやっている団体を探してみた。
3月以降の自分の不調、特に精神面の不調を自分なりに整理してみると、その大半は、未来への不安と、過去への怒りであるように思われた。再発するんじゃないか、また別のがんになるんじゃないか、夫も病気になったらどうしよう、といった未来への不安、職場復帰したときの上司の態度への怒りと、それをきちんと表明できなかった自分の弱さへの情けなさといった過去への怒り。考えても仕方のないことばかりだと頭では十分わかっているのに、そこから抜け出せない。
自律訓練法は、今ここにある自分の体と感覚に集中するらしいので、未来と過去に対する雑念にとらわれている今の自分には適しているのではないかと考えたのだった。

患者会、自助グループに参加することも考えたが、大学病院で開かれているサロンは平日の昼間なので参加しづらい。民間の患者会も数多くあるのだけれど、多くが部位別なので、自分の通える地域で同じ部位の患者会を探すのが難しい。
そもそもこのときは、「話すことで解放される」みたいなことよりも、気持ちを楽にするために「自分でできる具体的な方法」を学びたい、という気持ちが強く、患者会ではなく、具体的なプログラムを探したのだった。

結局、医師や看護師など医療系の専門職が関わるNPOがヒットして、自律訓練法のプログラムに参加することにした。

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