20170120 出世したら思いのほかすっきりした

早めの出勤の当番なので、早起きしなければいけなかったのに、目覚ましのあと1時間起きられず。起きた瞬間から右耳の耳鳴りがひどく、今日こそ耳鼻科に行こうと決める。
予定の時刻を30分過ぎて出発。補助的な立場での当番なので、致命的な遅刻ではないし…と自分への言い訳をしながら、先に出社しているスタッフに遅刻メールを送る。

雪の予報だが、ぎりぎり持ちこたえている感じ。寒い。
午前、午後の来客は共にうまくいき、ほっとする。
午前中来ていた元同僚とランチ。乗り越えないといけない窮地を、かつての同僚たちに助けられている。ありがたい。

夕方、早めに退社させてもらい、職場近くの耳鼻科に行く。
2年半前に低音障害型感音性難聴で受診した病院。当時より程度は弱いけど症状は同じなので、同じ病院に行くことにした。通院が必要になっても仕事中に行ける。
診察時、念のため舌がんの話をしたら、医師が「えっ?」とずいぶん驚き、その場にいた看護師3人もこちらを向く。医師の「どこで気づいたんですか?」「タバコ吸う?」といった質問の間、看護師たちもこちらを向いてじっと聞いている。
他の病院では、わりとクールに「あ、そうですか」と言われ、看護師は聞いてない感じのところもあるので、この病院の人たちの反応に驚いた。ふつうの人の反応というか。人間味があっておもしろいけど。
聞かれるままにいろいろ答えたら、「原因が歯並びのような外傷性のものは、再発・転移しにくいから大丈夫ですよ」「大変でしたねえ」と言われた。なんだかほっとした。手術跡がきれいだとほめられた。
2週間ほど右耳の低い耳鳴りが続き聞こえも悪いこと、目をつぶって横になると空間がぐるぐるする感覚に時々なること、前回の左耳のときと同じ症状だけど程度は当時ほどひどくないことを伝えた。
前回と同じ聞こえの検査二種類を両耳、鼓膜に圧力をかける検査を両耳、眼振の検査を行った。
検査結果のグラフを見ながら説明をうける。やはり右耳の低音の聞こえが落ちているが、前回の左耳の時よりはグラフの落ち込みはひどくない。私が感じている不具合と一致する。眼振は異常なし。
両側性のメニエールとのこと。両側に出るのは2割くらいで少ないらしい。
病態としては前回の低音障害型感音性難聴と同じだが、2回以上この状態が続くと「メニエール」と呼び名が変わるとのこと。出世魚みたいだ。
病期の原因はよくわかっていないが、病気の仕組みはだいぶわかってきているそうだ。内耳リンパ液が、蝸牛で滞ると聞こえに、三半規管で滞るとめまいに、両者をつなぐ部分に滞ると両方に支障がでるのだという。
「この病気って、不便であること以外になにか問題はありますか?」と聞くと、「不便であること以外はないですよ」「症状が出たら病院に来ないといけないけど。でも風邪もそうですよね。必ずまた風邪ひきますよね。そしたら病院いくのと同じです。深刻に考えなくて大丈夫ですよ」と言う。舌がんに関するコメントもだけど、察しがいいというか、患者が不安にならないような声かけの上手な人だと思う。
薬はまとめて2週間処方してもらった。
3,070円。この病気、地味な検査がけっこう高いんだった、と思い出した。

下の階の薬局で薬を買う。液体の飲み薬など4種類で3,630円。前回、そんなに薬出されると思わなくて、お金おろしにコンビニに行ったんだった、と思い出した。
今日だけで7,000円近くかかった。

「この症状はなんだろう」と不安に思うのが精神的にけっこうな負担になるということを、舌がん以降、じわじわと学習している。
小さな不調続きでなんだかなあと思うが、何の病気かわかると「この症状なら病院に行けばいい」と判断に迷わずに済むので、すっきりした気もする。重い病気でないからだろうけれども。自分の病気や障害がわかってほっとする感覚ってこういう感じか。
とはいえ、病気があるというのは決していい気分ではない。

そのまま帰ろうかとも思ったが、なんとなく帰りたくなくて、乗換駅で好きな喫茶店に寄って帰る。病院のあとコーヒーで一服するのがいつのまにか習慣になってしまった。私なりのクールダウンなんだろう。

喫茶店の近くの好きな本屋に寄っていたら、仕事終わりの夫から連絡が入る。前から一緒に行こうと言っていたうどん屋で夕飯を食べることにする。ごぼう天うどんがおいしかったが、ごぼう天がおいしすぎて、肝心のうどんを味わえなかった。次はかけうどんにしたい。

うどん屋の近くの本屋で、夫から好きそうじゃない?とすすめられていた本を買って帰宅。
腹巻きのとじ目を終わらせた。糸の始末をすれば完成する。

幻の名盤解放同盟のディープ・コリア再訪の旅のクラウドファンディングサイトからメルマガが届く。根本敬を慕うとは思わなかった。生きていると、思っているようにならないことの方が多い気がする。

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