ゆとり世代・ポケモン151匹・相性

 先月ごろに聞いて以来、頭から離れないB 級ニュースがある。ゲームボーイでポケモンをやっていた世代の脳の中には、30代近くになった今でも、脳の一部にポケモンの名前や姿を見た時にだけ反応する場所があるらしい。それがポケモン野と呼ばれているらしい。

 その年代である自分にとって、これはありありと自覚できることだった。

 もう一つ衝撃だったことが、先月起こった。音楽番組にAKB48が出ていたのだが、誰を見ても名前がわからない。というか顔も見たことがない。初対面なのである。昔の彼女に会ったときに、連れていた男が自分とかけ離れていて、趣味が変わったのかと思うような気持ちである。いや、それとは違う。違うとわかっているが、思ったので書いてみた句なった。アイデアの貧乏性なもので。

 自分は今でも最初のポケモン151匹なら間違えずに答えられる。もっと言えば、タイプや相性も全て書き出すことができる。こんな知識より必要なことがあっただろうに。その年代が高校生ぐらいの頃にAKB48が100人規模になった。今思うと、ポケモンを覚えるような気持ちだったのかもしれない。

 この規模になると関係性についても想像しないとなかなか覚えられない。やっぱり前田敦子と大島優子の対立に加えて、キャプテンとしての高橋みなみ、変化球としての指原莉乃など、関係性あってこそなのである。

 最近、ポケモンGOを始めた。懐かしいポケモンばかりだなあ。覚えている自分に感心する。先輩はポケモン世代ではあるが、タイプによる相性までは覚えていないらいし。そして、その関係性が改めて見ると不可解とのことだった。火タイプに水が強いのは理解できるが、岩タイプに対して水が強いとか、鋼タイプに対して格闘が強いとか、不可解な点があるらしい。

 確かにちゃんと考えれば、不可解な相性というのはある。しかし、それにすら疑問を抱かなくなっているのが自分だった。

 そういう不可解な力関係の最たるものを考えたとき、ジャンケンでグーがパーに負けることが、未だに、府に落ちていないことを思い出した。

 石にハサミが勝てるのは知っての通り。紙がハサミに勝てないのも知っての通り。では石と紙の関係性をどう説明すればいいのか。呆気なく敗れ(破れ)去り、なんならハサミに負けた時より無様な姿になるのではないか。グー最強説ここに現る。

 そんな石に紙が勝てるとすれば、その紙に書いている文言によって、ナイーブな心を打ち砕くことでしかないのではないか。つまり石の意思を打ち砕くことである。しかしそうなると今度はハサミとの関係性が難しくなる。

 もう一つ考えたのが、紙は紙でも紙幣だったのではないかということである。貨幣のもつ力によって、外部に委託して石を倒してもらうという。しかしこれは資本主義が成り立つ社会でのことになる。この関係性については、お住まいの国や地域の行政に相談いただきたい。


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