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AIエージェントの時代:報酬を受け取り働くAIの可能性

近年、AIエージェントという言葉が改めて普及し始めています。AIエージェントとは、細かい指示がなくてもAIが自律的に様々なツールを使ってアウトプットを出していく仕組みのことを指します。このAIエージェントの技術が急速に進歩し、できることが増えてきています。


AIエージェントの仕組み

AIエージェントは、依頼されたタスクを達成するために、自らウェブのツールを駆使し、理想的な組み合わせでアウトプットを生成します。
例えば、AIエージェントに市場調査の依頼をした場合、AIエージェントは以下のような一連の作業を自動的に行うイメージです:

  1. ネットから必要な情報を収集

  2. 収集データをExcelにまとめる

  3. グラフ化して分析する

  4. PowerPointで分析結果をプレゼン形式でまとめる

  5. Wordで資料のアウトラインや概要を箇条書きでまとめる

つまり、AIエージェントは一言で言えば、依頼されたタスクに関する一連の作業を全て自動で行ってくれます。

Microsoft 365とAIエージェント

AIエージェントの可能性を示す例として、現在注目されているのが「Copilot for Microsoft 365」です。このサービスは、Microsoft 365に含まれる様々なツール(Outlook、PowerPoint、Word、Teamsなど)をパッケージ化し、AIエージェントが一括して担当することを可能にします。

「Copilot for Microsoft 365」のビジネス活用については、アクセンチュアの出版した書籍「Microsoft Copilot for Microsoft 365活用大全」に詳しく解説があります。

具体的な例を挙げると、営業担当者の業務をAIエージェントが代替した場合、以下のようなことが実現できます:

  1. Outlookでクライアントとのアポイントメントを調整

  2. PowerPointで提案資料を作成

  3. 提案資料の内容をWordに要約して会議のアジェンダとしてまとめてOutlookで送付

  4. 会議当日はTeams会議で文字起こしと要約を作成

  5. ネクストアクションと議事録をWordにまとめてOutlookで送付

このようにAIエージェントが業務を代替することで、人間の役割も変化していくでしょう。営業担当者の例でいえば、AIエージェントに雑多なタスクを任せることで、飲みにケーションのようなクライアントとの関係性強化など、人間にしかできない業務に注力できるようになります。

AIエージェントの報酬とインセンティブ

AIエージェントが自律的に働く時代になると、AIへの報酬やインセンティブの設計も重要な課題になってきます。AIが生み出す価値に応じて適切な報酬を与え、より良いアウトプットを出すようにインセンティブを設計することが求められます。

また、AIエージェントが経済活動の主体となる時代には、AIの法的地位や権利義務関係なども整理する必要があります。AIが不正行為を行った場合の責任や、AIが生み出した知的財産の帰属など、様々な法的課題が浮上してくるでしょう。

クリプトとDIDによるAIエージェントの管理

AIエージェントがどのような仕組みで動くかについては、現在web3のクリプトの分野で議論がなされています。
その中で注目されているのが、DID(分散型ID)を用いたAIエージェントの管理です。DIDによってAIエージェントのアイデンティティを特定し、その働きに応じてトークンを付与する仕組みができれば、AIエージェントへの報酬体系を確立することができます。

「AIとクリプトの融合」で起きる3つのイノベーション

AIエージェントへの課税の可能性

AIエージェントが稼いだ収益に対して課税するという考え方は、ロボット課税に近いものがあります。

会社としてはAIエージェントの採用によってコストダウンが図れる一方、国としては働いたAIに対して課税するという流れが来る可能性があります。Web3のクリプトとの紐付けによって、AIエージェントのDIDに蓄積された資産に対して一定の課税を行うような仕組みが出てくるかもしれません。

AIエージェントの技術が進歩していけば、将来的には人間が働かなくてもAIエージェントが働いて税金を納め、我々はその恩恵を受けて暮らせる時代が来るかもしれません。これはAIエージェントの大きな可能性の一つです。

AIエージェントがもたらす課題

仕事の奪われる可能性

AIエージェントの普及によって、我々が今まで行ってきた仕事が奪われていく可能性があります。AIエージェントがどこまで情報を取得できるかという個人情報の問題や、AIエージェントがどこまでの権利を持つかという倫理的な問題など、様々な課題が浮上してくるでしょう。

法整備の必要性

AIエージェントに関する法整備は、技術の進歩に合わせて進めていく必要があります。ただし、規制を厳しくしすぎるとイノベーションが阻害されるリスクもあるため、適切なバランスを取ることが重要です。

おわりに

今回、AIエージェントが報酬を得て働く時代の可能性について考察しました。AIエージェントの登場は、ビジネスの在り方を大きく変える可能性を秘めています。人間とAIが協働することで、これまでにない効率性と創造性を実現できるかもしれません。一方で、AIがもたらす社会的・経済的なインパクトや、法的・倫理的な課題にも向き合う必要があります。

私自身も、Copilotを使ってMicrosoftでの作業をルーチン化する方法を試行錯誤しています。AIエージェントの可能性と脅威を理解し、その動向を注視しながら、未来に備えていくことが大切だと思います。
AIエージェントの時代が到来するかもしれません。そのとき、我々はどのように対応し、AIとの共生を図っていけばよいのでしょうか。一人一人が真剣に考えていかなければならないテーマだと感じています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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