僕は物語のためにゲームをしています

「僕は物語のためにゲームをしています」

そう聞くと、みなさんは何を思い浮かべるでしょう?
多くの人が、ストーリーの設定されたゲームを遊び、そのストーリーに触れて感動したいんだな、って考えませんか?

そうではないのです。いや、そういう側面ももちろんあります。
が、それだけではないのです。

あえて、もっとも極端な例をあげてみます。

僕は物語のためにスポーツ観戦をしています

これは少なくとも僕にとっては、間違いなくそうです。それは野球でも、サッカーでも、競馬でもそうです。本気で対戦するスポーツ、そのゲームの生む物語、を体験したくてスポーツに触れているのです。

これは僕の価値観でしかありませんので、みんなそうだなんて全く思っていません。ただ、僕にとってはそれはとてもとても大切な要素です。

この「物語」はきっと「ドラマ」と言い換えることで比較的しっくりと来る方が多いのではないでしょうか?

僕は物語のために謎解きをしています
僕は物語のためにマーダーミステリーをしています

全部同じなのです。その公演が終わった後に、振り返った物語がとてつもなくいとおしいのです。

そして、このnoteは「謎解きクラスタによる謎以外の Advent Calendar 2023」向けに書き下ろしました。

なので、謎解きのクラスタの方々にちょっとご紹介したいもうひとつの遊びがあります。

それが「ストーリープレイング」という遊び、です。

僕は物語のためにストーリープレイングをしています

ストーリープレイングとは

ストーリープレイングは、しゃみずいさんの制作された、「銀の瞳の君を求めて」という作品をどういう名前、ジャンルで呼ぶべきか、ということを考えて、久保きつねさんが命名したジャンル名です。マーダーミステリーより新しく、ほんの数年の歴史しかない造語です。ちなみに、そんなジャンルを作った作品なので、「銀の瞳の君を求めて」言わずもがなですが……傑作です。

ストーリープレイングは、

マーダーミステリーのように推理や、駆け引きの要素はなく、キャラクターの心情にそって物語を紡ぐもの

とされる説明が一般的なものだと思います。

ただ、この説明の際に、ここまで書いてきた長々とした前置きが生きてきます。決まったストーリーをなぞるのがストーリープレイングではない、のです。自分たちがキャラクターの心情にそって行動した結果が物語になる、これが重要なのです。

推理や、駆け引きを抜きにしても、キャラクターとしての葛藤がうまれ、それによって判断、会話がうまれ、ドラマになる。これが「ストーリープレイング」である、と自分は考えます。

逆に、決まった物語をなぞるだけのものは、ストーリープレイングではない、と僕は断言します。多分、ストーリープレイングをプレイされたことがない方で、演劇の読み合わせ的なものだけをやると勘違いしてる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

違います。

マーダーミステリーの「目標」がキャラクターの心情の求めるもの、に入れ替わっただけで、本質的には僕はマーダーミステリーと変わらない(ただし殺人事件や推理がないのでその名がつかないため、マーダーミステリーと呼ばれない)と思っています。

でも、じゃあどんな感じなのか、やっぱりイメージわきませんよね? 自分に向いてるのかどうか、もわからない。そのためにひとつだけアドバイスを。

どういう方がストーリープレイングを楽しめるのか。
僕は、演技の上手い下手、とか、物語を紡ぐ能力、ではない、と思っています。物語を紡ごうなんて考えなくていいのです。

物語は紡ぐのでなく、自然と紡がれるのです。

僕が考える、ストーリープレイングに向いている方の条件はひとつだけです。
キャラクターの心情に寄り添える方、だと思います。
マーダーミステリーと違って、必ずしも明確な目標が設定されるわけではありません。あなたがキャラクターの心情によりそって、何を話すのか、何を行動するのか、目標を見出す必要があります。それを聞いて興味が持てた方、ぜひストーリープレイングに挑戦してみてください。

さて、2023年はスト―リープレイングにおいて、圧倒的に話題をかっさらった作品がうまれました。少し紹介していきましょう。

天使は花明かりの下で

オンライン版も出ましたが、もちろん対面でも遊べますし、非常に多くの方々がGMをされている作品です。僕は作者のとんとんさんのGMで遊びましたが、他のGMさんも心からこの作品を愛している方ばかりですので、ご自身の信頼されてるGMさんにお願いして遊ばれることをお勧めします。謎解きの方でしたら、花井さくらさんもGMされているのでご相談されると良いかと。

ストーリープレイングは2人で行うものも多いのですが、むしろ2人だと、誰と遊ぶべきか、どうやっていいのか、本当に楽しめるのか、迷ったり、不安な場合も多いかと思います。そういう意味で、この作品からGMさんに身をゆだねて体験するのが良いのでは?と自分は思います。

他にももう1作品紹介しましょう。しかし、次の作品はストーリープレイングとはストレートに呼ばれてない作品です。

愛する故に

基本的には、マーダーミステリー、とされています。(rabbitholeさんでは、トークアトラクション、と呼ばれています)が、メインは犯人当てではありません。中国ではストーリープレイング、という言葉がないので、ストーリープレイング的作品も、マーダーミステリーの中に含まれている、という面もあるかと思います。

これは、めちゃくちゃ面白いです。タイトル通り、恋愛にかかわるお話です。そして、まさに、回によって全く違う物語になると思います。実際、泣いてしまった、という方もいれば、爆笑の渦につつまれた、という回も聞きます。プレイした今となっては、どちらも納得なのです。

この作品、その感想の多彩さもあって、いろんな人がいろんなアドバイスをします。仲良しでやれ、男女比あわせろ……

僕のアドバイスは、いいからやれ、です。

この作品を体験すれば、自分たちだけの物語になる、という意味が最もよくわかると思います。この作品もきっと、周囲にGMをできる方や店舗があると思いますので、是非挑戦してみてください。

簡単ではありましたが、ストーリープレイング、に少しでも興味を持ってもらえる人が増えて、体験する人が増えることを祈って、再度この言葉を。

僕は物語のためにゲームをしています

あなたも、いかがですか?


……でも、他にはどんなのがあるの……?ってあなたには、こちら!!
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10月から、マンスリーマダミスアンケート
#毎月マダアン
という企画をやって自分も運営に入っています。
そちらを見れば、今流行ってるマーダーミステリー、ストーリープレイングがわかる!
すごい!

また、11月分の回答も12/7まで行われてますので、是非みなさんも回答を!

こうやっていろんな情報を共有して、面白い物語に出会いましょう!!

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