見出し画像

小説紹介『無人島のふたり』

はじめまして、小説が大好きなMikiです!
今回は山本文緒さんが書かれた『無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記』について紹介していきたいと思います。本書は、がんと闘う夫婦の生活を綴った作品です。

物語は、「これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい」という言葉から始まります。主人公である山本さんは58歳で、いきなり末期の膵臓がんと診断されます。この病気が、彼女と夫を突然の大波にさらわれたかのように、人里離れた無人島へと放り出したのです。ここでの「無人島」とは、コロナ禍で誰とも会うことができず、外部の世界から隔離された自宅での闘病生活を象徴しています。夫婦二人だけで過ごす時間が、まるで無人島で生き延びるかのような壮絶な挑戦となるのです。

物語の中で、山本さんは「ありがとう」と「さようなら」を繊細に綴っています。末期がんの宣告を受けても、書くことを手放さなかった作家の魂。彼女の勇気と愛には本当に心を打たれます。また、「うまく死ねますように」という言葉は、読む者の心に深く響きます。この本の底辺には、静かで穏やかなメロディーが流れているように感じました。

神様は非情だと言われても、山本さんは生きることの美しさ、書くことへの情熱を最後まで失いませんでした。この本を読むことで、生と死、愛と別れについて、新たな視点を得ることができます。また、闘病生活の中で見せる夫婦の絆の強さには、多くを語らずとも心が温まるものがあります。

読み終えた後、私はしばらく言葉を失いました。しかし、その沈黙の中で感じたのは、生きることの尊さ、そして愛する人とのつながりの大切さでした。『無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記』は、読んだ誰もが自分の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれるでしょう。

山本文緒さんの「ありがとう」と「さようなら」が、この小説を通して私たちにも届くように感じました。読み手に深い感動を与えること間違いなしの作品です。あなたもこの感動を体験してみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?