文豪りんご

数日に一回くらいのペースで、1000〜2000字程度の掌編小説を書いています。 twitter:https://twitter.com/novelistapple
固定されたノート

【掌編小説】月夜の池

(一) ある池に。 ぱくぱくと口を開ける幸せな鯉たちにはどうしてもなれない、いっぴきの、すこし神経質な鯉がいた。 神経質な鯉は、神経質だったから、とにかく他の鯉た...

【掌編小説】くらげ

よるの海にはひとが思いもよらないくらいに、くろくておおきな、ただ水生物たちだけの世界があるのです。 そして、その世界のかたすみには、ぷか、ぷか、ぷかと、くらげが...

文豪りんごからお伝えしたいことがあります。

いつもnoteを読んでくださってありがとうございます。 じつは、みなさんにお伝えしたいことがあります。 単刀直入に申し上げますと、ぼくはnote運営会社のピースオブケイ...

【掌編小説】がまがえる

こやつ――がまがえるとにらめっこをつづけて、もう半時間がたつ。こちとらもっと綺麗なおさかなたちを見物しに来ているのだ。まちがってもこんなぶさいくと時をすごすため...

【掌編小説】どく

空のグラスを差し向けて、彼女は無表情に、こちらをみつめてくる。 暖色の室内灯が透きとおるガラスを屈折して、だいだい色に光る。 まるで、ぼくが注がない可能性などない...

【掌編小説】風

その風は、どこをも旅したのが自慢だった。 生まれは山あいの、小さな湖だったように思う。 気づいたときには、風は風として、湖のそばの林の木々をそよと揺らしながら、...