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大崎のトミー&マミー vol.2

病院で調べたところ、心配していたことが的中し、トミーの腎臓の数値がかなり悪いことが分かりました。
ウィルス検査結果もFIV陽性でした。

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一方、まだまだ若いと思っていたマミーは、まさかの推定10歳以上。
おばあちゃん猫ちゃんだった事が分かりました。しかもマミーも、トミーほどではないけれど腎臓の数値が悪い‥。

マミーはなかなか捕獲されずにいた間に、健康状態がすぐれない中で妊娠・出産を何度も繰り返したことが想像されます。
だからこんなに身体が小さいままなのかもしれません。おそとにいる時から食欲がもともとあまりなくて、たくさんは食べられない子でした。

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検査結果を見て、協力者の猫ボランティアさんが
「こんな健康状態の子を外にリリースするなんてできないよ」
「私自身も高齢だけど、ここまで数値が悪ければ私より長生きすることもないだろう。私が看取るよ」
「少しでも美味しいもの食べて安心して過ごさせてあげたい」と言ってくれました。

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看取りの決心をするのは、簡単なことではありません。
私ひとりで活動していたら、情けないけれど二人を引き取ってあげることは、できなかっただろうと思います。

私にできる事は腎臓ケアのフードや輸液セットをお届けするくらい。こちらの猫ボランティアさんは長年たくさんの猫ちゃんの看取りをしてこられていて、動物病院からの信頼がありご自宅で点滴もしてくれます。

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ある日、猫ボランティアさんから「トミーはまぐろが大好きみたいでさ」と連絡あり。ほんまかいな、と思って見に行ったら

本当にまぐろ、食べてる。めっちゃ食べてる。トミー、あんたグルメなやっちゃ。私もまぐろ好きだけど‥、

「トミーはじゃらしさんを見せると遊ぶよ」とも。駐車場に居たときとは、まるで違う生活になったねトミーとマミー。
会いに行くと、トミーはいつも嬉しそうに、私の足に頭をスリッとしてくる。「トミー、良かったね」と思わず言葉がこぼれてしまう。

室内を探検するマミー。少し慣れてきたけど、やっぱり怖がりで、触られるのを嫌がります。

猫ボランティアさんは「マミーは点滴を怖がって逃げ回るのよ」「トミーみたいに食欲があるわけじゃないからさ‥、心配な夜は、眠れないんだ。ほんと困っちゃうよ」と、悩みは尽きないよう。

マミーの鼻風邪がなかなか治らず、匂いを嗅げないせいか食欲が全くない時には、なんとお灸をしてくれていました。すごく怖がりのマミーが、じっと座ってる。あったかくて気持ちがいいのかな?マミー。

ここまでやってくださるかたが、一体どこにいるでしょうか。

トミーとマミーは、人生の最後に幸運をつかんだ。少しでも幸せに長生きして欲しい。

今回、キーちゃんの口内炎と、トミー&マミーの腎臓疾患を通して
野良猫ちゃんは、生まれた直後から人間の管理下で育てられた子に比べ、格段に健康状態が悪い可能性が高いんだと、分かりました。

おそと猫ちゃんの寿命は、家猫ちゃんに比べて1/3、1/4程度だと
聞いてはいました。初めてそれを、胸にせまる思いで、理解しました。

人間で言えば、単純計算で、20歳前半までしか生きられないという事かと。それが、生活環境の過酷さゆえだという事。

もの言えぬ猫ちゃん達にとって、おそとで生きるということが、命をすり減らす時間をそのまま意味すると言っても過言ではないのかもしれません。できる事ならすべての猫ちゃんを家の中に入れてあげたい、野良猫ちゃんをゼロにしたいという猫ボランティアさんの思いも、ここにあったのかと思いました。

どうかすべての猫ちゃんとご家族が、今日も健やかで幸せな一日であってほしいと、ただただ思いました。



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