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東五反田のにゃーちゃん vol.1

東五反田にお住まいのYさんは、私の大先輩のご友人。鈴が転がるような声で、物知りで、いつも楽しいお話しをいっぱいしてくれて、全日本をまたにかけて活動されていて、美味しいお土産いっぱい頂いてます。

そんなお世話になってるYさんと、久しぶりに会ってお茶していたある日。「自宅の敷地内にお耳カットのない猫ちゃんがいるの」と、お話ししてくださいました。

しかも、最近ではYさんちでごはんを食べるようになり、寝るのもYさんちの敷地内との事。

「にゃーちゃんって呼んでるんだけどネ。うふふ。」とキュートな高めの声で語るYさん。「帰るとね、もう、待ってるの。ごはん。だから、あげないわけにいかなくて」

耳カットがない、えええええ、それなら是非、次、発情する前に捕獲してあげて、未手術なら避妊・去勢手術してあげて頂きたい‥!!と、熱く、お伝えしました。

「怖い思いさせたくないんだけど、どうしたら良いの?」「ごはんあげちゃった時から、自分の責任、感じてはいました。」「にゃーちゃんは今、手からチュールをあげられるように~と思って、毎日チュール大作戦中!」と、にゃーちゃんが可愛くてもはや放っておけない様子。

捕獲器を区の保健所で無料で借りられること、なるべく怖い思いや怪我をさせないポイント、お住まいの区で使うことのできる助成金があることなど
私が保護猫ボランティアするようになって知ったことを、お伝えしました。

後日、捕獲します!ほんとに捕獲できました!!との連絡が入りました。

にゃーちゃんは、凄く慣れていて、捕獲器ではなくキャリーに入れて病院までお連れする事ができました。

たとえ一見、慣れていても、お外の猫ちゃんなら捕獲器を使うほうが、猫ちゃんも人間も、する必要のない怪我をさせてしまうことが少なく、捕獲器がオススメなのです。
ですが、にゃーちゃんは、稀なほど慣れていました。

おそらく小さい頃に人に飼われていて、捨てられた、または脱走してしまって、おそとにいた可能性が高い…。もしも捨てられたなら本当に悲しいし、捨てた人が許せません。

Yさんに「どこの動物病院がいいの?猫ちゃんは、はじめてで全然わからなくて!教えて~」と聞かれて、私が野良猫ちゃんのことで良くお世話になっている病院にお連れしました。

私もはじめて保護猫ボランティアした時は、なんにも分からなくて保護猫ボランティアの先輩にくっついていき、ただオロオロと見ていたのですが、それが、こんな風に誰かの役に立つ日がくるとは。

誰もが、いつ自分にとっての運命のおそと猫ちゃんと出会うか分からない、と思うと、もっともっと野良猫ちゃんへの関り方についてみんなが詳しくなり、心ある人どうし助け合っていけたら良いなと思いました。

病院の先生によると、にゃーちゃんは男の子♂。退院後は、一時預かりさん宅へ。

ベッド、ごはん、お水を用意しましたが、にゃーちゃん、まだ緊張しているよね。ちゅーるだけでも食べてくれたらいいな。

当初TNRの予定でしたが、病院の先生から「慣れてるね。まだ若いね」と言われ、Yさんはたいへん悩み「もしできれば、できればなんだけど、にゃーちゃんに里親さんを探してあげられないかなぁ」と言って、リリースを見送り
さらに、退院してすぐ、Yさんが長期出張だったこともあり、一時預かりさん宅でお預かりしてもらう事になりました。

にゃーちゃんは、小さい頃にセレブのおうちで飼われていたのかな?と思うような性格で、私は彼を「プリンスにゃーちゃん」と呼ばせていただいておりました。

にゃーちゃんのプリンスっぷりについては、vol.2にて!!


今回、Yさんに「次、発情する前に‥!」と熱く語ってしまった私ですが、猫ちゃんは1年に2回、発情・出産するため、未手術の妊娠可能な雌猫ちゃんが1匹いると、1年後には約10匹ほどに増えてしまいます。

さらにまた1年後には、単純計算で10匹✖️10匹の100匹になります。そのうちの何匹が健康な体で育つことができるか、
まだ1匹のうちに避妊・去勢手術と医療を施してあげられたなら、すべての時間と資金を最初の1匹の子に使ってあげることができます。

増えてしまってから同じ事をすべての子にしてあげたいと思っても、限りある時間と資金が、多くの場合、尽きてしまう。

トミーやマミーのように、お外で高齢を迎えた猫ちゃんは腎臓などに疾患を持っている場合が少なくありません。出来る限りのことをしてあげたい、けれど健康な猫ちゃんの何倍、何十倍の医療費が一生のうちに必要になる事を想定し、準備しなければ、保護してあげられなくなります。可哀想なおそと猫ちゃんが増えてしまいます。

1歳でも若いうちに避妊・去勢手術をしてあげられれば、その猫ちゃんの体への負担も軽い。そういう観点から考える時、保護猫活動はある面では「スピード」。「時」を味方にして、その猫ちゃんにとっての「チャンス」をつかませてあげることができれば、他の多くのおそと猫ちゃん達も、幸せになれる可能性を、広げてあげられる結果につながるように思うのです。

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