インダストリアルデザイン(工業デザイン)

インダストリアルデザイン(industrial design)とは、大量生産される工業製品をデザインすることをいいます。インダストリアルデザインの中でも、日常生活の中で使用する日用品のデザインに限る場合には「プロダクトデザイン」という呼び方をしたり、機械製品をデザインすることに限る場合には「メカニカルデザイン」という呼び方をしたりする場合もあります。

一般消費者の視点で見た場合には、「インダストリアルデザイン=プロダクトデザイン」の印象が強いのですが、実際には「インダストリアルデザイン=プロダクトデザイン」とはなりません。例えば工場で使用している組み立てのための機械(生産ラインのための機械)や業務用機器、自動車や飛行機などのデザインはインダストリアルデザインのカテゴリーですが、プロダクトデザインはそのようなインダストリアルデザインの分野に加え、家具や食器のデザインやパッケージデザイン、工芸分野も含む可能性を持つかなり幅広い言葉です。

現代ではテクノロジーの発達により、かなり幅広い分野のものが大量生産で生産されるようになってきています。その意味では、昔ながらのインダストリアルデザインのイメージとはかなり異なった分野の製品もインダストリアルデザインのカテゴリーに含まざるを得ないような状況になってきているともいえます。特に、3Dプリンター技術の開発と普及により、インダストリアルデザインの定義はこの先、かなり大きく変わってくるのではないかと思われます。

また、環境問題や資源エネルギー問題を考慮することが製品開発をする際に当たり前となってきており、製品の生産ラインや素材の開発や設計全体に関わっていくことが、インダストリアルデザインの世界で必要とされるようになってきています。また、アップル社のiPhoneのように、開発する製品が社会や文化の根幹を成す重要な役割を果たすようにもなってくる例も出てきており、インダストリアルデザインを志すためには、幅広い視野を持って取り組んでいく必要が出てきています。

この分野を目指す美大受験生が受験する大学・学科

この分野を目指す美大受験生が受験する大学・学科としては、多摩美術大学(生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻)や武蔵野美術大学(工芸工業デザイン学科)があります。




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