萌へ出づる
眠れない夜がある。頭の中が火山みたいに熱い。
気持ちが溢れ出して止められないのでつらつら何か書いていたら「真夜中のラブレター」になった。
翌朝読み返したらきっと恥ずかしいだろう。でも自分の本音に気づくはずだ。
「こんなにきみのことばかり考える理由が、理屈では答えられないとわかった。変な例えだけど”体にいいもの”より”食べたいと思ったもの”を選んだ方が健康的らしい。理屈より本能の方が今必要なものをわかっているから」
全然ロマンチックじゃないなって、明日の自分は笑うだろう。
もし彼が返事をくれたらどんな言葉が並ぶのかな。
そばにいるだけで不思議と居心地がよくて、会いたい気持ちが募る。でも自分の過去や今に、自分自身がYESを言えないでいる。
自分を否定せず、相手に求めない。ただ話せたら嬉しい。近くに居られたらもっと嬉しい。
恋じゃなくて、愛がいい。灼熱で水を渇望するような気持ちじゃない。春が風に乗ってあたたかさを運んで来たような、そんなやわらかい手触りがする。
「奪うのじゃなく与える」と言うけれど、与えられていると感じる。
私に差し出せるものってなんだろう。何気なくカードを引いたら「花束」が出た。お祝いや感謝の気持ちを表すことかな。
そうこうしているうちに始発の電車が動き始めた。二人の関係も動き出すことを夢見て目を閉じよう。
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