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あなたのチームにリーダーは何人?「日本式リーダー」の誤解

マッキンゼージャパンで12年間にわたり人材育成を担当されていた伊賀泰代さんの著書を読みました。

その名も「採用基準」。

ド直球なタイトルですが、書籍の中で伊賀さんも書いているように「マッキンゼーに採用される条件」を書いた本ではありません。

国内外どの企業でも必要とされる素質、特にリーダーシップについて、
・どういう人が「リーダーシップがある」と言われるのか
・なぜリーダーシップが必要なのか
・どのようにしてリーダーシップを育てるのか

などについて詳しく書かれています。

リーダーシップと聞くと、日本では
「リーダーを務めるのに必要な能力」とほぼ同義
→ でも、リーダーになる機会なんて普通の人にはそうそうない
→ だからリーダーシップを身につける必要性を感じない

という流れがある気がしています。

この日本式の固定概念に対し、
そんなんだから世界で活躍できる人材が育たないんだよ!と喝を入れるのがこの本です。

本の中から、特に日本人に根付いていると感じたリーダーシップに関する誤解ともいえるものをまとめます。

誤解1. リーダー = 組織のトップ

本の中で、リーダーシップとは目標を掲げ、先頭を走り、意思決定をし、伝えることだと説明されています。
単語としては「推進力」が最も近いと思います。

この説明を読めば、リーダーシップを発揮するには組織のトップである必要はなく、プロジェクトやタスク、会議といった日常業務のもっと小さい単位ですぐに実行できることが分かります。

逆にいえば、肩書きが「リーダー」になっていても、プロジェクトや組織の成功に向かって能動的でない人は、本当の意味ではリーダーではないということです。

誤解2. リーダーは1人である

これも、日本では「リーダー」が肩書きとして認識されることが多いことに起因しています。

マッキンゼーなどのコンサルティングファームでは、メンバーひとりひとりが自分の担当する業務に対してリーダーシップを発揮するため、リーダーと呼べる人が何人もいる状態になるそうです。
肩書きの上でのリーダーは一人でも、リーダーシップはみんなが持っているため、「私はリーダーじゃないから意思決定しない」「リーダーの意見を仰ごう」といって場が硬直するような状態にはならないわけです。

こうして役職上のリーダーにばかり負担がかからない方が、業務効率も上がるイメージが湧きますよね。


誤解3. リーダーは管理者である

メンバーのコンディションを整える、
誰もやらない雑用担当を買って出る、
人・予算・時間などあらゆるリソースを管理する、… etc.

これらは、本来はリーダーの本業ではありません。

リーダーシップのもう一つの大きな定義として成果に結びついているということがいえます。リーダーシップはプロジェクトを成功に導くために必要とされるもので、チームの和を取り持つためのものではないのです。

あなたのリーダーが 管理者、世話焼き、雑用係 になってしまっているとしたら、それはチームとしてもよくない状態といえます。


チームビルディングにリーダーシップを取り入れる

幸いなことに、4つの基本動作を意識することで、後天的に身につけられるのがリーダーシップです。

1. バリューを出す(自分の成果、介在価値、付加価値を常に考える)
2. ポジションを取る(自分なりの意見、判断軸、主張を持つ)
3. 自分の仕事のリーダーは自分(誰かの判断を待たない)
4. ホワイトボードの前に立つ(議論を整理し、まとめ役を買って出る)


チームの全員が上記のアクションを実行できたら、こんな問題は解決できるはずです。

・ファシリテーションができず、会議が進まない
・意思決定者不在でプロジェクトが長引く
・声の大きい人になんとなくみんなが賛同してしまう

チームでうまく働きたい人ほど、リーダーシップを身につけるべきなんだなと思いました。



読んでくださりありがとうございます!