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マーケティングトレース #002 不動産情報サイトを調べてみた


今回は不動産情報サイトについて調べてみます。

主なプレーヤー

いわゆる3大サイトと呼ばれるところを調べてみます。

・サービス開始年度:各社サイトの「沿革」等からそれらしき年度を抽出
・掲載物件数:SUUMOについてはSankeiBizさんの記事から抜粋
・推しポイント:サイトのMVやディスクリプションから抜粋
という、かなりアバウトな情報で申し訳ないです…

各社、Web以前も雑誌などで不動産サービスを運営してきた歴史があるので、明確に開始年度を出すのは難しかったです…
掲載物件数も年によってかなり変動があるんですね、勉強になります。

SUUMO
リクルートが運営する不動産情報サイト。

https://suumo.jp/
不動産情報サイト市場での人気度の高さを売りにしており、多くのサイトにある「物件数:〇〇件」という表記を置いていません。
また、以前は「リクルートが運営する不動産情報サイト」というのをサイトの目立つ位置においていましたが、最近はサービス名のみになっています。

LIFULL HOME'S
株式会社LIFULL(旧ネクスト)が運営する不動産情報サイト。

https://www.homes.co.jp/
社名変更に伴い、サービス名である「HOME'S」も「LIFULL HOME'S」に変更になりました。「物件数NO.1」というのが推しポイントです。


at home
アットホーム株式会社が運営する不動産情報サイト。

https://www.athome.co.jp/
こちらも掲載物件数を目立つところに記載していますが、先の2サービスに比べるとかなり少ない印象を受けてしまいます。加えて、加盟・利用不動産店数を記載しているところが特徴ですかね。


ビジネスモデル

言わずもがな、3社とも自社で不動産事業を行っているわけではなく、あくまで不動産情報を掲載することで、物件を探している消費者と不動産会社を結びつけています。
大きく分けて、掲載量に応じた課金/お問い合わせや反響の件数による成果報酬の2パターンの料金モデルがありますが、いずれにしろ不動産情報サイトとしての市場シェアが大事ということには変わりありません。
これを踏まえ、各社の施策について分析してゆきます。


認知・想起施策

NTTコムリサーチさんの2014年の調査によると「お気に入りの不動産サイトがある」人はわずか19%。ということは、物件を探したいニーズが顕在化したタイミングで、いかに他社より早く想起してもらうかが重要です。

まず、認知度を高める施策としては、各社TVCMを出稿しており、想起のきっかけを作っています。網羅的に調べられてはいないですが、電車の中吊り広告などの交通広告も認知のための施策といえそうです。

次に、ニーズが顕在化した消費者に対する施策として、リスティング広告がありますが、3社のうちat homeはリスティング広告を行っていないようでした。一方の SUUMO、LIFULL HOME'S については「賃貸」「物件」などかなりビッグワードでもリスティングが出てきます。不動産関連のキーワードは競合も多く、単価が釣り上がっていそうなのに、すごいです。

ただ、SimilarWebでざっくり調べると、SUUMOLIFULL HOME'Sも広告流入の比率は2〜5%程度で、流入経路のほとんどが自然検索のようです。

https://www.similarweb.com/ja/website/suumo.jp

そこで、SEOについて見てみると、SUUMOがやや優位のようでした。ビッグワードに関しては必ずといっていいほど1位ですし、「引っ越し 東京」など少し距離のあるキーワードでも1ページ目にヒットします。
ただ「〇〇駅 徒歩圏内」や「(マンション名) 間取り」などの複合キーワードでは、at homeLIFULL HOME'S の物件紹介ページが上位だったりしたので、下層ページをコツコツ対策するのも戦略なのかも…?

利用体験

続いて、流入後のサイトの利用体験について分析してゆきます。

とはいえ「不動産情報サイトって、どこも似たような感じでは…?」というイメージが正直あったので、各サイトのトップページをコンテンツごとにざっくり色分けしてみました。
左から SUUMO、LIFULL HOME'S、at home です。

色分けの意味合いは下記のようにしました。
1 … 物件基本ナビ(例:エリアから探す、沿線から探す)
2 … 不動産お役立ち情報(例:新築or中古比較、住まい探しのコツ)
3 … 自社関連サービス(例:引っ越し、ローン審査)への動線
4 … 基本ナビにはない特集(例:デザイナーズ物件特集)
5 … 外部メディアへの送客動線・広告
6 … テキストリンク集

SUUMO と LIFULL HOME'S は似ている
・不動産情報サイトとして首位争いをする2社なので、互いをベンチマークしたり、同質化戦略を取ったりしているのかもしれません。
・不動産情報サービス以外にも関連サービス(3)を多数持っているのも2社の特徴で、不自然にならない形で動線を設置しています。
・お役立ち情報(2)は、記事量は膨大なものの動線は控えめです。おそらくSEO対策が目的であり、検索エンジンから直接記事ページへ流入させる用途が主なのだと思われます。

at home は特集別検索に注力
一方のat homeは特集がたくさんあり、遷移先にそれぞれ専用ページが用意されているのが特徴です。「駐車場付き物件特集」「ウッドデッキがある物件特集」など、他の2社が専用ページを用意していない細かい条件に対して特集を作り込むことで、SEO対策にも効果が期待できそうです。


次に、1階層下の「賃貸を探す」ページを比較します。

すごいです。各社、激似です。

SUUMOLIFULL HOME'S に関しては、もうわざと揃えてるようにしか見えないレベルです。

SUUMO ↓

LIFULL HOME'S ↓

メインの検索項目のうち、
・駅から探す
・エリアから探す
・通勤時間から探す
・路線図から探す
・地図から探す
の5つが全く同じで、1〜2個ユニークなものがプラスされています。

メインナビ以外についても、下記の検索システムが用意されている点は3社とも共通していました。
・建物タイプから探す
・都道府県から探す(テキストリンク)
・こだわり条件、特集から探す

また、このページ以降の下層ページについても類似したものが多く(なので割愛しますが)、個人的な感想としては逆にユニークな点を見つけるのが難しいほどでした。


結論:みんなすごく似ていた。

流入〜サイト体験までを調べた限り、抜きん出てユニークなことをしているサービスは見当たりませんでした。

各社に共通点が多く見られる理由として、
・市場の歴史が長く、消費者の求めることが明確になっている
・メンタルモデルが形成されてしまっているため、変更を加えづらい
・市場規模が大きく影響範囲が大きいため、大胆な改革をしづらい
という、市場の特性と関係があるのかなと(勝手に)推察しました。

また、特にサイト内体験について追記すると「膨大な情報量の中から選び出す」というシステムの制約も影響している気がします。
どのサイトにも100万件以上の物件が掲載されているので、人間の目で好みの物件を選び出すには、まず選択肢を「絞る」行為が必要です。
さらに、この「絞る」行為に使う条件は、ユーザーの中で既に明確になっているものである必要があります。このため、絞り込み条件は必然的に 駅名・地域名 などに偏っていき、どうしてもサイト構造やナビゲーションが似てしまう、というのもあると思います。


新しいチャレンジをするとしたら?

1. アプリ
今回は取り上げませんでしたが、3社のシェアや人気度を考える上でアプリは見過ごせません。
第一に「スマホを使いこなしているユーザー」にターゲットを絞って体験を設計できるのは大きなメリットですし、プッシュ通知などWebにはないコミュニケーションもあります。
ただ、試しにSUUMOLIFULL HOME'Sのアプリを見比べてみたら、膨大な量になりそうだったので、こちらはまた別の記事にまとめたいと思っています。UIの話を中心に書けたらいいなと思っています。

2. ニーズごとの動線強化
SEO対策のためにロングテールワードを意識したコンテンツを用意しているサイトは多かったのですが、ニッチワードで検索しても流入先がトップページだったり、いざ物件を探そうとするとメインのナビに合流させられてしまったり、一貫してそのニーズにマッチした動線を用意しているサービスはないように思いました。
例えば「転勤族専用〜」「愛犬と一緒に住む人のための〜」など、ニーズごとにコンテンツを特化し、メディアのように見せるのはどうかな?と思いました。



マーケティングノック2本目は以上です。
まだまだ頑張ります…!



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読んでくださりありがとうございます!

気が合いますね ( ˘ω˘)
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niri

某Webサービスの UXデザイナー。毎日の学びを残す場所。

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