見出し画像

【ビギナー向け】 マーケティングを勉強したいあなたに捧げる道標

社内のエンジニアさんに「マーケティングを勉強したいと思ってるのですが、いい教材ありますか?」と聞かれて力説したので、伝えた内容を書いてみます。

読んでほしい層としては、
・新卒社員
・非マーケター(デザイナー、エンジニア)
・他業界からやってきた中途社員さん

です。どうぞ。

「マーケティングを勉強する」とはどういうことか

デザインやプログラミングと同じく「これ1冊読めばマーケティングが丸わかり!」みたいな本はありません。ものすごく広い概念ですからね。

で、これまたデザインやプログラミングと同様、「マーケティングとは何か?」「なぜ重要なのか?」みたいな概念だけを理解していてもあんまり意味がありません。

実用的な知識や能力を身に着けてもらうために、私が人に必ず伝えていることは、
1. フレームワーク
2. 事例
3. 一般教養
の3点セットをバランスよく吸収せよ
ということです。

フレームワークとは、世の中を測るものさしです。
なぜこのブランドが成功したのかを分析したり、その成功パターンを再現性のあるものにするために使います。

次に、ものさしを使って、たくさん事例を見ます。
インターネットでは日々多くの事例を見つけることができますが、漠然と流し読みするのではなく、いくつかのパターンに沿って情報収集します。

最後に、マーケティングど真ん中ではないけれども、多くのマーケターが当たり前のように知っており、実務で使いこなしているマーケティング業界の一般教養をお伝えします。これまで学んだことを実務に落とすときのツールのようなものです。

ここからは3点セットをもう少し具体的に紹介していきます。

1. フレームワーク

マーケターなら知っていて当然、というレベルで有名なフレームワークがあります。そして、それは意外なくらい多くの現場で今日も使われています。

実用的かつ使用頻度の高いフレームワークを知りたければ、俄然この本がおすすめです。だいたいのフレームワークが載っています。

まずは重要なものをしっかり読んで、後は思い出したいときのインデックスとして使用できます。

中でも、
・ランチェスター理論
・イノベーター理論(プロダクト・ライフサイクル)
・STP
は、業種・商材を選ばずに使えるフレームワークなのでおすすめ。(またどこかで詳しく解説できたら…と思います)

2. 事例

世の中に情報があまりにも多すぎるので、私は下記の4パターンを意識してバランスよく情報収集するようにしています。

・競合、同業の類似例
競合他社であったり、フェーズ的に少し先を行っているベンチマーク的存在の事例を探し、どんな戦略を描いているのか想像してみましょう。
また、その事例について1ヶ月後、6ヶ月後、1年後…と定点観測してみることで、成功(と判断された)かどうかがなんとなく分かったりもします。

・ビジネスモデルの類似例
サブスクリプション、フリーミアム、CtoC、グローバル戦略など、あえて業種業態は問わずに、ビジネスモデルが似ている事例を探します。
競合でないからこそ転用できるアイデアもあり、実用的なヒントの宝庫かもしれません。

・破壊的イノベーションの事例
いわゆる"Controversial"(議論を呼ぶ)事例を意識的に観察します。
わかりやすいのは、グローバルだと Tesla、日本だと ZOZOTOWNやホリエモンでしょうか。w
必ずしも成功事例である必要はなく(成功しているかどうかをまだ判断できないケースも多い)、これらの事例に対して業界の有識者たちがどんな味方をしているかを観察することに意味があります。

・世界的に有名な成功事例
最後に、古くてもいいので世界的に成功事例として認知されているものも知っておくべきです。
個人的には P&G、ユニクロ などは情報が集めやすかったです。最近だとUSJの事例が書籍になってて、かなり読みやすかったですよ。

情報収集効率はインターネットの方が高く、1社をじっくり分析するなら書籍が有効なので、バランスよく使い分けてみてくださいね。

3. 一般教養

「これだけができてもマーケターとは呼べないけど、マーケターなら当たり前のように知っていること」という、これまで学んだ知識を実践に移す際に必要になる周辺知識のことです。

私が特に重視しているのは下記3つです。

※私がIT業界のものなので、デジタルマーケティングに偏っていることはご容赦ください><

・アクセス解析
定量的にWebサイトやキャンペーンのパフォーマンスを分析する手法です。Google社が提供しているGoogleアナリティクスというツールがあまりにも普及しているので、ほとんど「Googleアナリティクスの使い方」と同義です。w
アクセス解析が自力でできると、リリースした機能のインパクトや、試した施策の効果検証などが自力でできるようになります。

実践的な知識を学ぶなら、ワカルさんのブログがおすすめです。

「アクセス解析」というカテゴリがあって、用語の定義から実践的な計測手法まで豊富に記事があります。
どの記事も丁寧に書いてあり、情報の鮮度が高いので、私はお客様にもおすすめしてます。


・ユーザビリティ
「いくら効果が見込めても、そこにそんな要素置いたらあかん!」みたいな議論があると思うのですが、それです。w
マーケティング戦略上の施策であっても、Webサイトやサービスの使いやすさを損なうものであってはなりません。

「でも、それって感覚的なものじゃないの?」「ユーザビリティってみんな言うけど、フワフワしててよく分からん」という方は、まずこちらの本を。結構サクッと読めます。

実践編でいうと、任天堂のデザイナーの方が気をつけていることを語ったこの記事がかなりエキサイティングでした(Goodpatchさんのブログです)。



・消費者理解

マーケターと非マーケターの大きな違いは、世の中に実在する消費者についてどれだけ引き出しを持っているかかなと思います。

「〇〇さんって、好きなブランド△△とかですか?」とか、
「意識高い系IT男子が行きそうな場所だね」とか、
「わー、これメンヘラが好きそうな服!」とか言えちゃうスキルのことです。w

そのスキルを磨きたければ「ブランドの達人」がおすすめ。

「資生堂 ツバキな人」「auな人」「SONYな人」といったふうに、その人が好んで選ぶブランドを軸にして、その消費者層に代表される特徴をプロフィール風に紹介してくれます。

ふつうに面白い。
そして、しっかりした定量的ユーザーリサーチの結果に基づいて作られているところがすごいです。

あと、ちょっと毛色を変えて心理学系の書籍も、消費者理解に役立ちます。

人間の行動は思ったより理性的でない、筋が通ってないことに驚きながら読み進められる本です。
「マーケティング万能脳」にならないように不合理な真実も知っておきましょう。

まとめ

マーケティングを理解するための3点セットと、いくつかの教材を独断と偏見によって紹介させていただきました。

どれか1つでも興味を持っていただけるものがあれば嬉しいです!





読んでくださりありがとうございます!