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神戸からのデジタルヘルスレポート #94(メンタルヘルス 1/2)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

2022年は、昨年2021年に創業したデジタルヘルススタートアップを取り上げていきます。毎週木曜日朝配信を予定しています!

今回はメンタルヘルスをテーマにご紹介します。

1. Circles:オンラインセルフヘルプグループ

企業名:Circles
URL:https://circlesup.com/
設立年・所在地:2020年・サンフランシスコ
直近ラウンド:Seed(2021年8月)
調達金額:$8M

Circlesはオンライン自助グループのプラットフォームです。このセルフヘルプグループとも呼ばれる心理学的手法は、同じような悩みを抱えた人や似た境遇にいる人同士の集まりで話をしたり聞いたりして分かち合うというもの。サークルごとに1名のセラピストがファシリテーターとして付きます。人間関係や愛する人との別離、子育ての不安などライフイベントごとに自分に合った6~8人のグループにマッチングされます。

価格は30ドル/週と個人カウンセリングよりは安めに設定で最初の1週間は無料。参加の流れは下の動画でサクッと紹介されています。

関連のウェビナーを定期開催しているほか、公式ブログでもさまざまなメンタルヘルスに関わるトピックについてのコンテンツを公開しています。

2. Pace:毎週のグループセッション運営プラットフォーム

企業名:Pace
URL:https://pace.group/
設立年・所在地:2020年・ロサンゼルス
直近ラウンド:Seed(2021年1月)
調達金額:$1.9M

Paceはオンラインでセラピストとのグループセッションのマッチング・運営を行っており、「ソーシャルウェルネスプラットフォーム」を名乗っています。

グループセッションのほうは基本的に1グループ7人、週1回90分で10週目までは同じグループのセッションに続けて参加する仕組みです。この手のサービスの中では比較的きちんと出席が求められるのも特徴的です。

ファシリテーター全員のプロフィールが載っているところがすばらしいです。心理学系の分野の専門家ばかりで最低でも修士卒という印象。

価格は月額制で180ドル/月。22年2月末までは期間限定で89ドルになっています。
なお現在~2022年のはじめまで(いつまでなのか詳細は明記なし)、会員料金を月額$180から$89へ特別にお値下げ中だそうです。

LGBTQIAA +コミュニティについて、積極的にサポートする姿勢も表しています。最初の月の料金は100%は寄付されるんだとか。

https://www.linkedin.com/posts/pacetogether_happy-pride-activity-6811518494983757825-Kqo1https://www.linkedin.com/posts/pacetogether_happy-pride-activity-6811518494983757825-Kqo1

3. Behavidence:メンタルヘルススコアアプリ

企業名:Behavidence
URL:https://www.behavidence.com/
設立年・所在地:2020年・ニューヨーク
直近ラウンド:Pre-Seed(2021年7月)
調達金額:$1.3M

Behavidenceは日々のメンタルヘルスを管理するアプリを提供しています。アプリをインストールすると、スマホの利用内容からAIで分析、メンタルヘルスを測定し毎日スコア化します。

デジタル行動(スマホの利用内容)がADHD、うつ病、または不安神経症のメンタルヘルススコアとどれだけ類似性があるのか、数値としてフィードバックされます。
例:ADHDの類似度スコアが25%の場合
ユーザーのデジタル行動の25%がADHDの人々と類似していることを示している

従来のメンタルヘルスの測定は、クリニックへの受診の必要があり(価格$150-$4,000)、インタビューによるものがベースでバイアルがかかる可能性もあります。Behavidenceであればこれらの課題を解消できるとのこと。

1分ちょいの動画でBehavidenceを紹介しています。どうぞ!

メンタルヘルススコアをAI専門家の2名と医師2名。創業者でありCEOのRoy Cohenは、Facebookで機械学習アルゴリズムのフレームワークを構築した人です。

4. VOS.health:インサイトマインドアプリ

企業名:VOS.health
URL:https://www.vos.health/
設立年・所在地:2020年・プラハ(チェコ)
直近ラウンド:Seed(2021年7月)
調達金額:$1.3M

VOS.healthは「VOS」というメンタルヘルスサポートアプリを提供しています。自身の内側(インサイト)に向き合い理解するための質問や日々のジャーナル、マインドを安定・向上していくためのケアサポートが搭載されています。

動画でアプリを紹介しています。自分の内側と向き合っていくのは大切だよ、とメッセージが伝わってきます。

VOSbusinessとして、法人向けにも提供しています。

個人向けと同様にアプリで従業員のメンタルヘルスを追跡できます。ユーザーである従業員は自身の精神状態を振り返り、マインド改善のためのアドバイスを受けます。専門家(心理学者やセラピスト)からのケアを受けることもできます。

2021年12月からはアプリに独自のキャラクターをペットとしてアサインできるようです。VOSペットとコミュニケーションをとりながらメンタルヘルスサポートを受ける仕組みのようです。

5. Superpow!:オンラインセラピーアプリ

企業名:Superpow!
URL:https://www.therapyisasuperpower.com/
設立年・所在地:2020年・ロンドン(英国)
直近ラウンド:Seed(2021年4月)
調達金額:$80.5K

Superpow!は、セッションごとのオンラインセラピーアプリを提供しています。最初のセッションは無料。その後は1セッションあたり£45(日本円で約7,000円 2021/11/23時点)です。

  1. 言語や民族性、好みに関していくつかの質問に回答

  2. 35人以上いるセラピストからマッチング、セッションを予約

  3. セッション開始(初回無料、2回目から有料£45/1セッション)

1人あたり£10でグループセッションセラピーを受けることもできます。

創設者のGabrielBirgaoanuとAndreiStoicaが、自身のメンタルヘルス解決のためにオンライン療法を探すのに一苦労した体験から創ったのがSuperpow!
従来のメンタルヘルス療法を受ける際に発生する長期契約や定期支払を削除しています。セッションごとに単発で料金発生する仕組みに設計。これだと「まず試してみよう」というハードルも下がりますね。

紹介動画はこちら。アパレルブランドのCM?と思えるようなカッコいいビジュアルになってます。


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いかがでしたでしょうか?マガジン内の他のデジタルヘルス記事も、ぜひお手すきで見てみてください。

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