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神戸からのデジタルヘルスレポート #4 (Meetwo/Neurotrack /Healint/cognifyx/ViCare)

「神戸からのデジタルヘルスレポート」も第4回まできました。
いろいろな企業をフォローできるのも日々頑張ってくれているインターン生たちのおかげ。本当にありがたい...(。・m・) 

毎度結構なボリュームになっちゃっているので、できる限りシンプルにぱきっとご紹介していけるといいなと思っています。
それでは今回も元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます!

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1. meetwo:10代のメンタルヘルス支援

企業名:meetwo
URL:www.mycaretext.com/
所在地:英国
直近ラウンド:??
調達金額:??

10代の若者、ティーン・エイジャーのメンタルヘルスのためのコミュニケーションアプリ。10代の若者が、日常生活のあらゆることを相談可能。
自身のメンタルヘルスから自傷行為、友人/恋人との人間関係まで扱うテーマは幅広く、投稿した内容に対しては他の参加者やメンタルヘルスやその他のエキスパートからコメントが届く仕掛けです。投稿内容を監視するAIにより、相談者に対して攻撃的な内容は不安を煽る内容はフォーラムから除外されます。

100% Moderation:
Every post and reply is checked before it reaches the app to eliminate all bullying, judgment or humiliation.
Positive feedback and support is curated into the app.

心理的安全性の担保、大切。

日本と同様、イギリスでもメンタルヘルスの問題は深刻です。
立ち上がったのはTimesのコラムニストも務めた心理学者・ジャーナリストのSuzi Godsonとエンジニアで教育系テクノロジストでもあるDr kerstyn Comley。ふたりとも落ち着いている語り口で、惹きつけられます。

アプリのみならず、印刷版のメンタルヘルスガイドブックもOnlineで販売しています。2018年4月にKickstarterでプロジェクトがリリースし、9月より支援者の手元に届いています。

Twitterのアカウント名は"@meetwohelps"
Tech企業ながらメンタルヘルスに悩む若者がより身近に手に取れるように印刷物を提供したり、直近ではTech4Good Awards 2019のファイナリストにまでなっています。NHSのAppライブラリーでも紹介されています。

MeeTwo encourages young people to express themselves visually as well as verbally.
Getting their work published gives users a sense of achievement and their creative input stops the app looking and feeling like a worthy “mental health” resource.

世界観があって素敵。応援。

2. Neurotrack:記憶関連疾患の発症前検知+予防

企業名:Neurotrack
URL:neurotrack.com
設立年・所在地:2012年、サンフランシスコ
直近ラウンド:SeriesC(2019年6月)
調達金額:$50.4m

19年6月にKhosla Venturesなどから$21mを調達したNeurotrack。ピーター・ティールやFounders' fundといった一流投資家から調達を重ねている期待のヘルステックスタートアップです。同社が狙う領域はアルツハイマーを始めとする記憶障害の予防です。

アルツハイマーの治療薬は、これまでファイザーやメルク、ロシュといった世界的製薬企業が挑戦をしながらも臨床試験で望ましい結果が得られず、今年の3月にはエーザイとバイオジェンの新薬候補の治験も中止となりました。

「アルツハイマーは発症後ではなく、発症前に予見し、予防できないか」

そんな思いから立ち上がったのがNeurotrackです。
CEOのElli Kaplanは2012年のTEDxPeachtreeに登壇し、アルツハイマーを予見する基礎技術についてプレゼンテーションを行っており、2017年には「たった5分のテストでアルツハイマーのリスクを明示する」と発表しています。
このテストは通常のスマートフォンやノートパソコンで受けることができます。

元々神経科学の領域で研究されていた技術を製品化し、45〜75歳の人を対象に、実際に症状が現れるよりも20〜25年早く予兆を見つけることが可能になったと。シンプルに、すごい。

最近はもう一歩踏み込んで、デジタルセラピーや食事療法なども提供し始めているとのこと。認知症大国になりつつある日本でも期待される領域です。

3. Healint:偏頭痛データ・予測アプリ

企業名:Healint
URL:healint.com
設立年・所在地:2013年、シンガポール
直近ラウンド:ベンチャーラウンド(2017年6月)
調達金額:$1.4m~

低気圧が来ると頭が痛くなる。そんな人たくさんいますよね。梅雨の時期は毎年憂鬱...私もそのうちの一人です。

シンガポール発のHealientは「Migraine Buddy」アプリを通じて、何が自分自身の偏頭痛の発生のトリガーになっているのかを明確にしてくれます。患者がアプリで記録した症状を、他の患者が入力した症状データと照らし合わせることで、頭痛の原因が短すぎる睡眠時間にあるのか、 アルコールの飲み過ぎにあるのか、原因の候補を明示します。
それらを参考に原因を断つ。シンプルで素敵。2015年にはGREE Venturesも出資しています。

以前も引用したPitch Media AsiaのおいちゃんがCOOのMaryline Marquetにこの3月にインタビューしてました。
このインタビューの中でも、Healintは3人の創業者が創業し、1人はTech、1人はマーケティング、最後の一人はプロダクトを見ていたと答えています。何という理想的な創業チーム。

最近はデータ管理・分析のプラットフォーム・ソリューションを開発しており、3億に及ぶデータポイントを既に保有しているとのこと。医療機関と提携したデータ研究も実施しています。

エビデンスはパワー。強く応援しているスタートアップです。

4. cognifyx:"Healthy Brain"認知・行動療法支援

企業名:cognifyx
URL:www.cognifyx.com
設立年・所在地:2016年、シンガポール
直近ラウンド:??
調達金額:??

アプリで受けるテストやウェアラブルデバイスの状態から脳の状態や感情、認知などの状態を解析し、「健康な脳」の実現を支援するサービスを展開しています。

fMRIの認知・行動科学への応用の研究や、IBM・ワトソンを活用した脳画像の機械学習やAIチャットボットの開発などを通じてプロダクト開発を進めていくとのこと。

App Storeでアプリが提供されていたので、iPhoneの方はぜひ使ってみていただきたいです。
注意力や言語能力、記憶力などのテストや感情評価などのパッシブテストと、端末の加速度計やGPS、光センサーを通じて脳のウェルネル状態を計測すると。
Cognifyx Grabなるドライバー向けアプリもリリースされていました。

Cognifyxは昨年開かれたICONS of HealthcareのSummit 2018で"Leading Medtech Startup"にも選ばれています。
アジアの何処かのカンファレンスで拝見できることを祈っております...!!

5. ViCare:ベトナムの医療情報プラットフォーム

企業名:ViCare
URL:vicare.vn/
設立年・所在地:2015年、ベトナム
直近ラウンド:ベンチャーラウンド(2016年7月)
調達金額:??

ベトナムの医療情報全部のせプラットフォーム。

5万以上の医療機関、4万人以上の医師、1,500近くの疾患情報、2万以上の薬剤、400近い保険をカバーしていて、検索してそれらの情報を得ることができます。

Webサービス/アプリの中では医師に対して様々な質問をすることも可能。医師の監修した記事が掲載されており、質問内容をAIが判断して内容の近い物があればレコメンドしてくれる仕様。便利。
さらにはViCareコミュニティとして、お互いに「こんな感じのときにどうしたらいい?」と聞きあっていました。子供のことを聞いている人が多くて、小児科関連の問い合わせニーズは万国共通なんだなぁと。

恒例のYoutube動画も探してみたんですが、All Vietnameseで理解が及ばず...
ローカル感バッチリで素敵でございました...

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こんな感じで、第4回でした。ぜひまた第5回もお楽しみに!
noteマガジンにもしてみたので、もしよかったらフォローしてください:-)

応援ありがとうございます!