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縁は苦に、苦は縁に。塩沼亮潤さんのお話。

神戸に拠点を置く通販会社・フェリシモさんが主催する『神戸学校』は、"神戸発の生活デザイン学校"として、様々な方をゲストとして招いて市民と一緒に生活というものを考え、学ぶ場。阪神・淡路大震災をきっかけに1997年より始まり、今年で23年目。

第261回目・2019年1月のゲストは、仙台・慈眼寺で住職をされている塩沼亮潤さん。

1968年宮城県仙台市生まれ。東北高校卒業後、1987年吉野山金峯山寺で出家得度。
1999年に、過去1300年で1人しか成し遂げられなかった、1日48kmの険しい山道を千日間歩き続ける「千日回峰行」を満行。その後、9日間の断食・断水・不眠・不臥の中、20万編の御真言を唱え続ける「四無行」を満行する。また、百日間の五穀断ち・塩断ちの前行の後、「八千枚大護摩供」を満行。大峯千日回峰行大行満大阿闍梨となる。
仏教の教えである“思いやりの心”、日本の“和の心”を説く教えは、国内のみならず世界中で反響を呼んでいる。著書『人生生涯小僧のこころ』は英訳され全世界に配信されている。現在、仙台市秋保・慈眼寺住職。

公式サイトより)

あっという間の1.5時間でした。圧倒された1.5時間でした。

修業の日々

お話は、ご自身が修行に入られたときの想いの共有から、数々の修行を終えた現在に至るまで、多岐にわたしました。

・19歳のときに仙台の実家を離れて吉野山金峯山寺での修行に旅立つ日の母との会話
・修行を始まるときに師匠から伝えられた、自我という泥を落とすという話
・山を歩く中で出会った命の危機。がけ崩れやクマとの遭遇
・10日で11kg体重が減ってしまうほどの体調不良の中で山に向かい、地面に倒れながら感謝に包まれた瞬間
・千日回峰行・最終日の心境と感謝の気持ち
・更に9日間の「四無行(断食・断水・不眠・不臥)」を行ったときの苦しみとの対話

圧倒的な体験。特に千日回峰行をおこなっていたときの手記が朗読されるときの、場全体に響く塩沼さんの声があまりに素敵で、生々しく。

常に苦しい。楽なことなんてない。
そんな苦しさと向き合い、自我をはがし、体を追い詰めるなかで、見えてきた感謝の念。

その感覚を、宗教家として、導師として、私たちにも共有してくださいました。

人生の苦しみと、その向き合い方

ひとの苦しみを表す「四苦八苦」は、"生老病死"という四苦に加えて、
・愛別離苦:愛するものと別れる
・怨憎会苦:妬み憎んでいるものと会う
・求不得苦:求めるものが得られない
・五蘊盛苦:肉体/精神が思うままにならない
の4つが加わったもの。

この世に生まれたからには、生老病死からは逃れられない。
しかし、後半4つは心のあり方を整えることで向き合うことができる。

そのことを、
縁は苦となる。苦は縁となる
というキーワードで塩沼さんは伝えてくださいました。

多くの苦しみは、人間関係から生まれる。
逆に、苦しみが人との縁を生むこともある。それは共感であったり、自分自身の成長であったり。

目先の苦に囚われすぎないこと。
いつかそれを縁とできるように。

日常という修業の場で

多くの人にとって、一日一日に様々な苦しみがあり、それは修行だと、塩沼さんは言います。

それらの苦にどう向き合うか。

感謝と、反省と、敬意とをもって向き合いなさい、と。
「ありがとう」と、「すみません」と、「はい」と、3つの言葉をたくさん使いなさいと。

執着をせず、苦しみとはすっと向き合いながら、縁を大切に。
そんなふうに生きていこうと、改めて思いました。

来月は勉強家の兼松 佳宏さんがいらっしゃるようで、これもいってみようかなと思います。
会場のKIITOも素敵な空間でした。今後1Fのカフェも使ってみよう。

Life is for Sharing. それではまた.



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