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神戸からのデジタルヘルスレポート #78 (在宅・遠隔診療/治療 1/7)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回からは少し長めに、テレメディスン系のサービスを扱っていきます。

1. Teladoc Health:米国・遠隔治療サービスの王道

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企業名:Teladoc Health
URL:https://teladochealth.com/](https://teladochealth.com/
設立年・所在地:2002年・ニューヨーク
直近ラウンド:IPO(2015年)
調達金額:Post-IPO調達などで$172.9M

Crunchbaseより

最初は王道、Teladocから。時価総額220億ドルを超える、スタートアップというよりもうTech Giantです。散々こすり倒されている企業ですので、詳しくは↓の記事などを見てください。

Teladoc Healthは企業・雇用主、病院、医療システム、保険会社などと提携して遠隔治療サービスプラットフォームを提供している企業です。現在125ヶ国・20以上の言語で利用されていますが、日本ではまだ未展開です。昨年8月、同業のLivongo Healthを約2兆円で買収したことでも話題になりました。

バーチャルケアの先駆けとして、「あらゆる医療ケアがいつでもどこでも遠隔で医療を受けられる」状態を目指して、プラットフォームとして医療機関・企業・個人をつないでいます。デバイスの活用にも積極的で、スマホやウェアラブルを用いて、タイムリーな健康管理情報のモニタリング、患者の健康状態にあわせた遠隔医療機器等を用いての遠隔医療環境の整備にも貢献しています。

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さらに、2021年5月には「myStrengthComplete」というメンタルヘルスケアサービスを発表しました。事前調査では、ユーザーの92%が改善を報告しているとのこと。「メンタルヘルス系サービスに関心があってもどこから始めればよいかわからない問題」やコロナ禍で爆増したニーズに対応したサービスです。

2. Beam Health:個人開業医向けオンライン診療支援

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企業名:Beam Health
URL:https://www.beam.health/
設立年・所在地:2018年・ニューヨーク
直近ラウンド:Seed(2021年5月)
調達金額:$1.5M

Beam Healthは、リソース成約が大きい米国の個人開業医向けに、医療者がケアに集中できるように各種他業務をカバーするデジタルケアプラットフォームを開発・提供しています。請求や決済管理を始めとして、患者管理・遠隔診療などマネジメント面でサポートしており、ビジネスとしては従量課金制サービスです。

Focus on patient care, we’ll cover the rest.

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CNBCに今年登場した際の動画がこちら。Doctors on DemandやTeladocなどの競合とどう戦っていくの?と聞かれ、「私たちは、医療者と長期的な関係を結びたい患者さんを助けるために、地域に根付いたサービスを追求します」と。オンラインだけど、地域密着。

遠隔診療周り

3.1DocWay:オンライン精神科遠隔診療

企業名:1DocWay
URL:https://www.1docway.com/
設立年・所在地:2011年・ニューヨーク
直近ラウンド:M&A by Genoa (2015年)
調達金額:$1.7M

1DocWayは、オンラインでの精神科予約・診療プラットフォームで、創業から4年、2015年11月に薬局チェーンのGenoaに買収されました。同年7月にRock Healthなどから$1.7Mを調達していた同社は、早速のエグジットとなりました。買収当時で米国11州で展開、2.5万人の患者をケアしていましたが、現在はGenoa Telepsychiatryとしてサービス統合されています。

Genoa Telepsychiatryは、遠隔診療・治療技術を通じて、精神医療サービスの行き届いていない人々に対してもケアを提供することを目指し、オンライン診療のプログラム管理支援を行っています。1つのツールで患者さんの予約のスケジューリングやオンライン処方での投薬管理などをシームレスに行えるのが特徴です。

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4. DocDoc:AIによる医師-患者マッチング

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企業名:DocDoc
URL:https://www.docdoc.com
設立年・所在地:2012年・シンガポール
直近ラウンド:Convertible Note
調達金額:$24.6M

最後の一社、DocDocはアジア・シンガポールからです。

DocDocは、AI を使った医師-患者マッチングを行う遠隔診療プラットフォーム。 東南アジア3か国(シンガポール、インドネシア、フィリピン)とインド・韓国で展開しており、オンラインで医者を検索することができます。独自の基準をクリアした23,000人以上の医師、600の診療所、100の病院が登録されているそう。最初にDocDocのメディカルコンシェルジュと会話をして、そこで必要な対応を選別されるとのことのようで。展開地域を見ても、離島などと相性が良いのかしら。

ネットプロモータースコアも88、相当の高さです。サービス紹介動画もあるのでこちらもどうぞ。

患者が最適な医療上の意思決定を行うために必要な情報を提供することで患者の医療インテリジェンスを向上させることを目的としてます。「世界初の患者インテリジェンス企業」と謳っており、医師ら医療チームや保険会社ではなく、あくまで患者を主としています。

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いかがでしたでしょうか?マガジン内の他のデジタルヘルス記事も、ぜひお手すきで見てみてください。

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