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神戸からのデジタルヘルスレポート #12 (KelaHealth/Metaoptima/Mevoked/Quitbit/PerchBaby)

第12回です!
今回も元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます!

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1. KelaHealth:大量の手術データ解析による合併症リスク軽減

企業名:KelaHealth
URL:http://kelahealth.com/
設立年・所在地:2016年・サンフランシスコ
直近ラウンド:Seed(2018年8月)
調達金額:$820m(Healthbox、Techstars、The Cedars-Sinai Accelerator など)

KelaHealthは、大量の手術データをもとに、対象の患者の手術に対してどのような介入を行えば合併症のリスクを低減できるか提案したりする医師のためのアプリケーションを提供しています。

KelaHealthのアルゴリズムは、手術中のあらゆる手技について、9つの主要な合併症カテゴリーにわたって患者のリスクを評価し、正確な予測を行います。外科的合併症の50%は回避可能であるという考えのもと、AIとビッグデータを使用して、外科的合併症を発症する可能性があるすべての患者の可能性を正確に予測します。

CEO and Co-FounderのBora Changはデューク大学のメディカルスクールでMDを取得した女性で、卒業は2017年。つまりメディカルスクール在学中にKelaHealthを創業しているんですね。。すごいパワーだ。さらに、第8回でご紹介したFlatiron HealthのSVP of Oncology & CMOのAmy AbernethyやRockHealthのVenture PrincipalのJeff Trostなどがアドバイザーに参加しています。

2. Metaoptima:皮膚状態イメージング・診断プラットフォーム

企業名:METAOPTIMA
URL:https://www.metaoptima.com/
設立年・所在地:2012年・カナダ
直近ラウンド:Series A(2018年6月)
調達金額:$6.5m(AirTree Ventures、Skip Capitalなど)

METAOPTIMAは、人工知能を搭載した皮膚がんを含む皮膚の状態のイメージング、文書化及び診断のための皮膚科学アプリケーション「DermEngine」を提供しています。「DermEngine」はいつでもどこでも利用可能な皮膚科プラットフォームで、スマホ・タブレットを含む各種デバイスから利用できます。これを使用することで、医療専門家や医療機関はオンラインで診療所を開設したり、カスタマイズされたモバイルアプリを通じて遠隔皮膚科の相談を受けたりできます。

患者の写真はアプリ内に保存され、迅速な検索と比較のために整理された状態で閲覧することができます。また、症例記録と来院を管理し、医師が事務処理ではなく患者に集中することを可能にします。

また、同社は患者向けのスマートフォン取り付け型皮膚拡大鏡「MoleScope」も提供しています。拡大鏡と特殊な照明を通して皮膚の高解像度で詳細な画像を提供する、皮膚鏡検査用のスマートフォン用アタッチメントで、患者のほくろや斑点を経時的に追跡し監視することにより、皮膚がんの早期発見と予防につなげるものです。アプリと連携して使用することができます。

皮膚科っておとなになるとあまり足が向かなくなる印象があります。
スマホがこれだけあるので、アタッチメントである程度モニタリングできるようになると便利で素敵ですね。

3. Mevoked:周産期と産後のうつ予防

企業名:Mevoked
URL:http://mevoked.com/
設立年・所在地:2013年・サンフランシスコ
直近ラウンド:M&A by WellBrain(2018年8月)

周産期と産後のうつ病を予防・治療し不安を管理するためのでデジタルプログラムを提供しているのがMevokedです。同社は、テクノロジーと心理科学を用い、妊婦・出産後の母親を支援することを目的としています。

患者は、タブレットやコンピュータなど様々なデバイスからこのデジタルプログラムを利用して、臨床的に検証された治療プログラムにアクセスし、毎週のアドバイスを得ることができます。それをパートナーや医師と共有することで、うつ病の予防・治療につなげます。医師は、臨床ダッシュボードにまとめられている患者データにより、患者を簡単に管理することができ、患者へのサービスに集中することができます。同社は、Mayo ClinicやOregon Research Instituteのような臨床・研究チーム、さらにはLaunchpad Digital Healthなどとも提携しています。

産後うつは10~15%の女性が経験するといわれています。こうしたサービスにより頻繁に病院に行くよりも気軽に産後うつなどの治療に取り組めるのは、産後のお母さんの負担をかなり軽減できるので、こういったものがさらに広まっていくといいですね。

4. Quitbit:禁煙を支援するスマートライター

企業名:Quitbit
URL:http://www.quitbitlighter.com/
設立年・所在地:2013年・ボストン
直近ラウンド:Closed(2017年3月)
調達金額:$175k

残念ながら閉じてしまっている会社です。しかし、面白い事業内容だったのでご紹介を。

Quitbitは、喫煙したタバコの数と前回のタバコからの経過時間を表示する内蔵ディスプレイを備えたスマートライターを提供していました。 モバイルアプリと同期して、喫煙履歴の表示、削減計画の設定、オプションでライターの使用頻度と使用時期の制限を行います。

スパイダーグラフを使用して、最も喫煙している時期を確認したり、喫煙が体重や活動など、健康の他の側面にどのような影響を与えているかを確認することができ、喫煙量の削減、禁煙へとつなげます。

ライターにこういった機能が内蔵されているのはとても画期的ではないでしょうか。禁煙したい、周りからも禁煙しなさいと言われるけどなかなかできない...という人は、こういったものを利用して喫煙量や健康への影響を実際に日々目にすることで、禁煙への意識が高まりそうですね。

しかしこれも閉じちゃったスタートアップ。
こういうデバイス系は難しいでしょうなぁ。。。

5. PerchBaby:赤ちゃんモニタリング

企業名:PerchBaby
URL:http://www.perchbaby.com/
設立年・所在地:2014年・サンフランシスコ
直近ラウンド:Closed(2016年12月)
調達金額:$200k

せっかくなのでもうひとつ、閉じてしまったスタートアップを。

PerchBabyは、両親と自分の赤ちゃんをつなぐ次世代の赤ちゃんとおむつの健康モニターを提供していました。

この製品は、赤ちゃんのおむつにはめ込み、重要なバイタルサイン(呼吸、体の位置、体温など)の最新情報をリアルタイムで両親の携帯電話に送信してくれます。 また、おむつの内側に高性能の使い捨ておむつインサートを付けることで、おむつの交換が必要なときに親/介護者に通知をしてくれます。

この情報をユーザーのスマートフォンにリアルタイムでストリーミングするだけでなく、Perchは予測分析のためにデータを収集して分析し、その情報も提供しています。

MONITしかり、こういう系のデバイスはどんどん出てくるし、パンパースブランドでスマートケアのシステムが出たりしていて、この分野はいろんなプレイヤーがいそう。消費者としてはありがたい一方、事業者として戦っていくのはタフな領域なんでしょうなぁ。。

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こんな感じで、第12回でした。
noteマガジンにもしてみたので、もしよかったらフォローしてください:-)

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