見出し画像

神戸からのデジタルヘルスレポート #72 (職場・従業員)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は職場の健康イシューに取り組むスタートアップをご紹介します。前の患者モニタリングでご紹介したOmada Healthも職場利用が前提でしたが、今回はより多様な観点で企業を取り上げていきます。

1. HealthJoy:従業員向けヘルスケア情報提供

画像5

企業名:HealthJoy
URL:https://healthjoy.com/
設立年・所在地:2014年・シカゴ
直近ラウンド:Series C(2020年2月)
調達金額:$18.5M

HealthJoyは、従業員向けパーソナライズされたガイダンスとAIテクノロジーによって、満足度を向上させる福利厚生プラットフォームを提供しています。利用している企業の従業員は、オンライン医療相談、ライブヘルスケアコンシェルジュ、Rx節約などへのオンデマンドアクセスを利用することができます。詳しくは、↓の動画に。

創業時は従業員向けというよりは、個人向けのACA保険プランを活用したサービスの提供でした。しかし、企業部門からの関心が予想以上に高かったために、雇用主の福利厚生分野に軸足を移し拡大を続けています。彼らのミッション/ビジョンにあるように、HealthJoyが目指すのは福利厚生・医療費の徹底したシンプル化です。TechCrunchによると、今回のコロナ禍でユーザーの数を大きく伸ばしたそう。従業員は2020年5月時点で500名以上。

画像6

3分ほどの動画でアプリの使い方を説明しているんですが、確かにシンプルで使いやすそう。

21年10月にはMedBenとの提携も発表。がつがつビジネスを伸ばしに来てますね。これからの成長が楽しみです。

2. Healthx:仕事満足度の管理・向上×医療費削減

画像4

企業名:Healthx
URL:https://www.healthx.com
設立年・所在地:1995年・インディアナポリス
直近ラウンド:Acquired by zipari
調達金額:N/A

healthxは、従業員の仕事満足度の管理・向上などによって医療費の削減と健康改善を促すソリューションプラットフォームを提供するスタートアップ。2020年12月に健康保険専用に構築されたCXプラットフォーム運営企業・zipariに買収され、現在は同社の一ファンクションとしてCXとデジタルエンゲージメント向上に貢献しています。

事前にワークフローでメンバーニーズを把握して迅速に対応、会話型AIでセルフエンゲージメント強化、パーソナライズされた疾病管理リソースや福利厚生プランの情報提供等、効率的かつ効果的な体制とサービス提供を構築しています。

画像7

これらのソリューションは、メディケアアドバンテージの星評価の向上やアドヒアランス(服薬遵守)ギャップの改善といった効果を示しています。個々の医療リテラシーの向上が過度な医療費を発生させることを防ぎ、健全な状態にもっていけると示唆しているようです。

画像8

3. Accolade:従業員向けパーソナライズヘルス

画像3

企業名:Accolade
URL:https://www.accolade.com/
設立年・所在地:2007年・プリマスミーティング
直近ラウンド:Post-IPO Equity (2020年10月)
調達金額:$458.7M

Accoladeは、従業員のヘルスケアエクスペリエンス及びコストを改善するのに役立てるために、パーソナライズされた健康および福利厚生ソリューションを提供している企業。2020年7月に$220MでIPOしており、その後も大型のファイナンスを行っています。

動画にもありますが、「人をエンパワーする」というミッションのもと、『専門性』『共感』『テクノロジー』の3つを柱として掲げています。『専門性』による臨床面での信頼性を確保し、寄り添いで『共感』によるヒアリングと継続的なリレーションシップの構築、臨床と人を接続して高精度の『テクノロジー』でケアに繋げる、といった流れでしょうか。

画像9

下記のように、臨床アウトカムに関する動画・メディアを積極的に公開しているところが素晴らしいなと思いながら眺めています。

4. Grand Rounds Health:トップレベル医師をオンラインで職場に

画像2

企業名:Grand Rounds Health
URL:https://grandrounds.com/
設立年・所在地:2011年・サンフランシスコ
直近ラウンド:Series E(2020年9月)
調達金額:$272M

Grand Rounds Healthは、契約企業の従業員であれば、無料でどこからでも一流医療者によるチェック・診察を受けることができるサービスを提供しています。現在600万人の登録ユーザーがおり、900以上のドクターチームへアクセスすることで医療上の意思決定を可能としています。

ウォルマート、コストコ、Salesforce、および140を超えるアメリカのトップ雇用者に無料の従業員福利厚生として採用されています。また、2019年の働きがいのある会社、2020年のUCSFデジタルヘルスアワードと、数々の賞を受賞していることもあり、コロナ禍に揺れる米国でも注目企業の一つとなっています。

そんな企業が21年10月18日に、Doctor on Demand社と連携して、LGBTQ+コミュニティ向けのケアナビゲーション・プラットフォーム・Included Healthへのリブランディングを発表。今後のさらなるサービスの発展に注目が集まっています。

----------

いかがでしたでしょうか?マガジン内の他のデジタルヘルス記事も、ぜひお手すきで見てみてください。

お知らせ1: リサーチ・情報収集に関するを出しました!

お知らせ2: 毎週読んだ記事や考えていることなどを配信するニュースレターをしています。無料です。ぜひ登録してみてください。



応援ありがとうございます!