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神戸からのデジタルヘルスレポート #24 (MZP/BoardVitals/CleanSlate UV/SmartConcierge/DocASAP)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は第24回です!
元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます:-)

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1. MZP:医療機器向けマイクロ流体チップ

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企業名:MZP Tech
URL:http://www.mzptec.com/
設立年・所在地:2015年・アルゼンチン
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

まずトップに、ディープテック企業を。
MZP Techは、少量の液体サンプルを操作・検出するためのマイクロテクノロジーとそれを制御する組み込みシステムに焦点をあてているスタートアップです。コアプロダクトは、ガラス-ガラス、ガラス-シリコン、およびガラス-ポリマー材料の組み合わせを使用したマイクロ流体チップを製造しています。拠点はアルゼンチン。

創業者の3人はみな物理学のPhDホルダー...!!

同社が開発したチップは、医療機器にも組み込まれていく予定であり、持ち運びができる携帯医療機器の発展とともに世の中に広まっていくことでしょう。素晴らしい...!!

2. BoardVitals:医療者向け医療情報コンテンツ提供

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企業名:BoardVitals
URL:http://boardvitals.com/
設立年・所在地:2012年・ニューヨーク
直近ラウンド:Series A(2015年7月)
調達金額:$1.6m(Rock Creek Capital、Blueprint Health)

これまで紹介してきた米国のスタートアップは西海岸中心でしたが、ヘルスケアスタートアップは東海岸にも多く拠点をおいています。その一つ、ニューヨークに拠点を置くBoardVitalsをご紹介。

「BoardVitals」は、医師、看護師、医療学生など医療にかかわる人のための医療情報や試験対策を提供しています。PC、タブレット、またはスマートフォンから24時間365日オンラインで専門家のコンテンツにアクセスすることが出来ます。使い方は簡単で、以下の画像にもあるように、「I'm a」のところの選択肢で、自分の職業を選択し、「studying for」のところで、自分の勉強したい分野や情報を選択します。

主要な出版社、トップクラスの大学教授、および500人以上の医師から情報を収集し、コンテンツを提供しています。たくさんの洗練されたコンテンツが盛り込まれている「BoardVitals」は、以下の理由から試験対策にはもってこいとされています。

・毎日最新のコンテンツに更新
・トピック別で、カスタマイズ可能な練習テスト
・ビデオ、画像、および複数の選択肢
・詳細な説明、参考資料、理論的根拠の提示

実際に、「BoardVitals」を使用した受験生は、全国平均よりも合格率が8%高く、学習時間が18%短縮されたというデータも出ています。質が高い質問が様々な専門分野において用意されているため、利用者は効率よく勉強することが出来ます。

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Podcastもやっているようで、ぜひきいてみたくなりました:-)
学びは効率的に、かつ効果的に!

3. CleanSlate UV:20秒なんでも消毒滅菌デバイス

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企業名:CleanSlate UV
URL:http://www.cleanslateuv.com/
設立年・所在地:2014年・ウィスコンシン/ミルウォーキー
直近ラウンド:Seed
調達金額:N/A

私たちが普段使っているモバイルデバイス、例えばスマートフォンには、菌が大量に付着している言われています。手をいくら清潔にしたところで、使用する機器が汚染されていれば、そこからの感染確率は上昇します。

そんな問題を解決するのが、「CleanSlate UV」です。
20秒という短時間で、身近な機器を消毒してくれます。上記のような、スマートフォンがデモ動画でも用いられています。使用方法は、簡単で、以下の動画のように専用のスペースに消毒したい機器を入れてスイッチを押すだけです。ちょうど自分の手を洗うくらいの時間ですね。

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使用場所としては、病院やレストランなどがあります。
病院では、感染リスクの高い新生児集中治療室(NICU)や手術室に入るとき。レストランでは、厨房にはいるドア横などに設置するのが良いかもしれません。

20秒という時間の割に、デバイス自体を傷めることなく、99.999%のMRSAを滅菌することができると。素晴らしい。コンプライアンス対応もバッチリで、病院で利用するには理想的ですね。

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病院では患者の感染リスク、レストランではお客の食中毒などのリスクを回避するために使用する必要があります。感染のリスクを下げるために、手洗いや手の消毒などの処置は取られていますが、使用するモバイルデバイスの消毒についてもケアしたほうがより完璧になりますね...!!

4. SmartConcierge:救急患者フォローアッププラットフォーム

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企業名:ConciergeStat
URL:https://www.conciergestat.com/
設立年・所在地:2014年・ニューヨーク
直近ラウンド:M&A by Smart-ER(2018年8月)
調達金額:$520k~(Blueprint Health)

SmartConciergeは、救急部門患者のフォローアップをサポートするプラットフォームです。同製品を使用することで、退院後の通院治療のアドヒアランスを高めることができ、治療の調整と収益を自動的に最適化することが出来ます。

無意味な外来治療は、患者と医師との関係を悪化させ、不必要な入院につながります。ナビゲーターが、オフィスの場所、保険、およびスケジュールに基づいて、患者を適切な医師にマッチングするのを支援します。退院後、リマインダーを自動化し、外来治療への通院を監視します。

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2018年に同じくER領域を扱うSmart-ERに買収されていますが、この会社が面白いなぁと思ったのは、マネジメントチームの一人にChief Experience Officer(最高体験責任者)をおいていること。もともとEdward Hospitalで顧客体験部門の部長を務めていたJulie Dankerがその役を務めています。

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日本でも盛り上がるオンラインでの患者支援ですが、救急の領域でもますます発展していきそう。素敵。

5. DocASAP:医師・歯科医のオンライン予約サービス

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企業名:DocASAP
URL:http://www.docasap.com/
設立年・所在地:2012年・バージニア/ヘルンドン
直近ラウンド:Series A(2017年7月)
調達金額:$9.4m(Blueprint、MultiPlan)

「DocASAP Platform」は、独自の検索機能とナビゲーションで、患者が効率的に適切な医療機関にアクセスできるよう支援します。
ちょっと古い動画ですが、イメージはこんな感じ。

EPARKクリニック・病院と、EPARK歯科の掛け合わせですかね。サービスを利用した場合の流れは↓。

1. 患者の症状、ニーズ、重症度、利便性、適時性、コストに応じて、適切な医療機関を提示します。
2. 患者のスケジュールと候補の医療機関のスケジュールに応じて、待ち時間が最も短い時間を提示します。
3. 来院前のリマインド、来院後の次回予約のリマインドをしてくれます。

最適な医療機関の選定からサポートしていて、地域の医療リソースも勘案した患者の(良い意味での)誘導ができる仕掛けになっています。

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再訪のリマインダーなども設定できて、クリニックとしての収益最大化にも寄与するプロダクト。日本だといろんな規制・ガイドライン上難しい部分もありそうですが、良いコンセプトのプロダクトですよね。

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こんな感じで、第24回でした。
noteマガジンにもしてみたので、もしよかったらフォローしてください:-)

応援ありがとうございます!