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神戸からのデジタルヘルスレポート #7 (beam/Elemental Machines/Marigold Health/Caregiver Asia/Door2Door Healthcare)

第7回です!
今回も元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます!
(文量を抑えてぱっと読めるようにしますがんばります...)

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1. Beam Dental:スマート歯ブラシ付き歯科保険

企業名:Beam Dental
URL:www.beam.dental
設立年・所在地:2012年、オハイオ・コロンバス
直近ラウンド:Series D(2019年5月、$55m)
調達金額:$88.4m(Kleiner Perkins、Georgian Partners 等)

母が歯科衛生士でして、小さいときから歯の大切さを繰り返し伝えられてきました。お陰様で虫歯もなく、さらに褒められる歯並びを手に入れることができました。

口腔ケア、歯科ケアの重要性はどれだけ強調しすぎても強調しすぎることはありません。適切な口腔ケアは食べ続けるために必ず必要になりますし、食べられなくなると人は弱くなります。(母は「入れ歯になるとみんな味がわからなくなるっていうのよ~」とよくゆーてました)

Beam Dentalは米国各州で歯科保健を提供しており、保険加入者に対してBluetooth内臓のスマート歯ブラシを提供しており、歯磨きの丁寧さ・うまさに応じて最大15%の保険割引が提供されるとのこと。素晴らしい。

6ヶ月毎に歯ブラシと歯磨き粉、フロスが手元に届くことで、「同じ歯ブラシを使い続けてしまう」「フロスをなかなか使わない」などの問題に対してアプローチすることを狙っています。

歯を大切に!

2. Elemental Machines:新薬開発データ管理・分析

企業名:Elemental Machines
URL:elementalmachines.io/
設立年・所在地:2015年、マサチューセッツ・ケンブリッジ
直近ラウンド:Series A($9m、2018年10月)
調達金額:$11.5m (Founders Fund, Digitalis Venturesなど)

新しいお薬の開発には莫大な費用が必要になり、↓の調査では1剤で2,000億円の開発費が必要とされています。また、過去の発見により新薬の開発余地はますます限定されており、2010年に発表された調査によると過去10年間で新薬の開発コストは2.5倍になっているといいます。

Elements Machinesはライフサイエンス業界向けに各種センサー機器や実験設備及びそこから生まれるデータ管理システム、解析AIなどをソリューションとして提供することで、新薬開発に必須の実験周りを効率化するサービスを提供しています。温度から湿度から、管理しなきゃいけない要素がたっくさんありますからね、ラボ...

同社は2016年にFounders Fundが出資したのをはじめ、RockHealthやPaypal創業者のMax Levchinなども出資者に名を連ねています。
低化合物系のお薬開発でもAI創薬がどんどん出てきたりしていて、薬剤開発の現場もどんどん変わっていくなぁ...いい方向に。

3. Marigold Health:患者同士で支援し合うチャットサービス

企業名:Marigold HEALTH
URL:www.marigoldhealth.com/
設立年・所在地:2017年、ボストン/ボルチモア
直近ラウンド:Seed(2019年4月)
調達金額:$1.2m~(MassChallengeなど)

ジョンズ・ホプキンス大学発のサービスで、精神疾患の患者同志のピアサポートグループで用いるチャットサービスを提供しています。
患者複数名が匿名で参加し、そこにカウンセラーが加わる形で実施するグループセラピーのチャット内容を解析し、患者の精神疾患悪化の兆候や自殺のリスクを明示することを価値としてB2B2Cの形で医療機関やカウンセラーに対して提供しています。

元々Sunrise Healthの名前で活動していた同社は、2017年のTechCrunch Disrupt NYに登場しています。プロダクトはプロトタイプ感満載ですが、↑のコンセプトはよくわかるものになっています。

最近MassChallengeからも出資を受けてサービス内容をプレゼンしていたんですが、社長、めっちゃ右腕ギブスやん...

UXデザイナーを始めとしてプロダクトチームを強くしていきたい!とおっしゃっているので、これからプロダクトもどんどん磨かれていくんでしょうね...!!

4. Caregiver Asia:ヘルスワーカープラットフォーム

企業名:care giver asia
URL:www.caregiverasia.com/
設立年・所在地:2015年、シンガポール
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

介護士やカウンセラー、保育士などとそれらが必要な家庭等とのマッチングサービスです。2019年5月時点で5,000人以上のフリーランスのヘルスケアワーカーが登録しており、サービス領域としては在宅医療支援の看護師や妊娠期間中のマッサージやベビーシッティングが中心で、料理や清掃の支援も一部してくれるようです。

妊娠期間中だったり小さい子供がいるときには医療系の支援をしてくれる人が自宅にいると気持ちも体も楽になるだろうし、逆に親が高齢になって介護が必要になったりしたときも、こういうプラットフォームでぱっとサービス提供者を探せるのは便利だろうなぁと。

医療にガツンと特化したくらしのマーケットCasyという感じでしょうか。
いざという時に頼れるサービスがある、そんな社会がいいですね。

5. Door2Door Healthcare:在宅治療支援実現サービス

企業名:door 2 door Healthcare
URL:www.door2doordoctor.my
設立年・所在地:2014年、マレーシア・クアラルンプール
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

もう一つ、在宅ケア・治療系のサービスを。マレーシアのスタートアップです。

Door2Door Doctorは創傷治療やケア、理学療法など様々な医療サービスを自宅で受けられるように、個々のニーズに合わせた”Home Healthcare”パッケージを提供しています。160名以上の医療従事者と提携しており、首都クアラルンプールを中心に在宅治療・ケアを推進しています。

サービスどんな感じなのかなと見ていたら、Google Formフル活用で、Webはプロトタイプ感あってもサービスをがんがん進めていく姿勢が素晴らしいなと。

訪問看護師を依頼者自身が申し込んで支払う、みたいなのは日本の社会保険制度だと難しいかもしれまん。
とはいえ、これから高齢者がどんどん増えて行く一方で病床数も減っていくことを考えると、在宅でのケアをもっと便利にかつ高付加価値にしていかなあかんのだなぁと感じました。

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こんな感じで、第7回でした。
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