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神戸からのデジタルヘルスレポート #79 (在宅・遠隔診療/治療 2/7)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回も、在宅・遠隔診療/治療の続編です。シンガポールやインドネシア、スイス等、米国以外の各エリアで成長中の企業を取り上げたいと思います。

1. Doctor Anywhere:在宅予防接種予約@シンガポール

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企業名:Doctor Anywhere
URL:https://doctoranywhere.com/
設立年・所在地:2016年・シンガポール
直近ラウンド:Series C(2021年8月)
調達金額:$96.8M

Crunchbaseより

Doctor Anywhereは、シンガポールを拠点とする遠隔医療スタートアップ。在宅予防接種予約サービス、ヘルスケアに特化したECの運営、病院グループと連携したオンライン診断や在宅診療などを提供しています。東南アジアの5カ国で事業を展開。2年前に公開されたサービス動画、企業アカウントとしてはびっくりの21万回再生(21年11月現在)。

toC向けに、バーチャルクリニックでの医師診察や予防健診、避妊関連のサービスも受けられるとのこと。在宅ケア関連では、ECを通じた薬購入も可能で、自宅で診察→診断→処方→薬受取まで一気通貫で医療サービスを受けることが可能。同時に、企業と連携して従業員の健康データを分析、それぞれの企業ごとに独自の健康プログラムを設計・提供する事業も実施しています。

また、2021年8月のシリーズCの資金調達で$64.9Mを調達しています。これは、東南アジアのヘルステックスタートアップの調達としては最大規模で、Novo Holdings/Asia Partners Fund Managementが投資家として参画しています。同時に2021年11月にはタイの同業最大手・Doctor Raksaを買収しています。フィリピンではコングロマリットのEquicom Groupと事業展開をしています。

Doctor Anywhere社の創業者兼CEOのリム・ワイ・ムン氏は、「パンデミックで、特に慢性疾患の治療やメンタルヘルスのサポートなどのテレヘルスサービスの重要性・有用性が浮き彫りとなった。Equicom Group社は、東南アジアのデジタル・ヘルスケア・ソリューションの立ち上げ経験と、フィリピンにおける比類のない市場洞察力やネットワークを兼ね備える。今回合弁会社を設立することで、質の高いヘルスケアサービスへのアクセスを向上させ、信頼性の高い便利なヘルスケアをモバイル機器を通じて一般の人に直接提供していきたい」と述べる。
参照記事

2. eDoctor:toB向け健康診断パッケージ@ベトナム

企業名:eDoctor
URL:https://edoctor.io/
設立年・所在地:2014年・ホーチミン(ベトナム)
直近ラウンド:Venture Round (2020年4月)
調達金額:$50K

Crunchbaseより

eDoctorはベトナムを拠点に、音声通話またはビデオ通話を通じて、簡単に医師にアクセスできるヘルスケアシステムを構築しています。病院の予約、医療記録(自身だけでなく家族のものも含む)の保存、toB向け健康診断パッケージの提供を行なっています。

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2014年に健康相談センターとしてeDoctorを立ち上げてから、アプリケーションを起動して100,000人以上のユーザーリーチ。その後2016年にFacebook、2017年にはGoogleからメンター支援と金銭的支援を受け、100以上の企業のヘルスケアパートナーになるまで成長しています。利用者は27万人近くになっているとのこと。

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2021年10月、長めの会社紹介動画(日本語字幕付き)をYoutube上で公開しています。列挙されている患者課題4つをみると、日本と共通している部分も相当あるんだなと実感します。

3. Konsula:遠隔診療、医師・病院検索サービス@インドネシア

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企業名:Konsula
URL:https://www.konsula.com/
設立年・所在地:2015年・ジャカルタ(インドネシア)
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Crunchbaseより

Konsulaは、インドネシアを拠点に、遠隔診療、医師・病院検索、医療機関での診療予約を行えるサービス、及びヘルスケア関連製品を扱うECサイトを運営しています。遠隔診療周りでは、電話またはチャットで経験豊富な専門医のチームに相談ができ、パッケージされた医療プランを選択した上で内容に応じたクリニックや病院への予約受診等の医療サービスを受けられるようになっています。

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2015年のTechinAsiaで共同代表者2名が楽しそうに話している動画がこちらに。慣れないマイクの持ち方がむしろ好感。Twitterアカウントの投稿は2016年で止まっちゃっていますが、はてさて事業はどうなのか。

4. Medgate:音声ビデオ通話・遠隔診断サービス@スイス

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企業名:Medgate
URL:https://www.medgate.ch/en-us/medgate
設立年・所在地:1999年・バーゼル(スイス)
直近ラウンド:Venture
調達金額:N/A

Crunchbaseより

いってんヨーロッパはスイスへ。

Medgateは、1999年設立にされたスイス拠点の遠隔診断サービススタートアップ。90名の医師と連携し、音声通話・ビデオ通話でのサービス提供を行っています。オンライン診断後は、予約なしで提携病院で診療を受けることができます。事業内容紹介の動画をどうぞ。

スイスに拠点をおく全ての保険会社に認証を受けており、健康保険会社による法定給付の一部のみが患者に請求されるため、患者負担は最初から軽減されています。結果として患者の満足度は95%、相当に高いですね。はじめてサービス利用方法をされる方向けの動画がしたなんですが、目の上に影をつける感じが独特。スイスの慣習なんでしょうか。

5. Jio Health:オンライン診療+訪問医療+薬の配達@ベトナム

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企業名:Jio Health
URL:https://www.jiohealth.com/
設立年・所在地:2011年・ホーチミン(ベトナム)
直近ラウンド:Series A(2019年4月)
調達金額:$7.7M

Crunchbaseより

Jio Healthは、訪問医療、オンライン薬局からの処方薬配送、ビデオ・チャットによるオンライン診断サービスなどを提供しているオンラインヘルスケアプロバイダー。ウェアラブルデバイスとシームレスに接続した症状・状態モニタリングが可能であり、利用者には24時間対応で健康アドバイス及びメディア情報を無料提供しています。サービスについての紹介動画は以下をどうぞ。

平均10年以上の経験を持つ同国エリート医師が登録していると謳っており、風邪から慢性疾患、covid-19、小児科、性的疾患やマタニティ等、多様な疾患へ対応しています。一般向けにBlogで各疾患別の記事も定期的に掲載しています。

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