野安ゆきお

主にゲームに関する文章を書くことを仕事としています。よろしくどうぞ。

女性ゲームユーザーの存在を織り込んだ上で読み解く日本テレビゲーム史(その3)

「ポケベル」「たまごっち」「プリクラ」によって、街の中で女性がゲームに親しむ光景が生まれ、「パラッパ」「どこでもいっしょ」などの可愛いCGキャラが女性をゲームユーザーへと引き込んでいった1990年代。女性がゲームに親しむようになっていく流れはファミリー層へも広がり、ついには母親がゲームに理解を示す時代が、1本のソフトによって成し遂げられます。それが1996年に発売され、時代を20年ほど先取りしてし

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女性ゲームユーザーの存在を織り込んだ上で読み解く日本テレビゲーム史(その2)

日本は、おそらく世界でもっとも女性ゲームユーザーの存在感が大きい国です。ならば、それらの女性ユーザーの存在を織り込んだ上で日本のテレビゲーム史を語ってみよう――といった趣旨で書き始めたシリーズの第二弾です。シリーズ第一弾『女性ゲームユーザーの存在を織り込んだ上で読み解く日本テレビゲーム史(その1)』と併せてお読みください。今回は1990年代の家庭用ゲーム機を中心にしたゲームの歴史の話になります。

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女性ゲームユーザーの存在を織り込んだ上で読み解く日本テレビゲーム史(その1)

[序文]

 これから書くのは、"女性ゲームユーザーの存在を織り込んだ、日本のテレビゲームの歴史"です。

 日本は女性ゲームユーザーの存在感が抜群に高い国です。女性ゲームユーザーの存在がゲーム文化に影響を与えた度合い、というパラメータがあるならば、ぶっちぎりの世界一でしょう。

 いまから25年前の1993年には、世界初となる女性をメインターゲットに据えた家庭用ゲームソフト「アンジェリーク」が発

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野安の電子遊戯工房 ~映画「若おかみは小学生!」に潜む、"正統なジュブナイル"かつ"大人を号泣させる物語"の二層仕立て~

ネットの評判につられて観に行きました。映画「若おかみは小学生!」。素晴らしい映画でした、今年のナンバーワンアニメ映画なんじゃないかなと個人的には思います。

 小さな女の子にとって、これはとびきりのファンタジーです。

 原作がベストセラー小説でもありますし、だからネタバレを気にせず書いてしまいますが、冒頭、主人公・オッコの両親は死去します。交通事故で亡くなってしまいます。オッコは旅館を経営する祖

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野安の電子遊戯工房 ~ゲーム史に記載されることの少ない「キッズコンピュータPICO」~

「ゲンロン8 ゲームの時代」において、おまりにも大雑把な、しかも事実誤認が多いと指摘されまくったゲームの歴史が語られたことが、ゲームファンの間で話題になりました。

 この書籍、いろいろな大きな問題があったのですが、すべてが悪いことだったかというとそんなことはなくて、いくつかのポジティブな面もありました。その中のひとつが、各方面にいた「寝た子を起こした」ことにあるんだと思います。

 テレビゲーム

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野安の電子遊戯工房 ~「アンデッドガール・マーダーファルス」(青崎有吾)が素晴らしい~

小説家・青崎有吾さんの才能は、「アンデッドガール・マーダーファルス」によって、ついに世間に発見されることになりそうですね。

 かなり前から、青崎有吾さんは推理小説ファン(ミステリファン)には知られた名前でした。多作タイプではありませんが、1作ごとのクォリティーが高く、高評価を受けていたのです。デビュー時に出版社サイドが付けたキャッチコピーが「平成のエラリー・クィーン」なのですから、その才能は、業

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