ゲームに子供料金があったらいいなぁ――という話


 テレビゲームって、子供料金があるといいよなぁ。

 ――と、つねづね思っています。映画館や遊園地では、子供は大人よりも安い値段で楽しめるようになっているのだから、テレビゲームもそうなるといいよなぁ、と思うのです。

 もちろん、それが実現していない理由は、わかっています。書籍とか音楽CDなどの「買い取る」コンテンツに、子供料金が存在しないのと同じことです。

 いったん「買い取る」コンテンツは、購入した後に誰が触れるか売り手にわからない。購入したのは子供でも、そのコンテンツを楽しんでいるのは大人かもしれない。だから子供料金を設定するのは困難だ、という考え方は、たしかに理解できるものではあります。




 でも、いまのゲームって、かなり変わってきたわけです。

 オンライン化が進んだことによって、テレビゲームは「買い取る」コンテンツではなくなりつつあります。「延々と遊んでね」というサービス業に近いものになっています。だったら、子供料金というものがあってもいいんじゃないかな、と思うのです。

 やろうと思えば、そんなに難しくないはずなんです。

 もっともシンプルな方法としては、「全サービスが受けられるバージョン」と、「子供用に多くの制限がかかっているバージョン」を用意して、後者をキッズ版と名付け、そっちの価格を大きく引き下げればいいのです。



 これって、ひらたくいうと「体験版」という名称をやめてしまおう! という提案なのかもしれません。

 いま、ゲームの冒頭だけプレイできる「体験版」を無料で遊べるようになっているゲームもあります。たとえばレースゲームで、3つのサーキットのみ選べる、オンラインプレイ不可のバージョンが、まずは無料で体験できますよ! みたいなサービスですね。

 これまでは、そういったバージョンは「無料体験版」と名付けられていたわけですが、これを有料(もちろん安価)にして、「キッズ版」と名乗ればいいんんじゃないかなぁと。

 こうすれば、ごく自然に、小さな子供たちが「ゲームを安く楽しめる」という形に収束すると思うんですよね。



 これ、細かいところを詰めていくと、たくさんの穴があるアイディアではあるでしょう。

 でも、世界的に、とくに先進国は少子化が進んでいるわけで、「子供たちが、気軽にゲームに親しめる」環境を作っていくことは、ゲーム産業が抱える全世界的な課題のはずなんです。

 ならば、ゲームに「子供料金を設定すべき」という提案は、あながち間違っていないと思うんですよね。

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