野安の電子遊戯工房 ~「スーパー マリオパーティー」のトイパーティーモード~


 今回のE3において、もっとも注目すべきNintendo switchのタイトルは「スーパー マリオパーティー」で決まりでしょう。

 まだ未チェックの方は、まずは下記の動画を見てくださいませ。

スーパーマリオパーティー E3 2018 出展映像

 とくに注目すべきは、25秒過ぎからの「トイパーティー」というモードを説明するシーン。2台のNintendo Switchをテーブルに置き、ふたつの画面を繋げて「ひとつのバトルフィールド」として使ってしまうという仕組みが提示されています。

 ニンテンドーDS、ニンテンドー3DSに続く、ふたつの画面を搭載した携帯ゲーム機の後継機が、なかなか発表されないなぁ――と思っていたら、なんのことはない、その役目をNintendo Switchが果たせることを、こんな形で提示してきました。

 これまでのゲーム産業には、携帯ゲーム機と据え置きゲーム機という2つの市場がありましたが、「そんな分類、そろそろ意味がないよね」と宣言するかのような提案だ、と言っていいのかもしれません。すごいなぁ。ゲームの未来が、ちょっと変わりそうだなぁ。

スーパーマリオパーティーの公式情報はこちら




 ――と、やや興奮気味に書いてしまいましたが、でも、このくらい大袈裟に書いてもいいんだと思います。

 そもそも「マリオパーティー」シリーズの映像が、E3で大々的に発表されることが異例なんですよ。このシリーズ、なにもしなくたってファミリー層向けにヒットするタイトルであり、シリーズ新作が出るよん! なんていう情報を、熱心なゲームファンが注目するE3で大々的に伝える必要は、そもそもないんですから。

 なのに今回、「ゼノブレイド」「ポケモン」の新作に続き、3番目に紹介されました。

 ようするに、「ふたつの画面を使った、新しいゲームプレイの提案」を、全世界のゲームファンに見せつけるために、3番手に抜擢してきたってことですね。ならばE3情報をチェックしている者として、この提案を興奮気味に書き記しておかなくては、と思った次第なのです。




 ついでに言いますと。

 これってWii Uで、任天堂がやりたかったことなんだろうな――とも思いました。

 Wii Uというのは、ゲームに「非対称性を持ち込む」という思想が込められたゲーム機だったんですよ。これは、わたしの想像ではありません。任天堂自身、オフィシャルな場で「非対称」という言葉を使っています。

 非対称のゲームというのは、つまり「プレイヤーによって、得られる情報が違うゲーム」みたいなことです。

 わかりやすい例として、「逃走中」というテレビ番組で考えてみるといいでしょう。これはタレントさんたちが、追いかけてくる敵から逃げながら順位を競うバラエティ番組です。タレントさんたちは、みんな同じ条件でプレイしています。

 さて。このような内容のテレビゲームがあったとして、プレイヤーが「敵から逃げる側」だけでなく、「ゲームを仕掛けている側」も担当できるとしたら、どうなるでしょうか? プレイヤーの中に、いわばゲームマスターの立場に立つプレイヤーが出てくることになるわけです。

 ゲームマスターが見ている画面には、他のプレイヤーよりも多くの情報が表示されることになるでしょう。他のプレイヤーが知らない「ひそかに仕掛けていた罠」の場所なども、ゲームマスターは把握できることになりますからね。

 このようにして、「プレイヤーとして参加する人」と「ゲームマスターとして参加する人」が存在するゲームが、非対称のゲームってやつです。あくまでも一例ではありますが。

 こういう遊びを実現するためには、ゲームマスターだけが見る画面と、他のプレイヤーが見る画面が、それぞれ別個に必要になります。つまりモニターが2つ以上必要になるのです。据え置きゲーム機でありながら、コントローラーにもモニターがついているWii Uだからこそ提案できた、新しいゲームの形だったんですね。




 しかし、Wii Uが普及しなかったため、この提案、ほとんど注目されることはありませんでした。

 でも、それがNintendo Switchで復活するのかもしれません。2台のNintendo Switchが、ひとつの場所に集まるという光景が日常化するならば、そこには2つ以上のモニターが存在することになり、非対称のゲームが実現可能になりますからね。

 もちろん、これを実現するためには、たくさんの台数が普及しなければいけません。猛烈な勢いで売れているとはいえ、現状では、まだ足りないでしょう。

 とすると、こちらの遊び方の提案は、もうすこし本体が普及した2019年あたりに発表されるのかもしれないなぁ――なんてことを、「スーパー マリオパーティー」の映像を眺めながら想像してしまった、そんな6月の深夜でありました。

 なお、これは想像に過ぎないんだけど、宮本茂さんが、こっちに噛んでそうな気するなぁ。

(2018/06/13)

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野安ゆきお

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