野安の電子遊戯工房 ~Nintendo Labo Camp・取材後記(2)~
昨日に引き続き、もう少しだけ、親子参加型体験イベント・Nintendo labo Campについて触れておきましょう。正直にいうと、自分の書いた記事の宣伝のためでございます(笑)。こちらです↓
Nintendo Labo体験会に潜入 子どもたちが工作に熱中(日経トレンディネット)
そして、ねんのため事前に告知しておきますが、上記リンク先の記事よりも「詳しい商品情報」を、こちらに書くつもりはありません。それは取材者としてのルール違反になるためです。そういった内容は期待しないでください。
これから書くのは、あくまでも、わたしの「感想」です。記事の補足みたいなものかもしれません。
さて。
このイベントのポイントは、以下のような基礎的な情報内にあります。すべて記事内に書いてある情報ですが、
・国外でも同様のイベントをやっている
・参加した親子は16組(少人数制)だった
・小学1年生から6年生までが参加していた
・そんな子供たちを、ちゃんと"大人と同様"に扱っていた
・全員に同じ工作の課題が与えられていた
といったあたりですね。これはゲーム専門メディアでなく、ビジネス的視点から読む人が多いメディアに乗せる記事だからこそ、きっちりと書いておいた情報です。
つまり、任天堂は、6~12歳くらいまでの、幅広い年齢層の子供たちの自発性を引き出す商品を作った。それを日本国内だけでなく、全世界的に展開しようとしている。そのために、参加者全員に目が行き届く規模の体験型イベントを世界中で開催しているのだ、ということを伝えているわけです。
ぶっちゃけ、ここさえ押さえてしまえば「ビジネス的視点から読む人が多いメディア」の記事としては合格点なんだろうな、と思っております。あとは「読んで楽しい記事になっていればOK」といいますか。
とりわけ大事なポイントは、小学1年生から6年生までが参加していた、ってことでしょうか。それを強調するため、わたし、最年少の参加者と、最年長の参加者に、それぞれインタビューをしているんです。
だって、ちょっと考えてみてくださいよ。
このイベント、小学1年生から6年生まで参加していて、全員に同じ段ボール工作キットを渡し、全員に同じものを工作させたら、全員が同じように夢中になった――という状態になっていたわけですよ。
じつはこれ、すっげぇ奇跡的なことなんですよ。こんな娯楽商品、そうそうお目にかかれるもんじゃありません。楽しませる年齢層の幅が、ものすごく広いんですね。
どうして、年齢を問わずに夢中になるのか。
わたしの私見を述べておきますと、たぶん、子供たちが各自で自発的に目標を立てていたからでしょう。
たとえば、6年生が作った「振動で走るリモコンカー」は、ちゃんと直進するんです。「段ボールを直角に折る」といった工作作業の精度が高いからですね。こういう子は、じゃあスムーズに誘導するためにどう工夫すればいいのか? レースに勝つにはどう操作すればいいのか? といった課題が、自分の中に生まれてくる。そして、その解決を目指そうとするわけです。
1年生が作ったリモコンカーは、まっすぐ走りません。斜めに走ったり、弧を描くように走ったりするわけです。すると新しい課題は生まれないわけですが、1年生にとって、そんなことはどうでもいいのです。自作のモノが動き出したことだけで100点満点に嬉しいし、だからどんどん可愛くデコりはじめたりするんですね。
つくる、あそぶ、わかる。
これが「Nintendo Labo」のキャッチコピーなのですが、年齢によって、最後の「わかる」に差が出ているんですね。年齢が上がるほど「わかる」度合いは高くなる。それが動いている仕組みを高度なレベルで理解する。だから、より高度なことに挑戦したくなるわけです。
かくして、まったく同じ工作キットを遊んでいるにもかかわらず、1年生から6年生までの、それぞれの頭の中では、まったく違う目標が設定されることとなり、みんな、その目標達成に向かって夢中になっていくんだろうな、と、わたしは思っています。
とまあ、こんな感じで、取材後記を終えることにしましょう。
Nintendo Labo Campに関する文章は、これでラストにします。まだ大阪での開催もありますし、これから楽しむ親子のみなさんもいるでしょうから、あまり書きすぎてもいけないでしょうし。
(2018/02/23)
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