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遠藤周作館と踏み絵とジャニーズ

先日母の誕生祝いもあり長崎に帰省しました。
叔母の影響で遠藤周作の文学にハマった私でしたが
長崎の外海にある遠藤周作文学館にやっと
行く事が出来ました。

周作先生の『沈黙』は何度読んでも難しいです
自分も何故こんなに興味があるのかは謎なのですが
やはり過去生の出来事と関係しているのでは
ないかと感じます。

内容は島原の乱が鎮圧されて間もない頃
キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人
司祭ロドリコが日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と
悲惨な殉教に苦悩し背教する。

神の存在・背教の心理・西洋と日本の思想的断絶など
キリスト信仰の根源的な問題等 【神の沈黙】
という永遠の主題に切実な問いを投げかける
長編小説です。

周作先生は真面目な小説もたくさんありますが
狐狸庵先生としてのエッセイも面白いです。
おちゃめでいたずら好きの好奇心旺盛な姿も
あります。

長い間病気と闘いながら執筆を続けられました。

『沈黙』を書くきっかけになったのは
長崎で踏み絵を見てからだそうです。
踏み絵はキリスト教信者であるかどうかの
確認の為にマリア様の絵を踏む事です。

自分の生き方や思想・信念を権力で
歪められざるをえなかった人間の気持ちとは。。

今年は生きていたら遠藤周作先生が100歳の
年です。
『沈黙』の完成から57年程

私は今起きているジャニーズ事務所の問題は
踏み絵に似ていると思うのです。

ジャニーさんは生前圧倒的な強者であり
権力者であった。
強者の前に何も言えない人もたくさんいた。
それは自分が生きる為に必要だったかも
知れません。

そして今ジャニーさんの加害問題が
浮彫になり大きな騒動になり
ジャニーズ事務所という名前が
無くなる事になった。

タレントの中にはジャニーさんに
恩を感じている人もたくさんいて
心を痛めている人も多いはず。

公の場でジャニーさんの名前を出す事も禁じ
られ関係する歌も歌えなくなり
事務所の看板も撤去され残された
タレントはこの先どうなるのかが
わからない状態。

被害者がいるから当然という意見も
分かりますが所属タレントには
罪はない。
あまりに大きな代償ではないかと
私は感じてしまうんです。

強い者と弱い者
神の沈黙
今起きている出来事に
凄くざわざわした気持ちを
持っています。

遠藤周作館にあった
【善魔】という言葉が
マスコミに通ずるものが
ある気がしました。

遠藤周作館の写真の文字の
どれに響きますか?

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