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コトコト揺られてJR日南線の旅...フォトエッセイ towazugatari


7歳の時以来、本当に久しぶりに降り立った地。

今は亡き、優しい叔母が住んでいた町「飫肥」。



駅の周りには、以前はたくさん雑草が生えていたり、すぐ近くを小川が流れていたような気もするけれど…
 

今は建物が増えて…とは言っても、思っていた以上にのんびりとした景色が残っているのでホッとする。



小川だと思っていたのは、この川かな…

小川かどうかは別として、取り敢えず「川」はあった。
遠くに山も見えて、美しい眺め…


ここから、あの時一緒に行ったと思われる神社を訪ねてみる。 

階段付近は、ぼんやりとだけれど見覚えのある景色。



まるであの頃のまま時間が止まっているような、そんな感覚を覚えた。


当時は気付かなかったけれど、階段の脇に見事な御神木があった。

樹齢400年以上。



写真で見るよりも、実物は迫力がある。

全体像が、カメラに収まりきれない。
何よりも幹の太さが凄かった‼︎


そして、境内は…


見上げると、目眩がしそうなほど高い高い樹木に囲まれていた。

この木々の一本一本にも、神様が宿っているようにも感じられる。


その後、叔母の家があっただろう場所辺りを散策してみたが…

道路が整備されていたり、当時より民家も増え、景色は様変わりしていた。


歳月人を待たず…

やはり殆ど面影がなく、残念ながら確かな場所は掴めなかった。



当時から車での移動が主流の地域だったようで、僕が遊びに行った時も、ほぼ車移動だった。

それ故、道路の記憶があまり無いので、神社だけでも思い出せたのは嬉しかった。


ここまでの行き来に乗ったのは、JR日南線。



一両もしくは、2両編成の可愛らしいローカル線。



車内の電光掲示板なども、勿論無い。

天井にあった扇風機に、何だか懐かしい気持ちになる。



殆どの駅のホームが短く、前の車両からしか乗り降り出来なかったり、
車両の揺れが時折り激しかったりするのも、かえって魅力的。



途中のトンネルは、都会では味わえないほどの長さ。
そして、線路のすぐ脇に迫る雑木林…



海や山も見えたり…



途中の駅にあった今は見かけなくなった、趣きのある木製ベンチ。



僕がこの日見た全て。
それは、ずっと残しておきたい宝物のような風景だった。



優しくて大好きだった叔母。
こんな素敵な場所で暮らしていたんだな…


覚えているよ。
7歳のあの夏の日、あの駅で迎えてくれたね。


出来る事ならもう一度、大人になった僕を、

あの駅で、あの優しい笑顔で、出迎えて欲しかった…🍀 

   noZomi Hayakawa

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