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日本にいるクマ、どんなクマ?

 

こんにちは。狩チャンネルのNozomiです。私は茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新人農家猟師をしています。このnoteマガジン『狩女子日記。』では、狩猟に関して私が個人的に疑問に思ったことや、気になったことをまとめていこうと思います。先のWEB連載『都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件。』では大人の事情で取り扱えなかった内容も扱っていこうと思います。主に私自身の勉強や、知識の整理、そして振り返りとしてまとめていきますが、時たま、私のモヤモヤを消化する為の焼却炉になっているかもしれません。
 …だけれども、一生懸命書いていきたいと思います。このnoteを通して、また、どこか遠くに居るまだ見ぬ貴方の意見を聞いたり、時には一緒に学んだりしていきたいのです。 

 さて、最近ではクマのニュースがとても多くなったように感じます。ただ単に、私が狩猟を始めたからそう感じるのか、実際に増えているのか…恥ずかしながら、わかりません。私はクマの出没する地域(目撃される地域)に住んだことが無いので今までどこか他人事でした。何となく『ツキノワグマ』『ヒグマ』そして『プーさん』を知っているくらいです。この機会に日本にいるクマはどんなクマなのかを調べてみることにしました。


日本にいるクマは『ツキノワグマ』と『ヒグマ』の2種類

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環境省のデータから日本には2種類のクマ『ツキノワグマ』と『ヒグマ』が生息していることが分かりました。『ツキノワグマ』は本州以南に、『ヒグマ』は北海道に分布しています。大きさですが『ツキノワグマ』は体長1.2~1.5mほどで雄70-150kg、雌50-100kgなのに対して、『ヒグマ』は体長1.4 ~ 2.8 mほど雄150-300kg 、雌100-200kgと『ヒグマ』の方が大ぶりです。この『ヒグマ』は世界最大種の『ホッキョクグマ』に次ぐ大きさというから驚きです。

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(写真)ヒグマ。北海道に分布。

 ちなみに世界には何種類のクマが居るのかと、ふと疑問に思い調べてみたのですが、すでにたくさんの種類が絶滅してしまったようで、ジャイアントパンダ(ジャイアントパンダ亜科)、 メガネグマ(メガネグマ亜科)、 マレーグマ(クマ亜科)、ナマケグマ(クマ亜科)、 アメリカグマ(クマ亜科)、 ヒグマ(クマ亜科)、 ホッキョクグマ(クマ亜科)、 ツキノワグマ(クマ亜科)のたった8種類だそうです。DNA的にはメガネグマ亜科とクマ亜科は近縁で、ジャイアントパンダ亜科は遠縁になるそうです。そっか、パンダもそういえば『クマ』だったんですね…!

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(写真)ツキノワグマ。本州以南に分布。

日本に生息するクマの推定個体数は、2011年時点で『ツキノワグマ』が1万5千~2万頭前後、『ヒグマ』が3,000頭前後と推定されています(自然環境研究センター)。またクマの居住地ですが、そのほとんどが森林で、国土のおよそ40%に生息しています。国土技術研究センターの報告によると、日本人の可住地の割合は国土のおよそ30%との事なので、数こそもちろんヒトの圧勝ですが、日本の国土はヒトだけの物だと勘違いしていた自分が恥ずかしいですね…!

彼らの寿命ですが、25年から40年の種が多く(長い!!!)、嗅覚がイヌの7倍も優れているのだとか。食性は雑食ですが『ツキノワグマ』に比べて、『ヒグマ』の方が肉食の傾向があります。寒い地方に生息する種は食べ物の少なくなる険しい冬を乗り切る為に、秋にたくさん食べて、冬ごもりをします。そして成獣の雌は7-8か月の妊娠期間を経て平均2子を出産します。
 また肉食傾向の強い『ヒグマ』にとって家畜は格好の獲物であり、一度でも家畜やヒトを食べた経験がある個体はさらに求める傾向がありとても危険です。このことから、野生の動物よりも栄養価が高い家畜やヒトのねぐらを見つけてしまえば容易に手に入る事を“学習”することのできるクマの知能の高さを窺えます。

なぜ近年クマは人里におりるのか。個人にできる事は?

 『ツキノワグマ』と『ヒグマ』でその要因は違ってくるのでしょうが、調べてみると特にドングリの凶作の年は、食物を求めて彼らの行動範囲が広がり、人里まで近づいてしまう一因のようです。またそれだけではありません。山村部の過疎化や高齢化が進んで、里山や山林の手入れが行き渡らなくなったことにより“野生動物とヒトの境界線(ボーダー)”が曖昧になってしまったことも大きな原因の一つだと言われています。過疎化や高齢化などの社会環境の変化による原因は一個人ではなかなか改善をすることは難しいのですが、クマを人里に近づけないための私たち個人にできることをまとめてみました。

・見通しの悪い藪の除去や、下刈り。
 森や森林が広がり人里がのまれれば、そこは彼らのフィールドです。見通しの良いボーダーの整備は大変ですが、自治体でボランティアを募集している場合もありますので気になる人は問い合わせてみると良いですね。
・家庭用生ごみの野外放置をやめる。
・カキ、クリ、ミカン、リンゴ…庭先の果実は早めに取りましょう。
・公園やキャンプ場で出たごみは持ち帰る。
・ハチの巣は早めにとる。
 などなど…

 
終わりに。興味を持つことから。

 繰り返しになるのですがこういった環境の問題に直面した時に私たち個人にできる事は限られてしまいます。だけれども、クマの生息していない地域や都心部に住んでいる貴方にも、そして私にもできる事は必ずあるはずです。そう、興味を持つことは誰にだってできるはず。例えばですが、都心に住んでいる貴方でも他県にキャンプやハイキングに行くことはあると思います。私も数回、北海道に遊びに行ったことがあります。その時に、いつもよりちょびっとだけゴミの扱いや、現地での様子に心を傾けてみる事から始めてみようと思います。
 野生動物が生きていくのはとても大変です。だって、安定した食料の供給があるわけではありません。そんな過酷な生活をしているところで、例えば、たまたまキャンプ場などでほんの一部の自分勝手な人が置いていった生ゴミ等を食べたクマは“学習”するのでしょう。

「ヒトの傍に居れば、簡単に美味しいものが食べられるぞ。」

 そして、ヒトに近づきすぎてしまったクマは駆除されてしまいます。ヒトの安全の為に。クマを駆除をするヒトだって命がけです。しりぬぐいはいつだってそこに“住む”人々と野生動物たちです…。鳥獣被害の問題の前では“野生動物”も“ヒト”も“被害者”であり“加害者”にもなりえます。私は、両者が悲しい“被害者”にならないためにも、少しずつ興味を持って、できる事から行動していきたいと考えています。

 今回は日本にいるクマがどんなクマなのか、自分なりに調べたことをまとめさせて頂きました。私にできる事は多くは無いけれど、まずは興味を持つことから始めていこうと思います。次回は歴史から見る『クマ』の係わる事件や事故についてまとめていきたいと思います。


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