12月31日

部屋がとても寒いが、エアコンが苦手で極力使いたくなくそしてだから無駄に部屋で凍えている12月31日。

今年は年末の空気になるのがとても早かった気がする。クリスマスを過ぎる前から街のそこここに年末の空気があった。そのことをなんとなく不思議に思っていたのだけど、そうして今朝10時を過ぎてようやくベッドを這い出し寝室のドアを開ければ年末のその空気が静かな確かさでもって部屋の中にあり、空気というものは部屋の外にあるものだと思い込んでいたわたしは少しだけ驚いてからいつものようにキッチンでケトルを火にかけた。

思い出すのは佐野洋子さんの『私の猫たち許してほしい』というわたしの大好きなエッセイ集の中の、子供のころから毎年お正月の朝に目が覚めるとそこにあった「お正月の空気」がある年すっかりなくなっていてなにかの間違いかと思った、だけどそれはそれっきりなくなってしまった、でも何年も何年もあとになってベルリンの地で(たしか、間違っているかもしれない)迎えたお正月に再びその空気を確認した、という話。

そうして年末のこの空気を年末の空気たらしめているものはなんだろうと少しの間考えてみればそれはきっと静けさであろうということに思い至った。静けさ。年末の空気。年末の静けさ。

今年の年末、というか12月はなんだかなにがなんなのかよくわからないままにバタバタとし、そうして結局そのままに過ぎ、終わろうとしている。去年の12月がどうだったっけと思い出そうとするけれどすっぽりと記憶が抜け落ちていてまったく思い出せない。大晦日にやたらムキになってお土産のケーキを買ってから実家に帰ったことだけを覚えている。今年はなんの格闘技がやっているんだろうか。今年も所英男が寝技でKO勝ちするところを観たい。

大掃除なんてまじでひとつもできなかったので、言い訳程度にさっき少しお風呂の掃除をした。あとは念入りに掃除機をかけて、水回りとオーブンの中の掃除をすればまぁよしとしよう、と思っているところ。わたしの部屋はいつも綺麗だから、と呪文のように脳内で繰り返している。そうして今年最後のコーヒーを飲みながらSufijuan StevensがInstagramにアップしていた今年のリースト・フェイバリットに『DUNE - A very long ZARA ad』(めちゃ長いZARAの広告)と書かれているのをみてひとり笑けるなどしている。

今年一年をざっくり振り返るならば、年明けにWeNeedCultureで省庁要請に行き、二度目のDOMMUNE配信、春にはCIRCUS FES FINAL、夏は某プロジェクトのために出張に行くなどしてエネルギーその他を費やしだけれども半年かけて結局白紙になるなどし、秋は選挙選挙選挙、冬はようやく制作に着手しつつ、たくさん様々の仕事をした。

年明けの投稿などをみてみればひとつには「いろいろな仕事する」と書いており、そういえばそんな気持ちで一年をはじめたことを思い出した。そして今年は確かに実にいろいろな仕事をしていて、音楽もそうだしそこから派生したいろいろや、ついには人前で喋ることも少しずつ仕事になり始めるなどし、だからそういう意味では目標のようなものを達成しているではないかよかった、という気持ちになったよかった。

本当にいろんなことがあったなぁ。走り回り駆け抜けた一年だった。よく頑張った。よく生きた。わたしもあなたも。

今年も一年たくさん日記のようなものを書いたから、早いところ掃除を終わらせて、それらを読み返し今年を振り返りながら電車に乗って地元に帰ろう。

年末年始少しだけのんびりして、また来年。生きましょう。今年も一年どうもありがとう。年明け8日には久しぶりにライブもあるし、なんとなく、去年おととしと外に外に向かっていた矢印が少しずつ自分の内へ内へと向いてきた感じがしているので、来年は引き続き制作に取り組みつつ、いろいろ、自分のことをやる時間を増やしていけたらいいなと思っているところです。また来年、いろんなところでいろんなひとに逢えたら良いです。

(そうして去年今年とたくさんの言葉をnoteというこの場所で書いてきたわけだけれど、媒体としてのあり方に疑問を持ちながらもごまかしごまかし使ってきてそれはだけどやっぱり自分の信条に反するなということを、数ヶ月前にはっきりと思い、来年からは書く場所を別に移すべく、今日実家に帰ったあとと明日明後日あたりできっとそんな作業をして過ごすのでしょうハッピーホリデーズまた来年)

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