いいね光源氏くん の楽しみ方㉑㉒

■いいね光源氏くんの楽しみ方㉑『ヲタク道紫式部』

【紫式部】
生没年は970~1019年(諸説有)
女房名は「藤式部」(式部は父の官職)で
「紫」式部の名は、物語中の「紫の上」
或いは藤の花が紫色だから説が有力

めちゃくそ優秀で
10代の頃、史記を暗記し兄の間違いを
指摘したりした人物
…なのに婚期を逃した

独身時代に藤原道長の正妻/源倫子の
女房として仕えた説もあり
その場合は清少納言とも時期が被る

25歳に藤原宣孝に嫁ぎ娘を出産
(当時は超行き遅れ)
28歳で夫が死去
その後「源氏物語」の執筆開始
数年で大ヒット
藤原道長がパトロンになり
その娘/藤原彰子(しょうし)に仕え
「源氏物語」を完成

紫式部と藤原道長は
尊卑文脈や紫式部日記の記述を元に
ちょめりんぐがよく議論になる
しかし、ちょめりはなくプラトニック説が有力

亡夫に忠誠を尽くしながら
壮大なちょめり物語を書いた人物…
妄想の末に至った道…
同人誌…
現代のヲタク道を彷彿とさせる
真面目な人間ほどいとをかし
(自分含)

画像1


■いいね光源氏くんの楽しみ方㉒ 『紫のゆかり』

むらさきの
一本ゆえに
武蔵野の
草はみながら
あはれとぞみる
<古今和歌集>

一本の紫草への愛情は
その縁(ゆかり)で
武蔵野のすべての草さえ
愛おしく思える

現代語訳
一つの人或いは一つの物への愛情は
それに縁(関係)のある物は何でも愛おしく思える

画像2


これが『源氏物語』全体を貫くテーマ
【紫のゆかり】である
光源氏の中心には、たった一人の女性がいる
桐壷更衣→藤壷→紫の上→女三の宮
(どの姫にも紫色が紐づく)

光源氏の母・桐壺に似た人であり
血縁関係の縁の系譜が続いている

また光源氏の死後が舞台になった
宇治十帖では『形代』の系譜


紫は平安で最も愛された色で
『紫草の根』を複雑な工程を経て
紫色に染められた布や紙を
他の物と重ねておくと色移りし
近くの物を染めてしまうことから
『ゆかり』が想起された

紫根から紫色が出るが
地上に生えた紫草の外見に紫色はない
ここに、もののあはれを感じる

薬理効果があるが毒にもなる


『紫のゆかり』
平安貴族は
どんな人や物でも一度愛したなら
周りのすべてが愛おしく感じ
もののあはれを想う

源氏物語の登場人物は皆
薬(紫の上)にもなるが
毒(六条御息所)にもなる物すべてに
愛おしさを感じている

もののあはれ
すべてに

いとをかし


ホントに差し上げられるものは少ないかもしれませんが サポート頂けたら、尚、一層、精進いたします。 ぜひ、サポートよろしくお願いします!