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歪みは身体に必要なものだった?鍼を使わない鍼灸師の新見解!

イメージしてみてください

あなたは今、整体院にいます。そこで
「すごい歪んでますよ」
と言われたとしましょう。そのとき、あなたはどのようなことを感じますか?

巷では「痛みや、痺れの原因は歪みである」
というような視点から、「骨格調整」や「産後の骨盤矯正」「頭蓋骨矯正」など歪みと言われるものを整えるための手技が散見されます。


そんな歪みを、鍼を使わず、触れるだけで身体を調整している鍼灸師の私からの目線で、見解を述べていきます。

この記事を読み終わったとき、歪みに対するイメージが少しでも変わっていたら嬉しいです。

身体は常に歪んでいる?

「右肩が上がってますね」とか
「左肩が下がってますね」とか
「こっちの足の方が短いですね」なんて言われたことはないですか?
でもよくよく考えたらそれくらいの歪みは、当たり前にあるものなんです

というのも、そもそもの身体の構造上
肋骨は右の方が前に出ていますし

肝臓は右側にしかなく、その影響で右の腎臓は左の腎臓より低い位置にあります

一例ですが、骨や臓器の位置、ある場所も左右均等ではなく
真ん中にあるとされている心臓も、ほぼ真ん中ですが左寄りになっています

臓器や、骨格が元々左右対称ではないのだから
左右差があって当たり前
むしろそれが無い左右均等な人間はいませんからね😅

右利きの人がいて、左利きの人がいる
ということは、よく使う側と、そうでない側
が存在するということ。それは歪みでしょうか?
見た目で歪んでいても、機能的、生理的には大きな問題ではないのではないでしょうか


痛みと歪みの関係

とはいえ、あまりにも歪みが強くなりすぎて
生理的な歪みの範囲を超えると痛みとなってきます

では生理的な歪みの範囲と、痛みを出してしまう歪みを見分けることはできるのでしょうか?

答えはNOです。
それは人によって痛みの感じ方が異なるからです。

見た目での歪みが限りなく小さくても、痛みが出てしまうことはありますし、見た目ではすごく歪んでいても、痛みがない人もいます。

これは痛みの閾値が関係しています。
骨折をしても気が付かない人もいれば、少し骨が欠けたくらいでも、救急車を呼ぶ方もいらっしゃいますよね

それぐらい人の痛みに関する感受性は異なるため、"この痛みはこの歪みが原因である"と、断言するのは難しいのです。


先天的な歪み・後天的な歪み

そして見た目で歪んでいるかどうかの判断も難しいのです
立ってもらった状態で、肩の位置や、骨盤の高さの左右差などは確認しますが、これはあくまで現状把握であって、歪んでいるかどうかを確認しているわけではありません。

ではどうして歪みを見た目で判断することができないのでしょうか?


それは、歪みは生まれてから、生活をしていくうちに、身体の使い方として歪んだもの(後天的歪み)と
生まれ持っての、なで肩や、いかり肩、側弯(背骨が横に曲がっている)などの歪み(先天的歪み)があるからです。
(生まれ持ったものは、正確には歪みではないのですが便宜上歪みと定義させて下さい。)

生まれた時からずっとその人の身体を見続けていたのであれば、その人が歪んでいるかどうか見た目で判断することが出来るかもしれませんが、そうでなければ、見た目で判断するのは至難の業です。

身体をひっぱり、支える張力がある!

なので私は、歪みというものはあまり重要視していません。

では何を見ているのか?

それは"張力"です。読んで字の如く物を引っ張る力です。身体では主に"膜"を引っ張る力です。

身体は常に、真っ直ぐを保とうとしてくれています。真っ直ぐであれば、骨で支えることができるため、無駄な筋力を使わなくて良いからです。

前に行ってしまったら後ろに引っ張り、右に傾いてしまったら真ん中に戻すために、左に引っ張ってくれて、左に捻れたら、右に捻り返すように引っ張ってくれます。

引っ張り返してくれなければ、人は真っ直ぐ立つことも、真っ直ぐ歩くこともできませんから。

この張力が、どこに、どれくらいの強さで働いているのか、どこからその捻れは始まっているのか
それが分かれば、その人は真ん中に戻るために引っ張っているわけですから、本当の真ん中が分かってきます。


まとめ

歪みは常にあります。身体の特徴は十人十色です。
見た目だけが整っているよりも、無駄な張力がなくなり機能的にも整ってくると、自ずと見た目も変化してきます。

見た目が歪んでいても、もしかしたらそれが1番最適な姿なのかもしれませんね✨

ここまで読んでいただきありがとうございます。
皆さんが今「すごい歪んでいます」という言葉を聞いたときにどのように感じるでしょうか?
最初にイメージしていただいた時よりは、印象は違うのではないでしょうか?

少しでも歪みの捉え方が変わっていたら嬉しいです。


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