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渋澤 健 氏(シブサワ・アンド・カンパニーCEO、コモンズ投信株式会社 取締役会長 経済同友会幹事)による「渋澤栄一の『論語と算盤』で未来を拓く」

今後の人口動向

人口が増えればいいということではなく、稼いでいる人が厚いことが経済活動にとっては重要になる。今後の人口ピラミッドは2050年に逆ピラミッド型になる。これは見える未来、であり、確実にこうなるというものを意味しています。

さて、今までの社会の主役は、団塊世代だったわけです。貯金や年金を支えていたのはまさにここで、投票率も高く、社会の主役でした。しかし、今後は団塊ジュニアになっていく。一方、団塊ジュニアは投票率が低く、貯金が少ない世代になります。これからの繁栄を考えると、団塊世代がいかに意図的に合法的に団塊ジュニアに移転するか、を考えることがとても重要になってきます。

Z世代については、圧倒的に少数派です。この世代の特徴としては、デジタルネイティブでした。インターネットにつながっていて当たり前ですので、国境はないわけです。テクノロジーによって日本で住みながら海外との距離も縮まっていきます。この世代が日本で暮らしながら、世界とつながっている感覚を得たらどうなるのか。例えば、インドネシアは中央値で28才、日本は48才で、かつ人口は日本の倍います。インドはインドネシアの5倍も人口がいて、中央値は27才です。

世界に目を向けると実はマイノリティーではなくなります。圧倒的なマジョリティーになるわけです。この世代にそのスイッチが入るか入らないか、が大事です。冒頭でお話した「見える未来」は絶望のストーリーです。ですが、「見えない未来」は若い世代が世界とつながるようなスイッチが入るような未来です。これができれば、これから30年間の未来は明るくなるのではないでしょうか。そんな時代の節目に我々は生きています。

「枠」を外せ


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この9つの穴があり、横には棒がありますね。この棒を使って9つの穴を満たすように配置するにはどうしたらいいでしょうか?

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実はこんな風に傘のような形を描けば良いのです。これが解けなかった人は「枠」の中で考えていたのではないでしょうか。この枠はコンフォートゾーンだと考えます。快適なところにいるだけだと発想できないものがあります。地域創世でも、「外モノ・若者・馬鹿者」が重要と言われますが、それは枠がないということですね。しかし、実際には、その3要素だけではダメで、地域に住んでいる人も必要なんですね。そこが足されて初めて新しい発想が生まれます。ダーウィンの進化論が正しいとすれば、強い企業が生き残るわけではなく、適用した企業が生き残るわけですよね。うちか外かではなく、うちと外を合わせて新しい価値を作ることが重要なのではないか、と思います。

渋澤栄一が紙幣について思うこと

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さて、渋澤栄一が紙幣になることになったわけですが、渋澤がもし今の状況についてコメントをするとしたらこんなことを言うのではないでしょうか。「ワシは暗いところが嫌いじゃ。タンスに入れっぱなしにしないでくれ!」と(笑)

日本のタンス預金の1万円札を積み重ねたらどのくらいの高さになるでしょうか。東京タワー?富士山?宇宙?実は宇宙まで行くんですね。日本は資源がないわけではなく、使っていないだけなんじゃないか、と思うわけですね。

渋澤は「よく集め、よく散ぜよ」と本の中で書いています。投資というと、「投げる資金」とイメージするのではないでしょうか。でも、Investと書くとどうでしょうか。チョッキのポケットの中に入れるということですね。意味がだいぶ変わりますね。

最悪な投資について考える

最悪な投資について考えてみましょう。1989年12月から2020年1月に日経225に一括でインデックス投資したら、30年間1回も儲からないわけです。ですが、一括ではなく、毎月積立だった場合はこうなります。

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積立投資は、額が減ると口数が増えます。額が増えると、額が増えます。そのため、リスク分散ができるわけです。私は2001年からはじめたのですが、リーマンショックなどもありましたが、淡々とやっていくのが大事です。そこで、共創資本を作ったのですが、親が子供の未来のために投資していいる人が6人のうち1人になっています。

大丈夫の試金石

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渋澤栄一は逆境についてこんなことを言っています。大丈夫の試金石ということですね。自分からこうしたいああしたいと奮起することが重要です。

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「できない」時に、「やりたい」とすることが重要で、その時の心構えは、「こうしたい、ああしたい」と奮起することです。できるかできないか、の軸で考えすぎずに、やりたいと考えるようにしてみましょう。

サポートされた費用は、また別のカンファレンス参加費などに当てようと思います。