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ShazamのCo-founderであるChris Barton が語る「音楽識別アプリShazamの舞台裏」

SouthSummit 2019で語られたShazamのCo-founderであるChris Barton氏の講演を書き起こしました。
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Shazamがなぜ、こんなにアプリがダウンロードされたか気になる人もいるのではないか。実は音楽を探すというだけです。140億円調達していますが、実際のところこのコア技術は、0円で作りました。最初の段階で、ほぼ作られていたのです。

私はよく音楽を聞いていました。カフェで、とか、家で、とか。ある時、自分の好きな音楽を書いていました。でも、その時に、音楽を元にどの曲か判別することができたら、どんなにいいだろう、って思いました。

Shazamはまるで魔法というUXにこだわっています。だって、手をかざすだけで音楽が判別できるなんていいですよね?

カフェ、家、クラブ、リテールストアなど、どんな場所でも構いません。どこでもThe Music Momentを提供できます。世界は音楽に満ちていて、それをShazamは連れ出すことができるのです。Shazamはあらゆる音楽の起点となります。

しかし、こういったアプリをビジネスにするのはとても大変でした。最初は不可能だと思いました。博士号・教授・MIT・スタンフォード大学など様々な人に聞きましたが、不可能だと言われました。

「なぜなら、ノイズとスケールがあるからだ。ノイズを取り除くのが難しいのと、音楽は大量にあるということが理由だ。」

最初、CTOを探すためにリストを書き出しました。そして、その人たちに、5人の頭の良いやつを教えてくれ、と聞いていきました。スタンフォードの数理に強い人や、技術に強い人などをあたっていきました。

ノイズ、貧弱なスピーカー、人の声、どこの部分の音楽かはわからないこと、DJがリズムを変えている可能性があること、など様々な不可能に思える条件がありました。ここで実際に、ちょっと音楽を流してみましょう。

(音が15秒流れる)

実際にShazamが聞いた音を聞いてみましょう。

(人々の声がめちゃくちゃ流れる)

・・・とっても緊張してきました。

(会場爆笑)

ある時、技術担当が「Cracking the code」というものを発見しました。音楽そのものではなく、コードを理解して、音楽を絞り込むのです。

しかし、1年後、ipodが出てきました。itunesも出てきて、マーケットプレースが出てきました。そして、7年後iPhoneが出ました。そう大量に音楽を持ち運べるようになったのです。

創業時、1つ1つのCDを手で打っていき、全てのコードとデータを入れていく作業をしました。それが今は400万曲くらいになっています。

そして、そのあと、起きたのは「キャッシュを燃やす」でした。2002年から初めて、2008年にようやくAppStoreに並びました。それまではキャッシュを溶かし続けました。リリースすると、10億ダウンロードに成功しました。

教訓としては、「Simple is Hard」です。シンプルにすることは非常に大事です。これにはこだわらないといけません。ですが、そのように見せるためには裏には、とんでもなくすごい技術があるのです。Googleの検索が良い例ですね。そのようにシンプルなものを作ると魔法だと言われるのです。

もう1つ、良い教訓なのは、「誰もが不可能だと思うことをやることが、人生にとってとても楽しい」ということです。

1997年のアップルのCMをご存知でしょうか?

クレイジーに見える人が実際は世界を変えるんだ、Think deifferent というものですね。どうもありがとうございました。

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(なんと一緒に写真を撮ってくれました!光栄です!)

サポートされた費用は、また別のカンファレンス参加費などに当てようと思います。